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点字ブロックを踏みながら

作者: ほみち


街頭演説が煩い。

盛り上げ役が笑顔で手を振っている。

演説役が力強く何かを訴えている。

道行く人は誰も見ていない。

みんな何かに忙しそうに、ただ足早に去っていく。


今 誰も見ていないという事実を、私だけが見ている。


点字ブロックを踏みながら、

ただただ熱心に何かを訴えているその集団に少しだけ強い風が吹いた。


悪人が住みよい社会をつくるには、

ただ善人がなにもしないでいてくれればそれでいい

ーーどこかで聞きかじった言葉が頭を巡る。


見なかったことにしよう。


私もその他大勢のように、何かに忙しそうにしていよう。


そうして 一日の終わり、眠る前のひとときに

私は今日もなにもしない善人だったと、

そんなのは美徳でもなんでもないのに、

少なからずはみだし者ではなかったことに安心しよう。



私は悪くない。

みんなと同じものから目を背けただけ。



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