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風来
「親父、ここ教えてくれよ」
「自分で考えろたこすけ」
男の子は成長し、青年に近づいてる顔立ちになってきた。
男性教師は現役であり、青年の父親代わりとなり生活を共にしていた。
「人に頼ってばかりいたら頭腐るぞ」
「俺に頼っていいって誰が言ったっけ?」
「それとこれとは別だ馬鹿者」
冗談も交えるようになり、昔の傷跡は癒えた様だった。
「今から就活の面接に行ってくる!」
「受かれよ!」
「当り前だ!」
スーツ姿で今から出陣しようと張り切っている。
そして彼は玄関から出ていこうとした時だった。
玄関のドアを開けようとした瞬間、彼が開ける前に誰かが先に開ける音がした直後に、彼の身体に何かが刺さった様な感覚に襲われた。
「…?なんだ…?」
彼の心臓をめがけてナイフが刺さっている。それに気が付く先にいた人物を把握できず、そのまま倒れこむ彼。
「…一体何が…起きた…」
視界が徐々に暗くなっていく。先に見えていたのは帽子を被り、顔を隠していた男性だった。
意識が遠のいていく。
その意識の中で、彼はまた、あの白い空間に飛ばされた