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星の勇者  作者: アシラント
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バトルマスタータウン到着!

レイジたちは目的地のバトルマスタータウンが見えた。そこは川沿いに栄えた街で、サンシティと同じくらいの大きさのシールドで守られていた。周辺は草原が一面に生い茂っており、奥にいくにつれて木々が生え、最奥には山々が見えた。山々の間から夕焼けが顔をのぞかせていた。そのおかげで街はオレンジ色に輝いていた。


「あれが、バトルマスタータウンか?なんだか思っていたのとは違うな。もっと殺伐とした場所にあるのかと思ったぞ。」


レイジはゴゴに言った。ゴゴはガッハッハと笑った。


「そうだな!俺も最初は荒野のど真ん中とかにあるのかと思ってたぜ!でもな!中に入ってみるとまた驚くと思うぞ!?」


ゴゴはそう言ってルンルンとスキップをしながらバトルマスタータウンへと向かって行った。レイジたちはゴゴについて行った。そしてバトルマスタータウンの門の前まで来た。


「遠路はるばるようこそ!ここはバトルマスタータウンでございます。」


門番の人は笑顔で出迎えてくれた。そしてゴゴが手を挙げた。


「よう!ひっさしぶりだな!」


「あ、あなたは!?まさか、ゴゴさん!?まさかあなたがこの街に戻って下さるとは!?」


門番の人は嬉しそうにゴゴと握手をした。ゴゴは照れくさそうに頭をかいた。


「まあまあ、興奮すんのは分かるけどよ!とりあえず中に入れてくれねーか?もちろん、戦士としてな!?」


「もちろんです!またあなたの闘いが見られると思うと胸が躍ります!」


門番の人はシールドで覆われた門を一部解除してゴゴたちを入れた。レイジは驚いた。


「ゴゴ、お前有名人なのか?」


ゴゴは振り返ってレイジを見た。


「ん?ああ。俺は5年くらいここの闘技場で闘ってたからな。1年ぐらい前に飛び出したけど。」


レイジは驚きつつもうなずいた。


「そうだったのか...結構頑張ってたんだな。魂の力を全然扱えてなかったけど...」


「ガッハッハ!そうなんだよ!この街での俺の二つ名は『魂無(たまな)しマッチョ』って名前だったぞ!金玉も無いから二重の意味らしいぞ!」


ゴゴは豪快な笑いをした。レイジは納得した。


「なるほど。この街の住人はセンスがいいな。」


あんこは笑ってもいいのか悩んだ。


「ねえー。それって笑ってもいいのー?男の子にとって大事なものなんでしょー?」


ゴゴはガッハッハと笑った。


「気にするな!おかげで俺は強くなれたんだからな!」


ゴゴは強くなること以外のことは頭になかった。そしてレイジたちは門をくぐりぬけてバトルマスタータウンに入った。


「こ、ここがバトルマスタータウンの中か...」


レイジは目に入る光景に驚いた。そこは地面が白い石畳で舗装されており、建物は全てレンガで出来ていた。そして街の左側には川が流れており、そこに橋が架かっていた。さらに街には活気があふれており、道行く住人たちは皆希望に満ち溢れた顔をしていた。


「なんだか、楽しそうな街だな!」


レイジはそう言って周りを見た。街のすべてが舗装され、さらに警備員と思われるバッジをつけた男が巡回していた。


「街の治安もよさそうだな。ゴミが地面に一つも落ちてないぞ!」


レイジは興奮して言った。姉御はうなずいた。


「ああ。この街は強いものが集まっているからね。それだけ安全って事さ。安全が確証されていると、人は心に余裕が生まれる。そうなれば気持ちも穏やかになっていくって訳さ。」


姉御は人の心理を言った。レイジは納得した。


「そうか。ここはシールドで守られているし、内側には屈強な戦士たちがいる。さらに外の土地は緑が生い茂っているし山々もある。川も流れていて水や食料に困ることは無いのか?川が氾濫(はんらん)でもしたら大変そうだが...」


レイジはそう言って考えた。姉御はフフッと笑った。


「そうだね。でも、川の氾濫はそうそう起きないさ。氾濫防止のために川を横幅を大きく掘ってあるからね。そのおかげで水位が上がりにくいのさ。」


「なるほどな。ちゃんと考えられているのか...」


レイジは聞けば聞くほどバトルマスタータウンがちゃんとした街だと認識できた。そしてゴゴが指をさして言った。


「レイジ!みろ!あれが闘技場だ!」


ゴゴが指をさした場所には円状に建てられた大きな建物があった。それは石でできたコロシアムのような建物だった。


「あれが闘技場か...外観は古い建物って感じだな。」


その見た目は大きなひとつの門と、周りに造られた小さな門が大量に並んでいる形だった。ゴゴはレイジに言った。


「まあ、とりあえず行ってみようぜ?中はスゲーことになってるからよ!」


ゴゴに言われてレイジはついて行った。その道中でゴゴは街の住人に話しかけられた。


「え!?お前、もしかして魂無しマッチョか!?」


住人の男はゴゴを見て嬉しそうに言った。ゴゴは「ああ!そうだぞ!」と言った。住人は興奮した様子で近づいてきた。


「おおーー!!戻ってきたのか!?あんたが来てくれたんなら明日の試合は楽しくなりそうだな!」


住人は嬉しさを溢れさせながら言った。ゴゴは照れながら「ありがとよ!」と言った。レイジはゴゴの人気に驚いた。


「ゴゴ、お前人気者なんだな。なんでそんなに人気があるんだ?」


「ん?俺もよくわかんねーんだがよ、なんでも俺の闘いは盛り上がるらしい。俺の闘い方が好きだって言ってくれる奴が多いな。なにがそんなに盛り上がるのかはわかんねーけどな。俺としてはただ闘ってるだけなんだけどな。」


「...そうか。ゴゴの闘い方は派手だからな。それに、魂の力を使わないっていうハンデを背負っているのも魅力のひとつなのかもな。」


レイジは冷静に分析した。ゴゴは首をかしげた。


「そうなのか?俺はただ単純に知らなかっただけだったけどな。他人の闘いなんて見てもつまらないからな。自分で戦った方がめっちゃ楽しいからな!」


ゴゴはそう言ってニッコリと笑った。レイジはため息をついた。


「ゴゴ...お前強くなりたいなら勉強しろよー。実戦は大事だろうけど、それと同じくらい勉強も大事なんだぞ?」


「ガッハッハ!それは断る!勉強するくらいなら俺は実戦してーぜ!」


ゴゴはキッパリと断った。レイジはため息をついた。


「まあ、お前はそういう奴だよな。なんか、もう諦めてきた。」


レイジはそう言って闘技場の中へと入った。そこは中央に大きなスペースがあって、周りには観客席がずらーっと並んでいた。そしてゴゴが説明を始めた。


「真ん中のひろーーい所が戦士たちが闘う場所だ!そして周りにある席が観客席!以上だ!」


「いや、それは見たらわかる...」


「ガッハッハ!だが、本当にそれしか無いんだ!さいっこうにシンプルな造りだろ?ちなみに、この闘技場は戦士たちが闘うだけじゃなくて、スポーツだったりもするぞ!?客は見に来るのはタダだ!だが多くの客は金を賭けているらしいぞ!」


ゴゴはガッハッハと笑って言った。レイジは納得した。


「そうか。それがこの街の主な収入源なのか。確かに、賭け事はハマると抜け出せないって聞くからな。」


姉御はうなずいた。


「まあ、そうだね。この闘技場を目当てに遠くから危険を冒して来る人も多いからね。やっぱり安全と娯楽のある街は栄えていくんだねぇ。あたしも本当はここに住んで戦士として稼いでいく予定だったけどね。ドラゴンフライを手に入れたから、そんなことしなくても安全に生きてこられたけどね」


姉御はそう言ってレイジとあんこの肩に手を置いた。レイジはうなずいた。


「そうだったのか。確かに、姉御ほど強かったら戦士として金を稼いだ方が楽か。」


あんこはちょっと驚いた。


「そうだったんだー!でも、ドラゴンフライに住めてよかったー!だってあたしが裸になりたい時にいつでも裸になれたもんね!街の中だと捕まっちゃうかもしれないんでしょ?」


姉御はフフッと笑ってあんこを抱きしめた。


「ああ。そうだね。全く、困った子だよ。裸が好きだなんて、最初は子供のうちだけだと思っていたのに、今でも変わらないんだものね。まあ、時と場所をわきまえていれば裸になっても大丈夫。」


あんこは姉御に褒められて嬉しそうに笑った。


「えへへ。そうだよね!あたしはずっと裸のまんまがいいって思うんだけど、それだとレイジたちが困るんだもんね!だからあたし我慢してるんだよ!?えらい?」


「うんうん!えらいえらい!あんこはいっつも頑張っててえらいよー!」


姉御はあんこをひたすら褒めまくった。あんこは姉御にギューッと抱き着いた。


「えへへへへー!」


あんこは照れながら姉御の胸に顔をうずめた。レイジは言った。


「まあ、あんこが頑張ってるのは今は置いておいて、とりあえず俺たちも戦士として参加しようか。そのために来たんだからな。」


レイジはそう言ってゴゴを見た。


「ゴゴ。どうやって参加するんだ?」


「おう!それならまずは戦士登録を済ませる必要があるぞ!だが、今日はもう遅い!きっと受け付けは終わってる!だから明日の朝にしよう!」


「そうだな。ここに着いた時にはもう夕方だったしな。今日は宿で寝て明日にしようか。」


そう言ってレイジは宿を探し始めた。

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