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童話のようななにか

塀の上の卵が言うに

作者: わだか

いつも塀の上に座っている卵がいた。彼は塀から町を眺めることを日課としていたが、あるとき、心細く思った娘が卵に尋ねた。


「ねえ卵さん、その塀から降りてはいかが。そんな高いところに座っていたら、いつ塀から落ちて割れてしまうやもしれません。卵さんのために安全で居心地の良い住まいを用意してあげますよ」


しかし卵が言うに「塀から降りるなど考えられないね。生まれてから一度もここから降りたこともなければ、不満を抱いたこともない」


それならばと娘は家から糊を持ち出してきて「ではこれで尻を塀にくっつけてください」と卵に渡そうとするが、「割れたらそれがさだめだったってことさ」と言って、卵は一向に受け取らなかった。


それからほどなく起きた地震で卵はあっけなく割れてしまった。

それみたことではないかと娘は大層悲しんだが、割れた卵はなぜか満足そうな顔をしていたそうだ。

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