聖女 26 ナンドール大聖堂 その3
26
さすが総本山。
聖堂の中は高価そうな香が焚かれ、金の格子で仕切られた内陣では、廉価版とはいえ金糸の刺繍を施した司祭服や、輝く鎧の上から純白のサーコートを纏った騎士が大理石のきれいなモザイクの床を踏んで歩き回っている。
格子のこちら側は一般人の区画らしく、裕福そうな太った人たちや、着飾った女性が多い。
・・・みんなお金持ちばっかりみたいだね。
下層階級は入れないのか。
「普通の人たちは、ここには来ないの?」
「一般の礼拝のためには、街の四方に支社の教会があります。
各都市や、大きな村にも。
この国の子は五歳になると教会に登録され、各々が持っているギフトを告げられるのです」
私が壊しちゃった鑑定水晶のミニチュアが備えてあるらしい。
名前とギフトだけがわかる簡単なもので、それから子供たちは将来の仕事を決めていくのだと。
『金属加工』があるので鍛冶屋の徒弟になるとか。
『商才』があるので商店の小僧に雇われるとか。
『魔法』のギフトを持つ者はとてもまれで、魔法学院に行くかどこかの魔導師に弟子入りするそうだ。
ギフトを無視して好きな道を行く者もいるけど、大成しない者が多いみたい。
「ギフトは一つか二つしか授からない貴重な賜物ですし、スキルを取るのは大変な努力が必要ですから」
はい?
私、ギフトいくつ、付いてたっけ・・・。
それにさっきスキルも取れちゃったんですけど・・・。




