冒険者 33 エルフたち その4
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うー・・・。
ここまでばれちゃ、しかたがない。
熊さん隊長とヨハン君、エルフのリーダーの前で説明することになってしまった。
『狭間の女神』?やヨミのことはおいといて、とにかく。
「ドア・ナンドールで召喚された異世界人だが、聖女でも魔女でもないし、魔力のコントロールも出来ぬと?」
そんなばかな、と熊さん隊長。
「でも鑑定の水晶珠が壊れてしまって、なんだかわからないんですよ」
えーっ、あれが壊れた?とヨハン君が声を上げる。
「あれって、各国に一つずつしか渡されてない国宝の神具なんですよ!」
げげーっ、やっぱりそんなすごい物壊しちゃったのか・・・。
「瘴気酔いをしておられたのだから、神聖魔法は使えませんよね」
「だから、アトス山の老師様に、相談に行くところなんです」
その必要はない、とエルフのリーダーが進み出た。
「ステータスなら、私が見てやる」
え、さすがはエルフ、『ステータス鑑定』をお持ちですか?
ヨミより頭半分くらい背の高い、戦化粧をしたきつい顔が近づき、形のいい手がくい、と私の顎を持ち上げた。
子供たちより深い緑の、金色の斑点が散った澄んだ目が、私を覗き込む。
心の奥底まで見通されるような深い瞳。
エルフだ、エルフだ、わぁ、眼福だー、と思わず腐女子心をときめかせてしまったら。
その眼がくるりと白眼を剥いて。
え?白眼?
どたっ。
わーっ、エルフが倒れたっ!




