プロローグ
はじめまして…柴っちわです。
恐縮ながら、小説というものに手を出してみました。
投稿頻度もまばらですが、よろしくお願いします。
カラス·······現代航空戦闘の主力兵器「機鳥」。その日本空軍ブラックウインド部隊「BW隊」が主に運用する次世代戦闘機であり、2020年当時使用していた戦闘機と同等の速度を保ったまま、減速開始からわずかコンマ5秒で完全制止、急発進が可能になった機体で、これの登場に航空機戦闘の幅が大きく広がった。
BW部隊·····日本空軍所属の、カラスを運用する機鳥部隊。非戦闘員を含み30人のみの少数部署。5機のカラスをそれにぴったりな選抜パイロットで構成されている。
~プロローグ~
高校3年の春、3階にある自室のベットの上でダラダラと横になっていたら、時刻はもう午後5時をまわっていた。
4月も終盤まで来て、太陽が出ている時間も長くなっていたようで部屋はまだ明るかった。
「んん、…」と、相原蒼凰は気のない声を出しながら目を覚ました。
ベットから這い出て、眩しい夕日を手で隠しながらベランダに出た僕は、上空で鳴った音の方へと目を向ける。
そこにはカラスが編隊を作って飛んでいた。おそらく巡回か演習だろう。
それだけなら特に珍しくもない光景だが、1ついつもと違う点を見つけ、落としかけた目線を再びカラスへ戻した。
カラスの編隊の進路上に別の鳥の編隊が、まっすぐ「カラス」に向かって飛行していた。
「なんだ?」と、声に出す前に事は動いていた。
カラスの進路を塞ぐ、正体不明の編隊から物体が、白い煙を上げてカラス達へと飛んでゆく。
一瞬にして、カラスの編隊が撃墜された。
そしてそれは、世界を揺がすテロとの戦いの最悪の形のコングとなった······
5月15日、世間を騒がせたテロから数週間が経ち日本にも普通の日々が戻り始めた頃、蒼凰は猛烈に帰りたい衝動に駆られていた。
「帰りたい…」心で思っていることがつい口にでてしまう。
「まぁ、そう言うなって!」と、なかなかにゴツイ手が体重と共に肩にのしかかる。声の主はクラスメイトの中村龍護だった。
龍護とは中学からの付き合いなので彼のテンションが上がっているのが蒼凰にはわかった。いつもより圧倒的に目に意思が宿っている。今の龍護のこの目こそ、俗に言う「キラキラの目」と言うやつなのだろう。龍護はなかなかの工学(主に兵器などの)オタクである。そんな彼がこんなにテンションを上げるものなど1つしかないのだが、今日は学校にそれが来るだけあって、いつもの比ではないほど跳ね上がっているんだろうと推測する。
本日5、6限。「セーフティー教室」蒼凰と龍悟が大学進学の道を切り捨てるきっかけとなった日であった。
プロローグなので?
これくらいで、、どろんさせていただきます。