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赤濁の世界

作者: UFO

元々、学校の怪談をコンセプトに書いていたものですが、今回のイベントのために少し改稿しました。

ホラー作品は初めてで、拙い部分もあるかと存じますが、是非お楽しみ頂ければと思います。

【オカルト少女】さんの投稿

2017/7/12(水) 18:02

皆、「赤濁の世界」の儀式、って知ってる?

なんか、ウチの学校で最近流行ってるらしいんだけど、面白そうだったからやり方載せるね



元々は、裏野ドリームランドってとこが発祥の儀式らしいんだけど、学校とか家でも出来るみたい。

まず、赤い色の花を一本手元に用意しとくの。 薔薇とかカーネーションとか。 そしたら次に、自分の血をちょっと目蓋の上に塗りつける。 ちなみに、ウチの友達は小指を裁縫の針でチクッと刺して、そっから血を出して塗ってた。 自分の血なら何でも良いみたい。

それで、深夜の0時ちょうどになったら、鏡の前に立って(手鏡とかを立てとくのでも大丈夫らしい!)、花を両手で握りしめて、血を塗った状態のまま目をつぶって、「赤濁の世界の扉をお開きください」って三回唱えるの。 そして、ゆっくり目を開けると、目の前が血で染められたみたいに真っ赤になるんだって! 赤い下敷きで顔を覆って遊んだことない? あんな感じになるらしいよ。

で、しばらくは360度どこを向いても真っ赤になってるんだけど、その間次第に別の世界に引きずり込まれるんだって。 ……で、その別の世界ってのが、今はもう無くなった筈の『裏野ドリームランド』のミラーハウスらしいよ! だから、その呪われたミラーハウスに連れていかれる前に、「元の世界へ戻れ」って唱えながら、誰かに塩水をかけて貰って、目蓋の血を洗い流すの  そしたら、赤濁の世界から解放されて、視界も元に戻るんだって。


ちょっと怖いけど、面白そうじゃない? 興味あったら、みんなも試してみて!




【名無し】さんのコメント

2017/7/12(水) 18:03

裏野ドリームランドって、10年ぐらい前に閉園になって、今はもう跡形もないんだよな? 今でも一部のマニアが跡地に足を運んでる、って話は聞くけど……




【名無し】さんのコメント

2017/7/12(水) 18:03

事故があったんだろ? 跡地には、今も菊の花とかが備えられてるらしいぜ? その事故で亡くなった若い女の子が、花が好きだったから、とか何とか……




【名無し】さんのコメント

2017/7/12(水) 18:05

その儀式知ってる! クラス中で超流行ってるよ! ウチの友達もやった事あるって言ってた!




【名無し】さんのコメント

2017/7/12(水) 18:07

なんかリアルだな…… 

お前ら、本当にミラーハウスに引きずり込まれないよう気を付けろよ……?






~~~



正門を乗り越え、やっとの思いで私たち4人が校内に進入できた時には、すでに11:50を過ぎていた。 夏真っ盛りの7月でも、夜中で、しかも真夜中の学校となると、なかなかにひんやりとしていた。



「ヤバいって、あの儀式って0時ちょうどに始めないと駄目なんだろ? あと10分しかねぇぞ!」



「荷物忘れてへんやんな? ほな、見回りの先生に見つからんうちに、ちゃっちゃと始めよ!」



貴弘と志保里に急かされ、私たちはせっせと教室に忍び込み、儀式の準備を始めた。 今回の被験者は私だ。 博子ちゃんにカッターを借り、早速最初の工程に取りかかる。 指を切るときはチクッとしたけど、そこまで痛くもなかった。 血が固まらないうちに、早く目蓋の上に塗っておかなきゃ。



「ね、ねぇ美嘉ちゃん……本当にやるの? やっぱり止めておいた方が……」



さっきカッターを貸してくれた博子ちゃんが、不安そうな顔で尋ねる。 面白半分で志保里が持ち掛けてきた、『赤濁の世界』のウワサ。 試しにみんなでやろうと提案した当初から、博子ちゃんは乗り気ではなかった。 なんとか説得して連れてきたんだけど、まだ不安要素は抜けてない様子だ。



「ここまで来て何弱音吐いてるの! 心霊現象にかかるとしたら私だけなんだし、博子ちゃんは横で見守っててくれれば大丈夫だから、ね?」



「美嘉の言う通りや! バレー部の先輩もやった事ある言うてたし、ホンマにミラーハウスに引きずり込まれた人なんか、ネット探してもおらへんかったしな」



そうだけど……と、歯切れの悪い返事を返す博子ちゃん。 こういうホラー系のは苦手なのかな?



そうこうしている内に、貴弘が水筒に水を入れて戻ってきた。 私はカバンから赤い菊の花とスタンドタイプの手鏡を取り出して、机の上に置く。 腕時計は11時59分を指している。 準備は全て整った。



「あと1分だな……。 美嘉、あんまりはしゃぎ過ぎんなよ?」



「大丈夫だって! ほら、もうすぐ0時になるよ」



私のその一言で、教室内はしんと静まり返った。 ただ一人、教室の真ん中の席に座る私を、3人が固唾を飲んで見守っている。 微かに聞こえる秒針の音と、胸の鼓動が呼応するように響く。 そして、秒針が0時ちょうどを指したタイミングを見計らって、私はきゅっと目を閉じた。






「赤濁の世界の扉をお開きください……」



一回目。



「赤濁の世界の扉をお開きください……」



二回目。 ドクドクと心臓が音を立てる。



「赤濁の世界の扉をお開きください……」



そして、三回目。


菊の花を握りしめた両手からじんわりと汗が出るのを感じながら、ゆっくりと目を開けていく。






「━━わぁ、すっごい……本当だ。 本当に真っ赤になってる……!」



目を開けるとそこは、一面が真っ赤に染まった不思議な世界だった。 入口の扉も、黒板も、貴弘も志保里も博子ちゃんも、みんなが赤色になっていた。 サイトには『赤色の下敷きで顔を覆ったみたいになる』って書いてあったけど、それ以上だった。 赤一色であるのは間違いないんだけど、その一つ一つが鮮やかで、赤と黒の二色のコントラストだけで世界が形成されたかのような、そんな視界が作り出されていたのだ。 菊の花は、元の赤色が相殺されて若干白っぽく見えた。



「どうなん? ホンマに真っ赤になってんの?」 



「うん、白黒写真の赤バージョンみたいな感じ! すっごい面白い!」



机に手を置いて、そこに体重を預けながらゆっくりと立ち上がる。 それから、ぐるぐると教室内を無意味に行ったり来たりしてみた。 歩いたところで景色は変わらなくて、ただ真っ暗な教室の様子が広がっているだけだった。 その景色が、怪しげな真っ赤に染めあげられている事を除けば。





「美嘉ちゃん、もう始めてから5分経つよ。 そろそろ……」



はしゃぐ私とは対称的な声で、博子ちゃんが私に声をかける。 言われて、赤くなった腕時計にチラリと目をやると、確かに長針の先は0から1へと移動していた。



「そうだな。 美嘉、そろそろ戻る準備しろよ」



「はーい」



私は元いた席に戻り、赤濁の世界から戻るための準備を始めた。 これもやり方は単純で、呪文っぽいのを唱えながら、塩水で目蓋の血を洗い流すだけだ。 私は目を閉じて、志保里に目蓋の血を洗って貰いながら、儀式を終えるための呪文を唱えた。



「元の世界へ戻れ……元の世界へ戻れ……元の世界へ戻れ!」



すっごく貴重な体験だったなー、などとさっきまでの事を振り返りながら、ゆっくりと目を開ける。






……が、目の前に広がっていたのは、元の教室の風景ではなく、さっきまでの真っ赤な世界だった。



「あれ? 元に戻らないよ……?」



「えっ?」



おかしいな……呪文を間違えたのだろうか? 全員で首を傾げていると、水筒を見た志保里が慌てたように声をあげた。



「ちょ、貴弘! 血洗い流すんに使うんは真水やなくて塩水や、って言うたやん! アンタ、塩持ってきてへんの?」



「うわ、マジかよミスった……。 家庭科室とか探したらあっかな? すぐ探して持ってくるわ」



そう言って、貴弘は一つ上の階にある家庭科室へ走っていった。 段取りはちゃんと事前に確認しておかないとね。 まぁ、そんなに大したこと無さそうだけど。

貴弘が帰ってくるまでは恐らくまだ時間がある。 それまで、もう少しだけ赤濁の世界を堪能しよう。 そう思ってもう一度辺りを見渡す。




「……あれ?」



目の前は、さっきまでと同様真っ赤に染まったままだった。 ただ、なんだか視界がぼやけて見える。 つい数分前まで普通にハッキリ見えていた景色が、まるで赤のインクが滲んだみたいにぼやっとしているのだ。



「美嘉? どないしたん?」



「なんかちょっと目が霞んで……効果が切れ始めたのかな?」



コテンと首を傾げつつ、とりあえず目をパチパチさせてみたり、辺りを見回したりしてみる。 しかし、視界は霞む一方で、隣で心配そうに私の顔を覗きこむ博子ちゃんの顔さえも、ハッキリと表情が分からなくなり始めていた。



「おっかしいな……」



今何時だろう? 腕時計の針や数字も、血でベトベトになったみたいで全然見えない。 私は、急に一抹の不安を覚えた。



気がつくと、私は何故か立ち上がっていた。 じっとしている状態に耐えられなかったのかもしれない。 立った拍子に机がガタッと揺れ、持ってきた手鏡が落ちて割れてしまった。 カッターで指を切った時の傷がまだ塞がっていなかったのか、ポタポタと雫のように血が滴り、割れた手鏡の破片にかかっていた。 そんな事もお構い無しで、盲目になったかのようにフラフラとその場を歩き回っていると、急に肩を誰かに捕まれた。



「美嘉ちゃん! しっかりして!」



「博子、ちゃん……?」



ハッキリとは分からないが、博子ちゃんは険しい表情で私に何か話しかけているようだった。 その表情、話している内容がなんとなく理解できなかったのは、私の視界が赤く霞んでいたからではない。 むしろ、その逆だった。




肩を掴む博子ちゃん。 ……そのすぐ後ろに窓があって、それが鏡のようになって教室一帯を映し出していた。

その窓の中に突如現れた、ハッキリと捉えることのできる一本の細い道に、私は目を奪われていた。



濃い霧の中で迷ったかのような不安に苛まれていた私にとって、ハッキリと目視できるこの道は、まさに頼みの綱だった。 博子ちゃん達の事も気になったが、今はとにかく、このモヤモヤと頭に響く雑音や不安感を振りきりたい。 その一心で、私はゆっくりと前に進み、真っ直ぐにその窓の鏡の中にある道を辿っていくことにした。 不思議な事に、私はこの時、窓に突如怪しげな赤い砂利道が現れたという不可思議な事実に、何の違和感も抱かなかったのだ。









「なんなんだろう、ここ……」



あれからしばらく歩いた気がする。 前を見ても後ろを振り返っても、そこにはただ道が見えるだけで、後は何も判別がつかない。 まるで、四方を鏡で覆われているかのような、そんな無機質な空間が広がっていたのだ。 天井も、道も、異様な程に真っ赤で、私はだんだん気分が悪くなってきた。



「とにかく真っ直ぐ進もう。 そうしないと、ここから抜け出せない……」



直感的にそう思った。 これしか方法は無いと、誰かが私に囁いているような気がした。 ゴクリと唾を飲み込むと、私は覚悟を決め、歩幅を大きくとって駆け足で道を進んでいった。



が、数歩ほど走った時点で私は早くもストップする事になった。



私から見て4~5mほど先。 その道の中央に、私と同い年くらいの少女がポツンと佇んでいるのが見えたからだ。




「あの子は……?」



見た感じ、私の知り合いという訳ではなさそうだ。 しかし、中学の制服っぽい服を着ているし、髪型やアクセサリーなんかも今風だ。 同級生……なのかな?



「あ、あの……すみません」



とりあえず、私はその少女の元へと駆け寄り、恐る恐る声をかけてみることにした。 長い髪をなびかせ、どこか異様な雰囲気を纏っている少女は、無表情なままこちらを見つめていた。 と、急にグイッと顔をこちらに近づけてきて、



「あなた……何でこんなところに来たの?」



何で、って言われても……。 返答に困った私は、逆に自分の方から彼女に質問をしてみることにした。



「ねぇ、ここは一体どこなの? 貴女は誰なの?」



「ここは赤濁の世界。 ……あなた、知っててこの世界に来たんじゃないの?」



さも当たり前かのように答える少女。 その答えに私はハッとした。



「そうだ……私は赤濁の世界の儀式をしてて、それで……!」



そこまで思考がたどり着いた時、私はバッと後ろを振り返った。 しかし、そこには赤い空と道が続いているだけ。 数分前まで居たはずの教室の面影すら、そこにはもう残っていない。 博子ちゃん、志保里、貴弘の顔がふと頭をよぎった。



「━━貴女は誰、って聞いたわよね?」



にわかに慌てふためく私をよそに、少女はまたもや無表情で顔を近づけてきた。



「私は……奈緒って言うの」



そう言って、彼女は━━奈緒ちゃんは強引に自己紹介を始めた。 確かに、奈緒ちゃんの事も気になるが、正直言って今はそんなことどうでも良い。

この世界から出たい。 早く帰りたい。 そんな恐怖にも似た感情が私を徐々に狂わせていく。

しかし、目の前にいる奈緒ちゃんは、そんな私を一切気に留める様子もなく、むしろひどく落ち着き払った様子で、また自分から説明を始めた。



「裏野ドリームランド、って知ってる?」



「……確か、10年前に突然閉園になった、っていう……」



「その、裏野ドリームランドの施設の一つに、ミラーハウスがあった。 いわゆる、鏡併せの空間ね。 

……10年前、そこである事故が起きた。 ミラーハウス内にいた客が、一斉に姿を消したの。 出口のゲートにいた係員が、なかなか客が出てこない事を不審に思って、ミラーハウスの中に入って確かめてみると━━」






「━━ミラーハウス一帯の鏡が血飛沫で真っ赤に染まっていて、中にいたはずの客が全員見当たらなくなっていたのよ」



「えっ……」



「それ以来、遊園地は閉鎖された。 原因は今でも分かっていないわ。

……ミラーハウスで姿を消した客たちは、今でもその鏡の中にある『赤濁の世界』に閉じ込められている、と噂されているの」



にわかに信じがたい話ではある。 しかし私は、奈緒ちゃんの言っている事が嘘だとは思えなかった。 裏野ドリームランドの都市伝説は、いくつか私も聞いた事がある。 中でも、そのミラーハウスにまつわる怪談は多く、クラスでもよく話題になっていた。



「……貴女は、元の世界に帰りたい?」



また唐突に尋ねられた。 赤い空間の中にひゅう、と風が吹く。



「そんなの……帰りたいに決まってるでしょ!」



焦りと不安からか、つい声を荒らげてしまう私を、奈緒ちゃんは相変わらずの無表情で見つめ、



「……私も、元の世界に帰りたい」



「え……」



一瞬、言葉を失った。 もしかして、彼女もまた迷子なのではないか。 赤濁の世界の儀式は、ネット上で幅広く知られていたし、私の他に、同じ儀式をして赤濁の世界に迷い込んでしまった人がいたとしてもおかしくない。



「もしかして……貴女も迷子なの?」



奈緒ちゃんは、少し考えるような素振りを見せてから、こくりと頷いた。 こんなドロリとした気味悪い世界の中でも彼女がずっと落ち着いていたのは、私が来るより前からずっと、この世界をさまよい続けていたからなのかもしれない。

茫然とする私を、しばらく無表情のまま見つめていた奈緒ちゃんは、ふと私の手元に目を向けて、



「……綺麗な花ね」



言われて、私も自分の手元に目をやる。 そういえば、儀式の時からずっと菊の花を握りしめていたままだった。 まぁ、儀式の始まりから終わりまで、ずっと握りしめたままでいなきゃいけないみたいだから、仕方ないんだけど。



「綺麗な色……。 ……ねぇ、その花よく見せて?」



「え? い、いいけど……」



またもや唐突に花に興味を示した奈緒ちゃんを不思議に思いつつも、私は持っていた菊の花を奈緒ちゃんに手渡した。






その瞬間、私の体がぐわりと音をたてて揺れた。





まるで背後から頭を殴られたかのような衝撃で、私は膝から崩れ落ちた。 赤い空が、渦を巻くように歪み始めている。 意識が朦朧とし、強烈な吐き気に襲われ、私はそのまま地面に這いつくばるような格好になった。 



「ごめんね……」



呻くような私の声に紛れて、かすかに奈緒ちゃんの声がした。 苦痛に耐えながら、ゆっくりと首を起こし、奈緒ちゃんの方を見上げ、私は思わず恐怖した。






菊の花を持った奈緒ちゃんが、私を見下ろして、ニタニタと笑っていたのだ。




「そう、だ……ミラーハウスの、事故……!」



ズキズキと痛む頭の中で、私は奈緒ちゃんの言葉を思い出していた。 赤濁の世界には、ミラーハウス内で起きた事故で、姿を消した客たちが閉じ込められていると。 ならば、奈緒ちゃんが私と同じ『外』から迷い込んだ人間だとは限らない。



「ありがとう。 貴女は、私に元の世界に帰るための切符を持ってきてくれた。 使い勝手は悪いかも知れないけど……私が貴女の分まで生きてあげる」



「まっ、て……あなたの言う……元の、世界は……!」



声を振り絞って、叫ぶ。 が、それを嘲笑うかのように、奈緒ちゃんは菊の花をくるくると回して、



「鏡の世界なんてもう懲り懲り。 だから、私は帰りたかった。 それでね……私が再び元の世界へ戻るためには、代わりになる体が必要だったの」



ああ、何でもっと早く気づかなかったのだろう。 私は、私の目の前にいる少女を……いや、人ならぬ者をキッ、と睨みつけた。 が、だんだんと視界が霞んでいき、奈緒ちゃんの姿を捉えることができなくなっていった。 もう二度と見たくない『赤色』に、世界が飲み込まれていく。 再び目の前が赤黒い混沌に包まれる恐怖に、私は絶叫した。




「……さようなら」



その言葉を最後に、私の視界は赤濁の中へと落とされた。





~~~




【H】さんの投稿

2017/7/15(土) 20:03

みなさん、『赤濁の世界』の儀式は絶対にやっては駄目です。 本当に別の世界に引きずり込まれます。


この間、私は友達3人と学校で例の儀式をしました。 やったのは、私のクラスメイトのMさん。 儀式の最初は上手くいって、Mさんも「本当に真っ赤になった!」って言ってはしゃいでいました。

しばらくして、儀式を終わろうと準備を始めたんですが、一緒に来てたTさんが間違えて塩水じゃなくて普通の水持ってきちゃってて、慌てて家庭科室に塩を取りに行ったんです。

すると、Tさんが帰るのを待っている間に、Mさんが「視界が霞む」って言ってフラフラし始めたんです。 怪しく思って、Mさんに声をかけたんですが、聞こえてないみたいで、なんか顔がどんどん蒼くなっていて……。 そして、窓の側で突然倒れてしまったんです。



【H】さんの投稿

2017/7/15(土) 20:03

数分後、Tさんが戻ってきて、急いで目蓋の血を洗い流したんですが、Mさんは起き上がりませんでした。 一緒に来ていたSさんが、色々な方法を試してMさんの意識を取り戻そうとしましたが、どれも上手くいかず……。

為す術もないまま30分が経った時、Mさんが急に立ち上がり、意識を取り戻したんです。 SさんとTさんは、手を取り合って喜んでいました。 でも、私は起き上がったMさんに違和感を覚えました。 Mさんが、さっきまでのMさんじゃないんです。 目の色が違うというか、なにか、Mさんの中にMさんじゃない誰かが入り込んでいるような、そんな気がしました。 ……そして、窓の向う側から、何者かに見られているような気配がしたんです。

今も、Mさんは別人のような状態のままです。 周りの人は誰も気づいていないようなのですが、私はMさんの魂が、あの儀式で裏野ドリームランドのミラーハウスに引きずり込まれたのではないかと思っています。

『赤濁の世界』の儀式は危険です。 みなさん、絶対に遊び半分でやらないで下さい。




【名無し】さんのコメント

2017/7/15(土) 20:04

嘘乙




【名無し】さんのコメント

2017/7/15(土) 20:08

創作としてはなかなか面白かったよ!




【名無し】さんのコメント

2017/7/15(土) 20:09

「気がする」ばっかだし、勘違いなんじゃねーの?






【オカルト大好き】さんの投稿

2017/7/15(土) 20:10

急募!!

明日の深夜0時、これ見てる人全員で、一斉に赤濁の世界の儀式をやろうと思います!

参加は自由です。 内容は、みんなで同時に赤濁の世界へ行って、この掲示板で現在の様子とかを実況する、って感じです。

みんなぜひ参加してください!





END


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