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聖女 6  水晶鑑定



 四人が四人とも、私に何か仕掛けようとしてきた。


 なによ、こいつら。



 四人は私の前に並び、一段高い玉座に座ってる男の方へ、案内しようとして。

 手を差し伸べ、ぎょっと凍り付いた。

 白い虎がうっそりと立ち上がり、私の横に並んだんだ。

 ヨミ、ナイスフォロー。


 一歩引いた四人を無視して、私は玉座の前へ進んだ。


 魔導師とか金ぴかの高官とかが立ち並ぶ中、玉座に座っていた最も豪華に着飾った太鼓腹の中年男が立ち上がった。

 酒焼けした、赤ら顔。金髪碧眼も、これじゃ台無し。

 あ、あの第二皇子も、将来こうなるのかな・・・。



「ドア・ナンドールの国王ロックハートじゃ。

 アルカ殿、よくぞわしらの召喚に応じてくださった。

 この国は近年瘴気が湧き、魔獣が出没し、民人は難儀しておるのだ。

 瘴気の浄化と魔獣の征伐に、どうかあなたのせ・・・ま・・・ごほん、お力を貸していただきたい」


 聖か、魔か。

 呼び出したからには、わからなくても責任取ってよね。


 私は鷹揚に会釈する。

 

「わかりました。

 この目で状況を見たうえで、判断させていただきますわ。

 長旅で疲れております。

 休ませていただいてもよろしくて?」


「おお、貴賓室を用意させておる。

 ゆっくりと休まれるがいい。

 だが、その前に、一つだけ」


 王様が合図すると、美形の小姓が小さな机を置き、見事なローブの魔導師が、天鵞絨(ビロード)のクッションに乗せたアンデスメロンくらいある水晶珠を捧げ持ってきて、上に乗せた。


「これに手を触れていただけないだろうか」


 あー、これ。

 ステータス表示とか、魔力測定とかするやつ?


 うーん、しょうがないわね。

 聖女だとわかっちゃうけど、まあ、いいか。


 黒いレースのフィンガーレス手袋をはめた右手をのばし、水晶珠に触れる。



 ピシッ。



 えっ!

 



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