隣家の桐花
「おはよ」
「あ、おはよう」
玄関を出たところで、隣家の桐花に会った。こんな時間に顔を合わせるのは珍しい。
「今日は遅いな。遅刻すんじゃねえの?」
「今日はゆっくりでいいの。智也の高校は近くで楽そうね。じゃ」
そう言って桐花は駅の方へと歩き出す。俺は自転車の鍵を開け、駅とは反対の方へとこぎ出した。
桐花の家族は、俺が小学三年生の時に越してきた。
桐花が俺と同じ小学三年生、桐花の弟の悠人が小学一年生。それに、小学五年生だった俺の姉、亜由美を交えた四人はすぐに仲良くなった。
そんな俺を羨ましがるクラスメイトは多かった。桐花はとても愛らしく、まるで子役タレントのような見た目だったからだ。
「智也と桐花は好き同士なんだって! だから、いつも一緒に遊んでるらしいぜ!」
羨ましいからなのか、イジりたかっただけのかは分からないが、そんな事をよく言われた。だが俺は、嫌がる振りをしつつ内心は喜んでいた。
そう、他のクラスメイト同様、俺も桐花に好意を抱いていたからだ。
桐花と弟の悠人は、俺たち姉弟と違ってしっかりした子供だった。帰宅時間はいつもキッチリ守ったし、喧嘩があってもその理由は大抵の場合、俺たち姉弟にあった。
「智也くんが悠人のおもちゃを持って帰ったまま、返してくれないって言ってるんですが。智也くんとお話させて頂けます?」
こんな具合に、桐花の親から苦情が来ることもあった。その場で桐花の母親と一緒に来ていた悠人に謝り、その後は俺の親にもみっちりと叱られた。
そんな事があっても俺たちはよく遊んだ。だが、姉の亜由美が同級生たちと遊ぶようになると、次第に俺たちもバラバラになっていった。
そして、そんな俺たちも高校生になった。
桐花は地元でも有名な進学校。それに比べ俺は、俗に言う底辺校に通っている。
***
いつも一緒に登校している、浩介の家のベルを鳴らす。俺が迎えに来る時間には外で待ってろと言っているのに、浩介が待っていた試しは無い。
「おはよー、お待たせお待たせ」
「お前さあ、俺ん家に迎えに来るくらいの気合い、一度でいいから見せてみろよ」
「まあまあ。お前ん家、高校と逆方向だし効率悪いじゃん。明日はちゃんと待ってるからさ」
毎日がこんな調子だ。だが、不思議と憎めない奴だったりもする。
「智也、今日は持ってきただろうな、卒アル」
学校に着くなり、宏人に声をかけられた。俺と浩介と宏人。俺たちはたいていの場合、この三人でつるんでいる。
「持ってきた持ってきた。休み時間にな」
浩介のせいで、今日も学校に着いたのはギリギリだ。着席するのと同時にチャイムが鳴った。
一時間目は数学だった。先生の声よりも、生徒たちの私語の方が大きい。普段通りのざわついた教室。先生は気にする事も無く、淡々とチョークを走らせていく。俺の開きっぱなしのノートは真っ白だ。いつもと同じように、時間だけがダラダラと過ぎていく。
俺は一体、何のために学校に来ているのだろうか。
「どれどれ、見せてもらいましょうか、智也んとこの卒業アルバム」
休憩時間になり、宏人と浩介は取り合うようにアルバムを見始めた。
男子校の俺たちにとって、中学の卒業アルバムを眺めては、「この子可愛い!」「そっちの子の方が可愛い!」などと言い合うのが楽しみなのだ。隣のクラスの誰々は卒業アルバムがきっかけで、付き合い始めたと聞いた。
「浩介んとこの中学はレベル低かったからなあ。智也んとこもダメだったら、出会い系サイトしかねえなあ」
宏人は大人びた事を言いたがる癖がある。好みの子を見つけたとしても、声を掛ける勇気があるとは思えないが。
「お。この子、超可愛いじゃん!! ちょっと真面目そうだけど」
宏人が指さしたのは桐花だった。
「あー……幼なじみだ。俺ん家の隣に住んでる」
「マ、マジで!? よく話すのか?」
「話したり一緒に遊んだのは、小学生の頃までだな。中学の時なんか、殆ど口も聞いてない」
「そうなんだ。一度声かけてくれよ、智也」
「マ、マジで言ってる!? あいつ、マリン女子学院だぜ。絶対、話し合わないと思うけど」
「関係ねえって。賢くても強い男になびく女って結構いるんだよ」
強い男って一体誰の事だよ。
LINEも知らないし、話す機会も無いと断ってはみたが、結局押し切られて声をかけると約束してしまった。
隣家に電話するのも変だと思った俺は、夕食を済ませた後、桐花の家のインターホンを鳴らした。
「夜分すみません。隣の福井です。桐花さんいますか?」
「ちょっと待ってくださいね。今行きます」
インターホンでそう答えたのは、桐花の母親だろう。俺はしばし待った。
「智也くん、お久しぶり。桐花に何のご用かしら? もしかして、最近よく会ったりしてるの?」
出てきたのが桐花の母親だったので、俺は少々面食らった。桐花は母親の後ろから顔を出している。
「い、いえ、全然。今朝、久しぶりに挨拶交わしたくらいです」
「本当に? 学校から電話があって、桐花が学校に来たのは昼過ぎだって言われたんだけど、智也くんは関係ないのかしら?」
「や、やめてよ、お母さん! 智也は全然関係無いんだから! 家に戻ってよ!」
「あなたが無断で遅刻なんかするから悪いんでしょ! こんな時間から家を出させませんからね!」
「あ、桐花のお母さん、俺の話は5分もあれば終わるんで、場所もここで大丈夫なんで」
俺がそう言うと、桐花に「5分だけよ!」と言い残して、桐花の母は家に戻っていった。
「ごめんなさい、智也……私が無断で学校に遅刻したから、凄く怒ってるの。智也は何の関係も無いのに、ホントごめん」
桐花は小さく頭を下げた。
「いや、全然大丈夫。——それよりさ。5分じゃ終わらないかもだから、LINEで話ししようか。今、スマホ持ってる?」
「あ、あるよ、ちょっと待って」
桐花はポケットからスマホを取り出し、俺とLINEの交換を済ませた。
「じゃあ、詳しくはLINE送るから。——それにしても、桐花がサボったりするんだな。ハハハ、俺ちょっとビックリしたよ」
桐花の予想外だった行動に思わず笑ってしまった。桐花に笑顔を向けたのなんて何年ぶりだろう。
「ずーっと真面目にやってきたのが、今になって疲れてきちゃったのかな……親に怒られるなんて、ホント久しぶりだった」
そう言って桐花も笑った。
続きはLINEで、と俺は隣の家に戻った。
今朝会った時の桐花は、既に遅刻する気だったんだ。桐花は午前中、何をしていたのだろう。
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さっきはどうも。早速だけど、桐花って付き合ってる奴いるの?
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いるように見える? いないいない。そもそも男子と付き合ったことなんて無いし
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いや、桐花に彼氏がいないなんて、キッカケが無いだけの事だ。久しぶりに見た桐花の笑顔に、少なからず俺はドキッとした。
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実はさ、中学の卒アル見た俺の友達が、桐花に声かけてくれないかって言われてさ
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やだやだ、そんなの。卒アル見て声かけてくる人とか絶対イヤ
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何故か、ホッとした俺がいた。
宏人と桐花が合うとは思わなかったし、知らない奴ならまだしも、宏人と付き合うのはなんか嫌だった。
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OKOK! 多分、性格も合いそうにないし、良かったと思う
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って、何でそんな人紹介しようとしたのよ・笑
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確かにw
言いたくなかったらいいけど、午前中ってサボってどこ行ってたの?
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どこって訳でもないの。「みんなは今、勉強や仕事してるんだなー」って思いながら、じーっと人混み眺めてたの。ちょっと病んでるのかな、私・笑
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勉強しすぎでストレス溜まってるんじゃない? たまには息抜きしないとダメだぞw
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智也はどうやってストレス解消してるの?
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俺は好き勝手生きてるから、そもそもストレスなんて溜まってないよw
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そんなやりとりを、延々と一時間も交わした。
桐花は中学の頃から常に成績が良く、志望校にも無事合格した事で、気が抜けたのかもしれないと言っていた。部活やバイトにも憧れがあるみたいだが、桐花の母親が許してくれないようだ。
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桐花に悩みなんて無いと思ってた。賢いのは賢いので色々と大変なんだな
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賢いって、勉強頑張った結果なだけだよ。智也だって勉強すれば出来るのにしなかっただけでしょ? 私からすれば勿体ないな、って思ってたけど
って言うかさ。悩みの無い女子高生なんてどこ探してもいないと思うよ・笑
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「智也はやれば出来るのに」
殆ど会話を交わさなかった中学生の時に、桐花から言われた事がある。答えが分からなかったテストの解答欄に、ふざけた解答を書いて周りに見せびらかしていた時だった。
みんながゲラゲラと笑っている中、桐花だけが厳しい顔でそう言ったのを思い出した。
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じゃ、そういう事で! またサボりたくなったら相談しろよw
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ありがとう。頻繁にLINEしても怒らないでね・笑
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8時過ぎから始めたラインだが、終わる頃には11時を回っていた。
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「智也、お前本当にちゃんと俺の事、紹介してくれたんだよな?」
朝、俺の顔を見るなり宏人が言ってきた。昨日、LINEでダメだったと伝えていたからだ。
「卒アルで声かけてくる時点でアウトだって。それ以上、何も言えないじゃん」
「いやさあ、恋の始まりなんて何がキッカケか分からないだろ? もうちょっと推してくれてもいいと思うけどなあ、俺は」
「ハハハ! 恋の始まりとか、そんなキャラかよ宏人は」
「うっせーな。——そういや智也、授業中熱心にノートとってたけど、何書いてたんだ?」
「何って、普通に黒板の内容書いてただけだよ」
「おいおい、いつからそんな真面目君になったんだよ。そんなキャラじゃないだろー、智也は」
宏人たちはそう言って笑った。
桐花とLINEを交換した翌日から、毎晩、桐花とLINEをするようになっていた。そうそう、桐花はあれから学校をサボったりはしてないようだ。
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返事遅いと思ったら、今日はバイトだったか。智也が働いてるとこのラーメンって美味しいの?
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美味いよ! 賄いで出してくれるラーメン食いたいからバイト始めたくらいだからw
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いいなあ! 好きなラーメン食べられて、お金まで貰えるんでしょ! まるで天国じゃん!笑
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いやいや、ラーメン食ってお金貰ってる訳じゃ無いからw ちゃんと仕事もしてんだぜw
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だよね・笑 私も一度食べてみたいな、智也んとこのラーメン。女子高生お一人とか浮いちゃう?
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うーん、俺んとこは結構ガッツリ系だから、女性のお一人様は少ないかなあ。良かったら一緒に行ってみる?
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行く行く! 次の土曜日の夕方とかどう?
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土曜日、ちょうど朝イチからバイト入って6時までなんだ。それからでもいい?
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やった! 楽しみにしてる!
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桐花とラーメンを一緒に食べることになった。
これをデートと呼べるなら、俺にとって生まれて初めてのデートという事になる。
***
「——なんだよその点数。智也、カンニングでもしたのか?」
「ハハハ。なんて言い方すんだよ、ちゃんと勉強してたろ、俺」
宏人の言いように、思わず笑ってしまった。
「家でもやってんのか、勉強?」
「いや、授業中真面目に聞いてるだけで、おおよそ頭に入るじゃん。あと分からない所だけ、ほんの少し復習してるかな」
桐花と初めてLINEをした翌日から、黒板の内容をノートに取るようになった。桐花の頑張りに感化されたのと、桐花の「やれば出来るのに勿体ない」という言葉が引っかかったからだ。
授業中に分からない事が出てきても、俺には桐花という頼もしい家庭教師がいる。高校一年生になってから二度目の定期テスト。各教科の合計点は前回の二倍近くになっていた。
「お前がそんな高得点出すと、焦ってくるんですけど。なあ、浩介」
「ほんとほんと。俺らもちょっとは真面目に勉強した方がいいのかな、こんな高校でも」
「俺で分かる範囲なら教えてやるよ。案外、やり出すと面白いもんだぜ、勉強も」
「なにがあったんだよ、智也……どっかで頭打ったりしたんじゃないだろうな。——あ、そうそう! 今度の土曜日、俺ん家で飯食おうぜ。親が旅行で誰もいないんだ。夜通し遊べるぜ!」
宏人の提案に、浩介は「いいねえ!」と大喜びだ。
「——悪い、その日はバイトあって、その後ラーメン食うんだ。その後でよけりゃ」
「賄いって事か? その日くらい我慢しろよ」
「いや、そうじゃなくて……」
その後、俺は二人に問い詰められ、桐花と一緒にラーメンを食べることを白状させられた。宏人に紹介を頼まれておきながら、デートらしい事をするのが後ろめたかったとも正直に言っておいた。
「なんだそれ、羨ましいなあ。急に勉強し出したのもそれがキッカケじゃねーか。——な? 分かったろ、浩介。やっぱり人間、恋をしなきゃダメなんだよ」
先日は恋を語る宏人を笑い飛ばした浩介だが、今回は「なるほど」と相づちを打っていた。
約束の土曜日。
バイトを終え、いつもより急いで私服に着替える。店の前に回ると、桐花は既に入り口で待っていた。
「待った?」
「全然。さっき来たとこだよ」
「行列出来てる日もあるんだけど、今日は空いてて良かった。どうぞ」
店のスライドドアをガラガラと引き、桐花と一緒に店に入った。
「いらっしゃ——なんだ福井じゃん。彼女か?」
店長だ。ビシッと整えられたアゴ髭が似合う、いわゆる強面だ。昔は格闘技をしていたらしい。
「いや、その……隣に住んでる幼なじみです」
「そうか。ただの知り合いと彼女じゃサービスの内容が変わるけど、彼女じゃ無くていいのか?」
「じゃ、じゃあ彼女です!」
「ハハハ、了解。じゃ、カウンターしか空いてないけど、掛けといてくれ」
俺たちは最後の空席に二人で掛けた。
「私、智也の彼女なんだ」
桐花はニヤニヤと笑って言った。
「だ、だって、サービスして欲しいじゃん。——で、お母さんにはなんて言って出てきたの」
「友達とファミレス行ってくるって。8時までには帰らないと怒られちゃうけど」
「まだ、2時間近くある。十分十分」
そんな会話を交わしている内に、ラーメンが運ばれてきた。
「ほい、俺からのサービス定食ね。残したら分かってるな、福井」
「は、はい! ありがとうございます!」
俺はラーメンと半チャーハン、桐花はラーメンしか注文しなかったのに、ラーメンはチャーシュー麺に、チャーハンの他には鶏の唐揚げ、餃子と、この店のフルコースになっていた。
「うわ! 美味しい!」
「だろ? ラーメンに拘ってる店って、サイドメニューが寂しい所が多いんだけど、この店はどのメニューも拘りの塊だからね」
「智也は本当にここのラーメン大好きなんだね。でも分かる、これはハマっちゃう!」
そう言って、桐花はツルツルと美味しそうにラーメンを食べた。
「はーっ! お腹いっぱい! 美味しかった! 智也もお腹パンパンでしょ?」
「うん、限界……流石にここのラーメンでも数日は食えないかも」
小食の桐花をフォローする形になり、本当にお腹いっぱいになってしまった。今の俺の胃には、少しの隙間も無いことだろう。
「私たち、タイミング良かったんだね。行列になってるじゃん」
「そうそう。いつもは行列になる時間なんだよ。ラッキーだったよ、俺たち」
店を出て少し歩くと、男二人組に「おーい」と声を掛けられた。自転車に乗った、宏人と浩介だった。
「飯食い終わった? あ、智也の友人の山下宏人です。はじめまして」
「友人、その二の中田浩介です、はじめまして」
食事が終わったら合流する予定だったが、俺を迎えに来たのだろうか。いや、桐花を一目見てやろうと、わざわざやって来たのだろう。
「はじめまして、智也の幼なじみの鈴木桐花です」
「と、智也だって!? え? お前たち、付き合ってたりするのか?」
「つ、付き合ってねえよ。幼なじみなだけだよ。な、桐花」
「『な、桐花』だってよ! 羨ましいなコイツ!」
宏人が俺のモノマネをして茶化してくる。浩介はともかく、桐花まで吹き出した。
「じゃ、私はここで。またね、智也」
「ま、待って。家まで送るよ」
「うんうん、その方がいいよ桐花ちゃん。じゃ、俺ん家で待ってるから、後でな!」
宏人はそう言うと、浩介と共に自転車で去って行った。
「ごめんな、初対面なのに失礼な奴らで」
俺は自転車を押し、桐花と並んで歩いている。
「ぜんぜん。楽しい人達じゃない。私まだ、そこまで仲良い友達いないし羨ましいよ」
「まだまだ高校も始まったばかりじゃん。その内、仲良くなるよ」
「だったらいいけど」
桐花は寂しげに笑った。
俺たちはこの2ヶ月程で、今までの空白を埋めるように会話をしてきた。
桐花にそこまで親しい友人がいないことや、母親の期待が桐花のストレスになっている悩みなども聞いた。俺に話すことで、桐花は少しでも楽になってくれているだろうか。
そうそう、桐花は俺が最近ちゃんと勉強している事を喜んでいる。
桐花には言っていないが、俺の学校なら一番の成績を取れるんじゃないか? と、割と本気で考えている。
思い切って、次のテスト前に宣言してみようか。桐花ならきっと応援してくれるはずだ。
「——もう家着いちゃうね。ここで大丈夫だよ」
「そっか。じゃ、ここまでで」
「また一緒に食べようよ、ラーメン」
桐花はふと笑って、そう言った。
「うん、行こう行こう。——あれ? ちょっと歩いたからかな? 数日は無理って言ったばかりだけど、明日には食えそうな気がしてきた」
「ハハハ、何それ。次行くときは私も、お腹ペッコペコにしておくから! ……じゃ、お友達と楽しんできてね!」
そう言って桐花は帰って行った。
次行くときは、か……
その時も、店長は俺たちの関係を聞いてくれるだろうか。もし、桐花が本当の彼女になっていたりしたら、今日より豪華なセットが出てるくのだろうか。
そんな夢想をしながら、自転車のペダルを踏み込んだ。俺を待つ、宏人の家へと向けて。
〈 了 〉




