表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女召喚されたけどハロウィンの仮装をしてたので魔女と間違えられました  作者: 葉月秋子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/138

聖女 49 冒険者

49



『冒険者』、遥、レベル1。うっふっふっふー。


『・・・・・・・・・』


 いいじゃない、言ってみただけよ。


『まったくお前様は、危機感がないというか、なんと言うか・・・』


 だって、そっち系のコスプレが多かったし、ちょっとあこがれてたんだもん!。


『ふん、お尋ね者では、どうせギルド登録は出来んさ』


 しかしヨミが答える。


「小さな町のギルドには、ステータス鑑定の大きな水晶などはない。

 真偽判定が出来る略式のものだけだ。

 表示されるのは、申告する名とギルドランクだけ」


 嘘発見器みたいなものか。

 私の名はちゃんと発音されてなかったし、ヨミの過去はない事になったし。

 うーん。それで押し通せるかな。怪しいけど。



 農村のはずれまで乗せてもらった馬車に別れを告げ、私たちはしばらく道を歩いた。

 人影がなくなった所で、荒野に踏み込む予定。


『しかし、二人とも『冒険者』には見えんなぁ』


 ヨミは古着のチュニックとズボン。私は変化自在マントの下は、黒のカシミヤのセーターとロングスカート。

 ウェストポーチにスニーカー。子守りだったので動きやすくしてたんだ。


 市場で買ったバスケットに軽食と果物剥きくらいのナイフを買うと、王子のお小遣いもさすがに尽きてしまったし。



『本格的に荒野に入る前に、どこか店があるところで装備を整えなければいかんぞ』


 でも、その前に、それを買うお金をつくらないとね。


『まったく、計画性のない主じゃ』


 しかたないじゃない、四人組につかまっちゃったんだもの。




「俺が獲物を狩ってきてもいいが」


『じゃが、武器もないじゃろ。

 爪と牙で倒した獲物をどう言い訳する?』


 するとヨミは、チュニックを肘までまくり上げて、前腕に沿わせてつけた長いナイフを、ズボンのすそを折り返して足首につけた短めのナイフを、次々に出してきた。

 二本、三本、四本?


 さすが元『暗殺者(アサシン)』というか・・・。でも、いったいどこから?


「虎の姿は目立つ。変身は最後の手段だ」



 私も、足元の雑草を注目してみる。


【ドクミダ草】匂いがきついのであまり使われない薬草。生の葉をもんで傷薬に、干して薬草茶にする。


 私も、『鑑定』があるから、『薬草採取』くらいは出来そうだし。


 あはは、何とかやっていけそうじゃない。

 

「じゃ、試してみましょうよ。あっちの森で」


 頭の上で、呆れてため息をつく帽子を無視して、私はヨミと腕を組んで道から外れて歩いて行った。


 


 


 



 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ