ペンギンの話
海と山が見える丘の上に、ペンギンの親子が住んでいました。
朝、親ペンギンが眼を覚ますと、隣で寝ていたはずの子ペンギンがいません。
「子ペンギンがいない。どこに行ってしまったのだろう。」
親ペンギンは、心配しあせりました。 急いで家を出た親ペンギンは、まず近くの川に探しに行きました。 そこには、いつもお世話になっている鮎さんがいました。
「鮎さん、うちの子ペンギン見ませんでしたか?」
親ペンギンがたずねると、少し考えて、
「さあ、見てないねぇ。いなくなっちまったのかい。」
心配そうな表情で鮎がいいました。
「ありがとう、ほかの場所をさがししてみるよ。」
親ペンギンはそういうと川を離れて、山の方へ向かいました。 山を登っていると、狐にあいました。
「子ペンギンを見ませんでしたか。」
親ペンギンが狐にたずねると
「見てないねぇ、もしかすると今日はこの山の頂上あるドーナツの木に実がなるころだから、そこにいるかもね。」
狐にそういわれ、親ペンギンはお礼を言って、急いで山を登りました。頂上近くになると、さすがに
すれ違う生き物も増えてきました。
頂上に着くと、大きな木にたくさんの身がついたドーナツ木がありました。ほかの動物たちはみんな
嬉しそうにドーナツのみを取っています。
しかし、親ペンギンはそれどころじゃありません。ドーナツの木の幹あたりを、周り歩いてみたり、少し上ったりもして探してみたけれど、子ペンギンは見当たりません。
親ペンギンは、ここを探すのをあきらめ山を降りました。歩き続けていると、程なくして、海に出ました。
砂浜を歩いていると、ウミネコを見つけました。
「子ペンギンをみなかったかい。」
親ペンギンが聞いてみると、
「丘の上のお家に向かうのを見たよ。」
と、教えてくれました。
急いで丘に戻ると、家に明かりが付いています。親ペンギンは急いでお家に帰ると、子ペンギンがいました。
「お帰り。」
子ペンギンは、笑顔でいいます。
しかし、親ペンギンは、
「どうして勝手に一人で家を出て、しまったの。」
「ごめんなさい」
と、子ペンギン
もう二度と一人で出ていちゃだめだぞ。親ペンギンは怒りました。
じゃ二人で取れたてのドーナツを食べよう。そうしていつまでも二匹仲良く暮らしましたとさ。
これは自分の子供にきかせている創作の話です。
ごいけんよろしくお願いします