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冒険者 22 カラハンの騎士 その2
22
「兄者。いえ、団長」
ヨハン君がガチャリと鎧を鳴らして直立不動。
赤毛の熊さんはぎろりと私たちをにらんで、一言。
「報告せよ」
「エルフ二人は確保。
闇狼に襲われ、冒険者二人に助けられました。
エルフたちが女性に懐いたため、同行をお願いした次第です」
熊さんはカッ!と大きな馬を一歩近づけた。
「弟が世話になった。
カラハン銀鷹騎士団長、アルフレッド・マルドゥーク・バリアンスタールだ」
「私はヨミ、こちらはハル。冒険者だ」
「ペアでこの森に挑むとは、大胆なことだ」
と、ヨミを見おろす。
ヨミが顔を上げ・・・。
ちょっと、なに、この怖いオーラの応酬は・・・。
頭の上で火花がバチバチ飛び交ってるみたいなんだけど・・・。
圧力がふっと緩んで、熊さんがヨハン君の方を向く。
「馬車の修理を手伝え、後の奴隷たちは人間だった。
この二人のエルフが、商人たちが隠匿しようとした物件だ」
ふっ、と息を吐く。
「また、あてが外れた」




