11月24日
凄い物を発見した、本当に本編と脈絡のない短編。
碧姫が碧姫らしくないので見る方はご注意を!!
例えば、と前置きをつけて話し始める。
私は日本で死んでしまった。若い死だと思う。
しかし、向こうでは死んだはずの私は今ここにいる。
『では、今ここにいる私はなんだ?』
もしかしたらここは本当は死後の世界で、私の都合のよい夢のようなものなのかもしれない。だから私は見知らぬこの世界に疑問を感じることなく過ごしており、なに不自由なく生きている。
『では、ディーたちの存在はなんなのだろう?』
「もしかしたら私がこれから出会うはずだった人達を現しているのかもしれません。」
単なる私の想像。本当に死後の世界なわけがない。
時折、不安を感じたり何か思ったときに考えてしまう私の妄想。
でも、もしかしたらこっちの想像が正解かもしれない。
実はこの世界は、見えているように感じるだけで、私は未だにあの暗闇の世界を彷徨っているのかも知れない。閉じた瞼が開かれないまま、感覚すらも失ってしまったのではないか、と。
「・・・急な話だな。」
いつもの花畑。たくさんの花に囲まれたディーの存在が遠く感じる。強く想像した時の私の悪い癖。
感傷的になってしまう。
「お前のその話で言うなら、俺もお前に会うはずの人だったことになるな。」
「そうです。どこかで会うはずだったんです。」
二人座り込んだまま花を編む。
「じゃあ、ひとつ聞いてもいいか?」
編む手を止めて、そして私の手も止めてディーが言葉を続ける。
「もしお前の世界で俺とお前が会っていたら、俺はお前のなんだった?」
真剣な表情に思わず吹き出す。
「・・・分かりませんよ。想像ですから。」
「想像でもなんでもいいから答えて見ろ。」
手を止めたまま、空を見上げる。
・・・・『もしもの世界』。ディーは私の何になるのだろう。
17の私はあの事故で運良く死ななくて、そのまま18が過ぎ高校を卒業し、どこか大学に行くだろうか・・・。
そしたら女の子以外、つまり男性とももしかしたら仲良くなるのかもしれない。
王子様になりきれないないまま、次第に女の子らしくなり、女から女性になるかもしれない。
そしてそこで出会うのが―――――
「ディーかもしれませんね。」
ぽつり、ぽつりと間に説明をいれながら最後はそう締めた。
「・・・それは友人か?それとも――――恋人か?」
その疑問にくすり、と笑みがこぼれる。
「そうだとしたら面白いですね。」
向こうの世界で恋人になるはずだった人と、死後の世界でも出会う。
それはなんて素晴らしい『物語』だろう。なんて強い『愛』だろう!
死してなお繋がろうとする愛が二人を引き寄せ続ける。
それはたとえ現世でも、来世でも、はたまた異世界だろうと続く・・・。
その強さは傍から見れば狂気にも感じるが、愛し合う者同士はそれすらも感じないのだろう。
「どうしますかディー?私たちはどこに行っても一緒みたいですよ?」
怖いですねー、と呟くと頭に花冠が乗せられた。今日もディーの方が早かった。
「それは良かったな。」
「・・・何故ですか?」
疑問に思ってそう返すと、ディーが笑った。
「・・・一緒ならまたこうしてお前と花冠を作りながら、お前のバカげた妄想話を聞けるんだろ?」
楽しいじゃないか、と・・・。
「そう・・ですね。うん・・・。ねえ、ディー。」
二つ目に取りかかろうとするディーに声をかける。
「なんだ?」
手を伸ばして頭に花冠を乗せる。
「私も出来ました。」
そうか、と一言呟いてディーは再び手を動かした。
私ももう一つ作ろうと思い、材料を取りに少しだけ移動する。
森と花畑の境目に生えた低木。日本で見たことのあるこの木の名は『莢蒾』。
ディーに渡した先程の花冠にもこれをいれてみた。ぽこぽこと白く小さな可愛い花がアクセントになってちょうど良かった。
花を摘みながら日本にいた頃を思い出す。祝日になったりしないが日本は毎日記念日がある。
それは何かが出来た日や語呂合わせだったりと様々だ。
そして、一日一日に誕生花というものがある。
全て覚えているわけではない。この花の花言葉が強烈で、脳にしっかりと記憶されただけだ。
それはテレビだったか、誰かから聞いたのか・・。
それすら覚えていないほど強烈な言葉で、そして『素敵』だった。
「ディー・・・これからも仲良しでいてくださいね。」
花言葉は―――――愛は死より強し
Yhoo検索 今日は何の日ー?
ペンの日?なんか面白い物でもなにのかy・・!?
何この花言葉・・すげぇ!!
・・・と思って書いてみたものです。ノリで書き上げた30分クオリティー作なのでお気になさらず・・・・。
世の中にはすごい花言葉があるものですね。感動しました。
ディライアと碧姫はそれぞれの思いを抱いているのを前提にかいてみました。
ディーは碧姫に今以上の変化を求めない『友達以上、恋人未満』をみています。だから恋人と聞いておきながら花畑で花冠を作ることを想像します。
碧姫は『友愛』を。恋人と友人の境が自然な状態で別れていない愛です。友達が自然と恋人になる感じですね。だから一緒にいることに違和感を感じませんが、好きよりも仲良しという言葉の方が出ます。
そんな感じですかね?すんだ餅に虫が湧いたとでも思ってください。
今日この小話を読んで下さった方。
死んでなおも愛し合えるような素敵な人を、王子様をぜひ見つけてください。
それでは。