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ビート8
「ここが風の一族の住まいだ」
案内された場所は、素朴だが住みやすそうなテントが並んだ所だった。
「俺はここではひとテント、住まいとしてあたえられている。
ひとまずそこに案内しよう」
とりあえずハルフォードは二人を自分の仮住まいへ案内した。
長から後継者に指名されたとはいえ、まだ具体的には何も進んでいなかった。
宙ぶらりんな自分の立場だが、幼い頃短期間お世話になったためか
一族のみんなはあたたかく受け入れてくれた。
実は、幼い頃破天荒なルルカに振り回されるハルフォードが
あまりにも憐れで不憫であったため、可愛そうな坊やを
遠いところからあたたかくみまもろう、略して"ハルちゃん見守りたい(隊)"
が結成されていたのだった。
案内したテントにとりあえず二人を押し込め、
ハルフォードはおばばを呼びに駆け出していった。