KITUNE [Twitter name りんねしゅー]
とある国、とある村の毎年恒例の行事、秋祭り。
だが、それはただの祭りではなかった。
秋祀り。村人にはそう呼ばれていた。
少し弱気な16歳、拓海は親友の健太に無理やり誘われこの祭りに足を運んでいた。
「射的やろうぜ射的!おい拓海!」
「え、あ、うん」
パンッ!!
健太が放った玩具の鉄砲から飛び出した弾はなぜか変な軌道を描き拓海の脳天を直撃した。
これ、実弾だったみたいです。
「ヌーンラ!!」
あっけない…。
拓海は頭部貫通により死んでしまったのだ。
ただ、説明はつかないが何故か拓海本人は存在していた。
全く同じ村の光景、いつも見ている歪な形の山々。上半身裸のおばあちゃん。
少し違うのは、十字架の様な木の板に張り付けられていることと…
「あれ?おかしいな…痛みもない…でも…この尻尾は何だろう」
体つきも男性のそのものとは明らかに違う。
「この膨らみはなんだろ?やわらかそー」
疲れて眠い目を擦りながらあくびをする。
ゴォォォォォオ!!
その刹那、口からわりと臭い爆炎を吐き出す拓海。
何が起こった?
これから何が始まる?
新しい世界が今、回り始めた。