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成長の間
--ここでまたもや月日は流れる。時間というものは早いものだ。
「ーーただいま!」
学生服を着た男の子が家の玄関先で思いっきり突っ走る。
「こら、手洗いうがいは!?」
「いまするよ!」
台所で食器を洗っている男子の母親は優しく注意をする。
「…なんか、お父さん最近おそいね?」
「お父さんはね、この国で一番大切な仕事をしているのよ。邪魔しちゃダメなの。分かった?」
「…わからなーい!」
冗談を交えた会話が響き渡る。
それは幸せそうな家庭にある空気だ。
「そろそろ時間よ、寝なさい」
「はーい、おやすみなさい!」
辺りが暗くなってきたころ、男の子は自分の部屋に戻り、眠りにつく。
その時だった。
男の子の夢の中で、白の空間に突如飛ばされたかのようにその場で立っていた。
「…?あれ?ここどこ?」
何もない空間、あたり一面真っ白。それは初めの場所と同じところなのだろうか。男の子は状況を把握できていなかった。
「…誰もいないの?」
無限に広がる白の世界で男の子は一人置き去りにされた感覚に涙目になっていた。
その時、後ろから声がした
「 小さくなったな、 白 」