誇張したジャ○ーズばりの決めポーズ
展開遅いけど許してちょんまげ。
「どこやねんここ…………」
「「ホンマそれな…」」
思わず関西弁が出てしまった。
なんだ
なんだこの夢で見るような空間は。
え?俺ら死んだ?
まだ俺桜井さんと何もしてないのに??
上下左右の感覚もなく静かにパニクっていると、
突然目の前に眩い光が現れ
中から銀髪の高身長イケメンが現れた。
『あー、あー、聞こえてます?』
「「「…………」」」
『アレ?神波悪いかな?』
「「「…………」」」
太郎(え、何コイツ)
瞬(よく分からんが、この状況を説明してくれる
んじゃないか?)
玲(とりあえず殴って吐かせる?)
『オイオイ君たち聞こえてるし
僕のこと見えてるんじゃないか!!あとそこの君、見知らぬ神を殴ろうとしない!!』
ビックリした。
何?こっちの声聞こえてたの?
「あのー、聞きたいこと山ほどあるんですけど
とりあえずここどこですか?」
瞬が聞くと、銀髪高身長イケメン(銀イケ)は
よくぞ聞いてくれたと言わんばかりに大きく頷いた。
『ここは転移先説明所だよ!!
基本的には死んだ生き物しか来れないんだけど
君たちは神達に選ばれたから特別に来れてるのさ!
僕に感謝するといいよ!』
俺たちにグーをしながら説明にもなってない説明を
してきた銀イケ。
「えぇ……じゃあ僕らは何の目的で選ばれたの?」
恐る恐る玲が聞く。
『君たちはっ!これから違う世界に行ってもらって!
能力を回収してくるのさっ!』
いちいち誇張したジャ○ーズばりの決めポーズをしながら言う銀イケ。
「いやいやもう何もかもわからんから
一から説明してくれ」
俺が聞くとふむ…と銀イケは考えている風のポーズを
とってパチンと指を鳴らした。
その瞬間バットで殴られたような衝撃がして、
頭の中に様々な情報が入ってきた。
『今君たちの中に転移先の世界情勢、旅の目的、
回収する能力の保持者に関する情報などを
送ってあげたからこれでわかるでしょ?』
と、フフンと鼻を鳴らす銀イケ。
なんだこいつめっちゃイラっとする。
「はぁ…まあ…分かったけどさ、回収するったって
俺ら何も能力とか無いよ?」
頭を抑えながら聞くと銀イケは待ってましたと
言わんばかりにテンション上げ上げで喋ってきた。
『よくぞ聞いてくれた!!
今から君たちには特別なスキルを授けよう!!
これからの旅に役立てるといいさ!』
そう言うと一瞬だけ目の前が淡い光に包まれた。
『今君たちに与えたのは【魔法系スキル初級】だ!!これからの冒険に役立ててくれたまへ!』
え、これだけ?
何か超凄い武器とかユニークスキルとか無いの?
『ちなみに他の強力なスキルは
在庫切らしちゃったんだよねぇ〜
まあそれでも行けるさタブン』
「多分っていうなよ!!てか元の世界帰して!?俺はこれから甘酸っぱいラブストーリーが始まるんだよ!!!」
俺が必死に訴えても満面の笑みで答えを返してきた。
『あー、それは無理だね。だって君たち選ばれちゃったし我々神に!ドンマイ!!』
よしコイツ殴ろう。あのイケメンフェイス整形してやる。
『ちなみに僕は分身だから殴っても本体にダメージいかないよー!』
「心読むなや!!」
どっと疲れてしまったが、兎にも角にも俺らは異世界に行かなければならないらしい。
「はぁ…玲、瞬、何とかやっていくしかないみたいよ…」
そう言って2人を見ると、信じられないような目で
こちらを見ていた。
「太郎…君どうしちゃったの?明らかに怪しいじゃん」
「玲の言う通りだ太郎。
仮にこいつが言っていることが正しいとして
俺たちは生きていけるのか?」
そうだ。
俺は余りにも非現実過ぎて考えていなかったが
俺たちは生きていけるのか?
お金は?家は?
その事に気付いた俺は目の前にいる銀イケに
聞こうと顔を上げた。
しかしそこはもう先程までの空間とは違い
生い茂った草原に澄み渡った空がどこまでも続いていた。
「マジかよ…」
何かのドッキリなのか?
夢だったのだろうか?
目の前の光景に思わずそんな事を考えてしまう。
他の2人を見ると同じように呆然としていた。
これからどうなるんだろう。
多分普通の人なら異世界行ってもこんな感じになると思う。