7/15
ビート7
「ノール様の性別は、お、ん、な、だ!いいな!くれぐれも」「男ってばらすな!ってことだろ」
うんざりした顔で護衛の男の物言いをぶっちぎる。
「それで、どうやって本人を運ぶ?」
「私が運ぶ。ノール様、ご無礼お許しください」
そう言うと、大事そうにあるじをお姫様抱っこする。
ちょっと引くところがあるけれど、つっこむのは良くない状況なので
あえて知らぬふりをして話しかける。
「俺のあとについてきてくれ。暗いから木の根に注意しろよ」
「お前のようにへまはしない!これでも夜目は利くほうだ」
ーく〜、こいつ!いちいち腹の立つ物言いしやがって…
がまん、がまん、偉いぞ俺!頑張れ俺!
今度はブツブツいわないものの、ガッツポーズをとったり、
両手を上に上げたりしながら前を歩いて行くハルフォードの姿は
護衛をますます不安にさせていくのであった…