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静まりたまえ。

作者: こーきち

これは全て実体験です。

私以外の目線でのエピソードはまったくでてきません。

結局のところは?という疑問が残ると思いますがどうぞお付き合いください。


私は関西のとある県のアパートに住んでいます。

2棟あり、お互いの玄関が向かい合わせにできた作りになっています。

私はその2階にすんでいるのですが、仕事休みの平日のある日

私は惰眠を貪っていると、玄関の外がなんだか騒がしい。とても大きな声で何かを言っているようでした。


こんな平日の朝9時からいったい何をしているんだ?

私は不思議に思い玄関を開けて外を見た。

すると左手斜め向かいの玄関が開け放たれ、その玄関にはお坊さんが2人いた。


「しーずーまーりーたーまーえー」


「南無阿弥陀〜」


1人が静まりたまえと低いがよく通る声で言っている。

もう1人は数珠をギャリギャリと音をたてながら念仏を唱えている。


お祓いだ。


私はお祓いというものを初めて見たためあっけらかんとしたが、近所迷惑を考えあえて平日の朝9時を選んでお祓いをしているのだと解釈した。


その左向かい斜めの部屋には頭がボサボサの白髪頭で腰の曲がったお爺さんが住んでいたのは知っていた。

たまの昼間にヘルパーらしき女性が玄関を開けて換気をしながら世話をしているのを見たことがあるからだ。

何かの原因で亡くなった為、一応お祓いをということなのだろう。

私はそう1人で納得し、また寝た。


それから2日、3日ほど経ったある日。

仕事を終え、車で帰宅した時偶然隣の駐車スペースに停めている方と帰宅時間が重なった。


私は「こんばんわ」と挨拶をする


男性も「こんばんわ」と返してきた。


部屋に帰ろうとする私を男性が呼び止めてきた。


「なあなあ、お兄さん。お兄さんって2階に住んでる人?」


「ああ、そうやで。」


「俺一階に住んでんねんけど最近上の階のやつが夜中にドンドンやかましいねん。ごっつい音してくるから寝るんも一苦労なんや。

どんなやつが住んどるか教えてくれんか?」


「そらかなわんなー、で、おっちゃんどの部屋すんどん?」


「あの向かって左の手前から2番目。どない?上どんなやつ住んどる?」


左の手前から2番目の上の部屋はと、、、あ、、、


私は背筋が凍った。

その部屋は2.3日前にお祓いをしていた部屋だ。

すでに不動産屋の独特のカギが付けられている。


つまりは空き部屋だ。


このおっちゃんはお祓いがあったことなど知らないのだろう。あんな平日の朝9時ごろに家にいる社会人の方が遥かに少ないのだから。


これは知らない方が幸せかもしれない。

誰も住んでないと教えたら怖くて家に帰れなくなる可能性もある。


私は「さぁ、、あの上の部屋の人は見たことないなー、知らんくて申し訳ない。」


「いやいや、かまへんかまへん。急に呼び止めてすまんかったな。」


そう言って私たちはそれぞれの部屋に戻った。

私は部屋に戻る時その部屋を見たがやはり不動産屋のカギもついているし、カーテンもない。

人の住む気配もないが、先入観からかとても薄気味悪く思えた。


それから10日もしないうちにあの部屋の下に住む人は引っ越していた。

車見なくなったなと思っていたら、そのおじさんの部屋には不動産屋のカギが付いていたからだ。


あれからまた何かあったのかな?

私は身震いした。


このアパートは立地も良く、家賃も相場と比べるとかなり安い為空き部屋ができるとすぐ入居者が入る。


だが、1ヶ月以内に引っ越して出て行く人は少なくない。


そのおじさんの後に入居した人、人達はもう4回は一年の間に入れ替わっている。


引っ越しとは引っ越し費用や手続きなど諸々含めて見てもかなり手間とお金のかかるものだ。

それなのに1ヶ月どころか2週間ももたない人たちを見ると何かあるとしか思えません。


私の住む部屋もかなりの怪奇現象がおきますが、その話は次回にしましょうか。


最後に言えることは生きた人間が考えたお祓いなど、死んだ人間たちからすれば鼻で笑ってしまうようなものなのでしょう。

なぜなら全く効果がなかったようですからね。


余談ですが、私の住むアパートの空き部屋はお祓いをした部屋のみです。

賃貸のサイトにも載っていませんが空いています。

載せていないのはどうしてでしょうね?




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