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はじまりの物語

メモから掘り出した物語です。

そんなに長くならない予定。楽しんでいただけたら幸いです。

『竜の愛は死の呪い』

古くからの言い伝えに、ひとつ、こういうものがある。

かつて栄えた大国で、実際に起きたと言われている物語から作られたこの言葉。死してなお愛することをやめなかった竜の愛は、もはや強力な呪いのようだと、そう言った意味で使われている。この言葉は、愛に生きることを夢見る少女たちにとっては憧れで、愛というものに夢を抱かない者たちにとっては嘲笑の対象だ。生きてこその愛だ、死んだものは愛を語れないではないか、と。


そんな言葉を生み出した、はじまりの物語を語ろうか。


舞台は大国。かつてこの地で最も栄えていた大国があった。戦乱の世は遠く、隣国との関係も良好で穏やかとも言える時代であった。

しかし其の平穏は破られることとなる。魔物がたびたび侵略してくるようになったのだ。はじめは小型の魔物が数匹現れる程度だったものが、徐々にその数と質を高め、騎士が5人がかりになっても倒せない大型の魔物が国土をうろつきだした。討伐は追いつかず、対策に手をこまねいてるうちに繁殖され、多くの民が犠牲になった。

そのきっかけは結界の老朽化、だった。些細な劣化は、しかし平和ボケをした者たちからはぞんざいに扱われ、被害が出始め慌てて治そうとした頃には既に手遅れだった。はるか昔、かつて竜が愛した者が生きていけるようにと作り上げた古代の産物。だれにも修復などできなかった。


そもそもこの大国の始まりは、この世で最後の一匹となった竜が一人の娘と恋に落ち、そして娘とその子孫が暮らしていけるようにと地を祝福したことから始まった国だった。結界がないと住めないような地に追いやられた娘を哀れんだ竜が作り上げた大国。しかし時とともにその成り立ちは消え失せ、竜の存在すら空想上のものとして扱われた。

そんな、過去がおとぎ話となってしまった時代のお話。

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