冒険者 10 冒険者(初心者)
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日程の事だけではなく。
『儂らのレベルを上げるためじゃ』
この世界では、鑑定水晶を使うか『ステータス鑑定』スキル持ちでないと、自分のステータスはわからない。
唯一『ステータス鑑定』を持ってる帽子は、レベルが低いので使い物にならない。
生き返ったヨミと、召喚された私と、意志を持った帽子とマントは、共にレベル1。
五歳になった子供に教会が教えてくれる、名前とギフト、それと同じレベルなので、後は伏字になってるそうだ。
『レベルを上げんと役に立たんわい』
帽子は地水火風の魔法持ちだけど、このレベルじゃまだ高位魔法は使えない。
ヨミは狩りをしているうちに、スキルが増えたっていうから、レベルも上がっているんだろう。
私も『鑑定』スキルだけは取れたけど、水晶壊すほどの魔力がありながら、感知して使うことが出来ないから、全属性魔法も持ち腐れ。暴発の方が怖いって。ぐすん。
攻撃力も防御力もないけれど、マントの気配感知と物理、魔法耐性があるから、まあ、大丈夫だろうということで。
めちゃくちゃアンバランスなパーティーだけど、「ヒトツメの森」のD、Eクラスあたりの魔物なら、何とか倒せて、レベルも上がるだろうってわけ。
そして。
「瘴気と魔物というものを、経験しておいた方がいい」
そう。
もともと私は、瘴気を払うために召喚された、聖女のはずだった。
神聖魔法を感じることも出来ないし、使う方法もわからないけれど。
これから私が何に向かい合うことになるのか、知っておかなきゃならない。




