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ビート6
男二人がしばしじっと見つめ合う。
「はあああ〜」
護衛であろう男が大きなため息をついて、構えていた剣をおろした。
「見るところ、お前は敵ではなさそうだな…
ここで見たことは全部忘れてさっさと立去れ!」
「何で俺を敵ではないと判断したんだ?」
不思議に思ったハルフォードが尋ねると、男は面倒くさそうに答えた。
「お前みたいな天然どアホが悪さするような人間には見えないからだ」
「はあ〜テンネンド、ァ、ホーだと?
アホードとは言われたことはあるが、俺の名はハルフォードだ!」
「それじゃ、ハルフォードとやら、さっさとお家へ帰れ!」
「お家だあ?!って、その前にこの人の傷の手当をするべきではないのか?
今俺が世話になっている風の一族には、性格はヒジョーに悪いが
腕だけはピカイチの薬草師がいる」「それを早く言え!」
いきなりハルフォードの胸ぐらを掴み、男がどすの効いた声で話してきた。
「ただしー」