第3話 なぜ満員電車通勤はなくならないか
初出:令和8年3月6日
今回は”仕事”のテーマからやや逸脱しますが、満員電車通勤について日頃考えていることを述べます。
前回、新卒で就職した企業の新人研修の話をしました。
このとき「働かざる者食うべからず」の講和とともに、「朝九時から夕五時までという人生で一番重要な時間帯の大半を君たちはこの会社で過ごすことになる」と総務部の先輩社員から教わりました。
はからずも私は三年目で転職し、その会社で人生の大半を過ごすことはありませんでしたが、しかしながら転職を繰り返し、累計すれば人生の大半をサラリーマンとして会社で過ごしたと思います。
ところで”人生で一番重要な時間帯”を私は満員通勤電車で過ごしたのではないでしょうか。
一番長いときで片道一時間半かけて通勤していました。エネルギーの大半を通勤に費やし、残りのエネルギーで仕事をしていました。
1. 満員電車通勤を作った人は満員電車通勤しない
満員電車通勤は通勤者にとって地獄のような苦しさです。
昔から問題にされてはきましたが一向に解決する気配がありません。ときどき線路工事で新線が開通し、最初のうちは少し通勤が緩和されますが、しばらくすると東京の人口が増え、新線まで含めて満員電車通勤になります。
満員電車通勤はなぜ永遠に解決されないのでしょうか。
私が思うには通勤電車の交通インフラの決定権を有する人たちは職場まで電車で通勤していないからだと思うのです。
彼らは運転手付きの社用車などで自宅から勤め先まで通勤している身分で、自分が電車通勤していないので満員電車通勤の苦しみを肌で感じることがないのです。
ところで通勤電車の交通インフラはだれが決定しているのでしょうか。
電車会社の社長、または役員が思い浮かびます。
また線路工事を担当するゼネコンの社長、または役員も交通インフラ建設プロジェクトに参画しているでしょう。
民間企業だけではありません。行政も関与しています。
新線開通を決定する政治家、国交省など関連役所の高級官僚。
彼らは運転手付きの自動車で会社や役所に通勤し、決して満員電車通勤の苦しみを経験することがありません。
これが満員電車通勤はなぜ永遠に解決されない理由だと思うのです。
2.昭和の社畜出世イデオロギー
今の時代はよくわかりませんが、昭和の会社ですと、「おまえが出世しないことが悪い」ですべて済まされることがよくありました。
新入社員のおまえがもし満員電車通勤が耐えられないなら早く社長や役員に出世しろ。そのためにはまず社畜になって働け。
上司のパワハラで悩んでいるなら早く出世して管理職になり、おまえが部下にパワハラする身分になれ。そのためにはまず社畜になって働け。
満員電車通勤問題やパワハラ問題を解決するのでなく、おまえが社内で出世することで回避しろ。
こうしたイデオロギーが社内に蔓延し、またまだ平社員である若手の社員もまだエリートコースからはずれてなければ率先してこのイデオロギーを信奉して社畜になっていました。
また運転手付き自動車通勤組から言わせれば、若いうちはともかくいつまでも満員電車通勤してるのは負け組の報いだと思っているかもしれません。
3.東京一極集中
満員電車通勤問題を考えるとき、そもそも東京一極集中が諸悪の根源なのです。
歴史作家でユーチューバーの加治将一氏によると、東京一極集中が改善されないのは既得権階層が意図的に改善させないだとしています。
東京に不動産を所有し、土地ころがしや家賃収入で膨大な収益を得ている個人や法人にとって、東京一極集中が維持された方が都合いいのです。
また日本の同盟国ならぬ宗主国、米国も東京一極集中を維持した方が日本を支配しやすいので、ひそかに外圧をかけているのかもしれません。
これによりわれわれサラリーマンは満員電車通勤を続けるしかありません。
いずれにせよ、首都移転または首都機能移転が東京一極集中の大きなカギを握ることはまちがいありません。
4.浜田マキコ氏の提案
さて、1991年の東京都都知事選で浜田マキコ氏が出馬しました。
結果は落選でしたが浜田氏は選挙戦で興味深いことを提言しました。
浜田氏は、皇居にお住まいの皇族の方々には京都御所に帰ってもらい、皇居の土地を有効利用したいとの公約を掲げました。
私なら皇居の跡地を分譲住宅地にしたいと思います。
これまでサラリーマンは遠方から皇居の方角を目指して満員電車で通勤してきました。
これからは自分の住居から同心円の外側に向けて通勤するのです。
満員電車通勤問題は大幅に改善するでしょう。
首都移転はともかく、皇居移転に言及するのはネトウヨから不敬だとクレームが飛んで来そうですが、菊タブーに関しても思考停止せず、問題を解決することが重要だと思うのです。
(つづく)




