冒険者 20 エルフ その2
子供たちの眼の色を変更しました。
20
ふたりのエルフっ子はよっぽど怖かったらしく、ヨハン君が鎧をガチャっといわせただけで、びくっと跳びあがる。
とーぜん、そばに寄りもしない。
えーっと・・・。
私が膝をつくと、ちょうど二人の眼の高さ。
「あのね、この鎧のお兄さんがあなたたちを助けてくれたんだよ」
二人はこくこくと頷く。
「お兄さんの仲間たちも、街道にいるから。
そこに行けば、安全なの。わかる?」
こくこく。
「だから、お兄さんについて行こう、ね」
ふるふる。
うーん・・・。
しかし、綺麗な二人だなぁ。
一人は緑、一人は青の、淡い透き通ったような眼。
いや、そんな言い方じゃ平凡だ。
翠と、碧
うん、そんな、宝石のような色。
短い白い髪はビロードのよう。
『一対のエルフの幼体とは。これは極上の商品だの』
え?
「エルフは森の奥に隠れ住み、めったに人前に姿を現さぬ、幻の種族。
生活習慣も知られていないし、幼子が人目に触れることもない」
『奴隷商人どもが必死で戦ったであろうよ。
エルフの子の奴隷取引など、見つかれば重罪。しかし闇で売れればひと財産じゃ』
えーと、エルフって、ここでは絶滅危惧種?
「あなたたち、お名前は?おうちはどこ?」
ふるふるふる。
『言えんじゃろうよ、隠れ里を人間に見つけられたら一大事じゃ』
あ、そんな大変なことなんだ、ごめん。
「じゃ、この子たちはどうなるの?」
ヨハン君が答えた。
「捕らえた奴隷商人と、他の奴隷たちと一緒に、パンタールの官憲に預けます。
おそらく領主の元で、手厚く保護されるでしょう」
うーん、行先は一緒、パンタールの街か。
隣国へ向かう街道と、アトス・クアトロス神殿へ向かう山道の、分岐点の街。
『カラハンの騎士たちと一緒なら、道中危険はないだろうがの』
うん、もう『瘴気』がどういうもんだかは、よくわかったし。うええ。
「どうしよう、ヨミ」
「君の思うままに」
「そうか、じゃ、この子たちと一緒に行こう」
私たちの会話を聞いていたヨハン君が、丸い目を見開く。
帽子の声は、聞こえないはずだけど。
あ、私が主導権持ってるって事、ばれちゃった?
「じゃ、お姉ちゃん(と、強調しちゃう)と一緒に行こうね、きみたち」
手を差し出すと、二人はちょっとびっくりしたように引き、二人で見つめ合う。
そして納得したように、小さな手を伸ばしてきて、おずおずと私の手に乗せた。




