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ビート1
「♪おやすみなさい〜 おやすみなさい〜
フフフフ〜ン フフフフ〜」
のんきに鼻歌を歌いながら、
銀色に輝く蝶を道案内に
一人の青年が新月の森を散策している。
何かきまづくってちょっと散歩してくると告げたら、
珍しくオババが優しいことを告げた。
「今日は新月だから、星明かりだけでは心許ないだろう
私の眷属を貸してやろう」」
「白ワンコならご遠慮します!」
バコッ!
お玉ではたかれた。
「銀鈴蝶だよ!アホード!
銀鈴花の蜜しか食さない特別な蝶さ!
銀色に光るから、ともし火代わりにはなるだろうさ」
そう言って片手を差し出し何かをとなえると
銀色の光の渦が形を取り始め、やがて一匹の蝶となった。
「ほああ〜メルヘンだなあ〜
オババも夢見る女子だったんだなあ〜」
「あんだって!」
「だー!すみませんすみません!
行ってきます!」
ビューっととびだしたまま、近くの森をプラプラ散歩しているハルフォードであった。
この森は、幼い頃ルルカと二人で過ごした思い出の森。
懐かしさに浸っていたハルフォードの耳に、突然剣を交える音が聞こえてきた。