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幸福と絶望と異世界生活と  作者: ゴルハアミーゴ
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17.ジョブとスキル

『ではまずジョブについてご説明します。ジョブは神によって定義された魂の形と想定されます。』


『想定される?事実ではないのか?』

『はい。私の知識は神の行いを把握しているわけではありません。神の行いを把握できるのは神だけでしょう。想定の域を出ません。』


『まぁいいか。続けてくれ。』


『ジョブにはレベルが存在しており、レベルは1から10までとなります。レベル10となるとステータス上はMasterと表示されますのでご注意下さい。ジョブのレベルが上がると技や魔法、スキルを取得出来ます。レベルアップの度に取得できるわけでは無く、一定のレベルに達した際に特定のものが取得できます。』


『まさにRPGだな!ジョブレベルが上がると能力が上昇するということでいいか?ジョブを変更するデメリットなんかもあれば教えてくれ。』


『ご推察のとおり、ジョブレベルが上昇すると補正が大きくなります。ジョブ変更自体には大きなデメリットはありませんが、ジョブを変更するとジョブをセットしていた時の補正は8割程度に低下します。』


 なるほどな。自分の能力を伸ばすときはレベルがMasterになっていないジョブを。全力で戦闘するときはMasterになったジョブを。というわけだな。ジョブを即座に変更できる恩恵がでかいな。


『説明を続けてくれ。』


『ジョブには階級が存在します。下から下級、中級、上級となっております。すべてがすべてこのような形になっているわけではないのですが、基本は。ということでご認識ください。下級ジョブを一つまたは複数Masterとすると中級ジョブへのジョブ変更が可能となり、中級ジョブを一つまたは複数Masterにすると上級ジョブへのジョブ変更が可能になります。それ以外の条件が必要な場合もあるのですが、説明は割愛させていただきます。』


『なるほどな。ちなみにだが、ジョブの数はどのくらいあるんだ?』


『下級、中級、上級でざっとですが、100、500、700となります。』


『多いんだか少ないんだかわからないが、さすがに一般的なゲームと比べると圧倒的に多いな・・・だが上級に行くにつれ種類は少なくなるものじゃないのか?これもゲーム的な感覚だが。』


『マスターの世界でも同様であったはずです。専門性が高まるほどその職業は細分化されていきます。スポーツで言えばプロになればなるほどその役割に特化し、強化され、細分化されます。例えば野球、サッカー、水泳、どれをとっても一つの野球選手、サッカー選手、水泳選手というひとくくりにするには能力に差があります。』


『なるほどな。言われてみれば、それは確かにそうだろう。野球でいえば、プロ野球選手といえど、ピッチャーとバッターでは能力が違いすぎる。・・・じゃあ確認だ。能力的な傾向がよく似た二つの上級ジョブを極めたとする。その時の補正は二つのジョブ分の補正がかかるということになるか?』


『その場合はより優った補正をベースにわずかに上方修正される形になります。なのでひとまずはバランス良く獲得しておくことが効率的に強さを獲得できる方法となります。ただ、獲得したほうが良いスキルや魔法などがあればそちらを優先するという選択もとることになると思います。』


『了解だ。あとはジョブレベルの上げ方だな。生産系のジョブもあるだろうし、ただ魔物を倒すだけでレベルアップするわけでもないだろう?』


『いえ、マスター。レベルと同様に魔物を倒すだけでレベルはあがります。ただ、それだけではないという話になります。商人ならば物を売買する、鍛治屋ならば剣を鍛えるだけでジョブレベルが上がります。』


『・・・それは効率的にはどうなんだ?』


『レベルの上昇速度は個人の資質によります。よって、自分に合った方法を選ぶのが一番効率がいい方法となります。戦闘系の資質がある人が鍛治屋を目指してハンマーを振ったところで、そのレベルアップは緩慢なものでしょう。鍛冶屋のジョブになった状態でモンスターを倒して上げた方が早いという話になります。』


 なるほどな・・・資質ね。人である以上、向き不向きがある。遺伝や育った環境、無数の要因が複雑に絡まりあって人という存在がいる。現代であれば大切なのは自分が何をしたいか。であって、一握りの成功者になりたいというのでなければある程度は自分の思い通りに生きることができただろう。それが自分に向いていないことであろうと。意思があれば。

 だが、ここは違う。魔物が跋扈するようなこの世界で俺は生きていかなければならない。守らなければならない人がいる。遠回りなんかしていられない。向いていることを突き詰めて向いていないことは後回しにしたい。


『オッケーだ!メティス!他に何か俺が知っていた方がいい知識はあるか?』


『知識と言いますか、今回ご説明した内容でスマホゲーのジョブガチャの凄さがご理解いただけるかと思います。』


『・・・・た、確かに。改めて考えるととんでもないな。誰しも下級から経験を積み上げて中級、さらに上級を目指していかなければいけない。そんな中で、俺はガチャだけで良く、運が良ければいきなり上級だ。ガチャの優先度についてはまた考えなきゃいけないな。』


『はい。ご認識いただけたとおりとなります。スマホゲーの能力はこの世界の理から大きく外れたものとなっております。この能力がマスターにいらぬトラブルをもたらさぬよう、マスターご自身もお気をつけいただければと思います。』


『そうだな。大いなる力には大いなる危険が伴うという言葉がある。スマホゲーのスキルは絶対に秘密だ。気をつけないとな。』


『じゃ次はスキルについて。だな。説明を頼む。』


『はい。マスターもすでにお気付きかと思いますが、スキルにはレベルが存在するものと存在しないものに分かれております。』


『そうだな。剣術のようなスキルにはレベルがあるが、インベントリにはレベルが無いしな。』


『はい。スキルのレベルについてはジョブのレベルと同様、1から10までとなり、レベル10はジョブと同じくMasterとなります。戦闘かそのスキルに該当する行動を行うことでレベルが上がります。またジョブと異なるのはジョブのレベルアップによりレベルが上がることもあるという点です。

 また、似たような点として、発展スキルと言うものがあります。ジョブのように下級、中級、上級と分かれているわけではありませんが、下位のスキルを極めると上位のスキルのレベル1にスキルが発展する。という形になります。例をあげますと、剣術スキルは極めると上級剣術スキルとなります。』


 ジョブレベルと似た考え方みたいだな。理解しやすくて助かる。ジョブと同じくスキルは気闘法、魔闘法を取得したときのように自力?取得も可能だ。その条件はメティスならわかるだろうし、ジョブ経由で取得するか、自力取得するかの選択になるだろう。メティス様様だ・・・気闘法の話で思い出した。


『メティス、話は変わるが気闘法が使える人類はこの世界に大体何人いる?』


『大体ですが1000人程度です。』


『・・・この世界の人口はどうなっている?』


『人類は3000万人程度です。』


 か、完璧に一握りの存在になってるな・・・数%どころじゃ無い。0.00数%レベルだ。レアすぎる存在になってしまった。そりゃ実績であんな大量のptsが手に入るわけだ。完璧にレアなスキルだもんな。アマテラスも俺がこんなに早く気闘法を習得するとは思わなかっただろう。


 気闘法についても公言しないほうがよさそうだ。有名にはなりたいが力が伴って無いならリスクは避けなければ。


『状況は分かった。物資の調達はどんな状況だ?』


『完了しております。マスター。」


『そうか。ではそのまま旅に出よう。視界を元に戻してくれるか?』


『マスター。その前に一つご提案があります。この世界には魔道具や錬金術に必要な素材を扱う店を魔法屋と呼びます。有料ではありますが、魔法屋ではマスターの魔法の適正を確認することができます。』


 魔法の適正だと?・・・おもしろそうだな!


『素晴らしい提案だメティス!俺が直接行きたい。肉体の操作と感覚を全部俺に戻してくれ。』


 そういうと2時間ばかりぶりに身体の感覚が戻ってきた。

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