月下の舞姫と堅物騎士のポルカ〜歌って踊ってラララララ〜

ビート2

どうやら森の奥の方で、争う音が聞こえてくる。

ハルフォード自身は剣の腕はまだまだだとおもっているが、

御大に鍛えられてきたため、実は剣さばきは国の中でも5本指に入るくらい強い。

いざとなれば、騎士団長も務められるくらいだからこそ

リリア(ルルカが代理で来ていた)が世継ぎの王子の婚約者として王都の精霊宮に来た時に

護衛騎士に抜擢されたのである。

"騎士"として、剣は常に帯剣している。

それを抜くと静かに気配を消して騒ぎのある方へと近づいていく。

幼い頃ルルカに森を連れ回されたおかげで、森の地形は頭に叩き込んである。

おまけに銀鈴蝶(ぎんれいちょう)が道案内をしてくれているから心強い。

ちなみに精霊の眷属は、他のものには見えないようになっている。

その道案内が、ふと、空中でたちどまる。

異変を察知したのか、警戒して足を止めると…

人形をした白いかたまりがぐったりと横たわっていたのだった。