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ビート9
ゴチン!
駆け出してすぐ、何かにぶつかった。
「あいたたた…誰だ!じゃまだ!ど…いて…」
だんだん声が尻すぼみになってくる。
よりにもよってぶつかったのは…
「随分と偉そうな口をきくじゃないか!
えっ!ハーホードさんよぉ!」
「長殿!こ、これには理由がありまして…」
仁王立ちになり、腕を組んでむんずとふんぞりかえるのは
ルルカの育ての親であった。
「お前、テントに女を連れ込んだだろう?
ルルカがいながら、堂々と浮気しやがるとはいい度胸だな!」
ノールが男であることを黙っておくといった手前、
いいわけも出来ずただ黙り込むしかなかった。