9話 祭りってぇのはなんで準備が一番楽しいのかねぇ
今回は長文となります。
また読みづらいとおしかりを受けてしまう事を先に謝罪させて頂きます
新謎キャラ リリスは次回以降何処かで登場予定です。
あれから時は流れ一週間…
変わらない日常を過ごしながら時は過ぎていった。
変わった点と言えば、俺のクラスの陽キャグループがチョッカイを出してくるようになり、クラスで俺が浮き始めたくらいの話し
それも明日で終わるだけの事…たいした変化ではない…
現在、俺の家のリビングには両親・霧隠姉弟・鬼龍院虎鉄のジィさんが揃って居る…明日の最終チェックの為に…
「と言う事でこれがアイツらの報告書っす」
「明日の金曜日、3限目と4限目に特別棟でどうやら未来の日本を担う会なんてデカい看板掲げた月に一度の勉強会と称したお楽しみパーティーが広いホールで開かれるみたいっす」
「参加者は、光、百華の所属陽キャグループを中心に全学年各クラスの富裕層の陽キャグループや百華みたいに引き込まれた見た目が良さそうな女子生徒やチョロそうな女子生徒、後、年齢は問わない様で若い女教師や50過ぎた女性教頭も居ると言う事っす」
「で、その参加者関係者にはもう姉貴のグループと自分と後輩の陰で手分けして、明日の作戦の邪魔にならないように、押さえ付けておいたっす」
「ミカさんのお知り合いの方達に比べたら自分のまとめてた影の情報収集がまだまだ子供の遊びに感じる程で脱帽っすよ」
そう龍二は言いながらこめかみを指でポリポリと掻きながら説明をしてくれた。
」で、一応明日は面白い仕掛けもありますんで楽しみにしていて下さいっす。」
「そうそう、ミカさん?リリスさんから伝言っす」
「おいおい!リリスさんってもしかして…」
「はい、そのリリスさんっすよ。」
「伝言は、ミカちゃんが喜ぶ様なステージを見せてア・ゲ・ル…♥フリーになったんだからお店に遊びにキ・テ・ねん…♥だそうっす」
俺はそのメッセージに怯えながらも
「龍二…えっとリリスさんメッチャ張り切っているみたいだけど大丈夫なのか?」
「えぇ…従業員総動員でミカちゃんを気持ちよくするわよん…とか謎な事言ってましたが俺もなんか狙われていたので早々に退散したんで…」
「あっでも、リリスさん達がやろうとしている事は把握してますし、自分と影もメンバーに加わってるんで安心していいっすよ。内容は、リリスさんから絶対に秘密って釘をさされてはいるんっすけど」
「はぁ、お前も店の誰かに気に入られたのか…ご愁傷様だな。まぁ分かったよ。リリスさんに口止めされたら言えないよな」
「俺でも恐ろしくて約束破れんわ」
三日月は龍二と顔を見合わせ苦笑いを二人で浮かべていた。
そんな二人の話しを聞いていた滴が不満気に
「りりすって誰ですか?お店ってまさか…Hなお店のお姉さんですか?ムキーッリリスとか言う女め」
それに対して、ニヤニヤしながら夜空が煽りを入れてくる
「まぁ、ミカちゃんはHなお店でお母さんの知らない内に、大人の階段を駆け上がったのね…グスンッ」
「ですよね、酷いですよねお母様。私が絶対にミカ先輩を公正させてお母様。の元に連れ戻してみせますから!妥当リリスです「
夜空は下を向きながら鳴き真似をし、滴の鼻息荒い言葉を聴きながら笑いを堪えているのか小刻みに肩を振るわせていた
そして、それを泣いていると勘違いをしている滴はさらに鼻息を荒くしていた
「なぁ?緊張感も何もねぇな?ったくよ一応俺の大勝負の前夜なんだけどな」
「それとほら!いい加減母ちゃんも滴をからかわない!」
「滴も落ち着け!母ちゃんもリリスさんと面識あるし、それと滴が考えているような人でもないから!マジで」
「そんなに逢いたいなら終わったら龍二と一緒に店にも連れて行ってやるから落ち着け!」
話しが進まなくなるので俺は二人を落ち着かせてオヤジに声を掛けた
「オヤジ?虎ジィが居るって事は何か分かったの?」
「あぁ、それがよこのジジィがミカに久々に逢いたいからって付いて来たんだわ」
「えっ?マジ?」
「マジ!」
そんな親子の会話に虎鉄は割り込み
「なんじゃ、蒼月の坊主!弁護士になっても昔のままで口が悪いのぉ。ミカを少しは見習えんのかのぅ!」
「ミカは可愛いぞぉ!しかも、昔のお前さんより腕っ節も頭の切れも上かものぉ」
「どうじゃミカ?ワシの息子にならんかのぉ?ミカなら跡継ぎに文句なしじゃて」
「オイ!コラァ!ジジィ!ウチの息子を誑かすな!それとな、ミカにまだタイマンで負ける程鈍っちゃねぇわ」
「ジジィ!それより自分でミカに話すんだろ」
「そうじゃった、そうじゃった 笑」
そんな男二人のやり取りにあっけに取られながらも三日月は
「えっと、親子喧嘩はいいからさ、話しあるんだよね?虎ジィ?」
「誰が親子だ!親子じゃぁ!×2」
「ごめんごめん…で?」
「コホンッ…すまんのぅ。結果から言えば、風魔 小太郎は白も白、この国に必要な人材じゃ」
「まぁ、ミカが渋い顔をする気持ちも分かるのじゃがの?。、小太郎の人間性や仕事ぶりの評価は周囲もワしも認めるところじゃ…じゃが、、小太郎は小太郎なりに家族への愛情を注いでいるとしても家族はどう評価してるかも分からんじゃろ?」
「ワしが調べさせた所、小太郎の奴可愛そうにのぉ…部下の若いモンに妻を寝取られておった」
「まぁ、おおかた、母親を見て息子も育つわけじゃから、母親は小太郎の稼ぐ金と権力を必要として、それを見て育った息子も同様な考えになる…妻の不貞は小太郎の家で行われていたようだしの、そこら辺も、息子に影響を及ぼしたんじゃあないかの」
「でワしの方で、風魔小太郎そして、お前さんの学校の理事長に話は通しておいた」
「両者の答えは邪魔も隠蔽もしない、三日月くんの自由にしてもらって構わないそうじゃ」
俺は虎ジィの話しに固まっていた
「ね、ねぇ?虎ジィって何者?町営住宅の平屋に犬と住むただのジィさんじゃあないよね?」
「オヤジは知ってるの?虎ジィが何者なのかってさ」
「アハハハハッ…ミカ?ジジィは老いぼれ犬連れて徘徊してるただのジジィだよ!ジジィも同じ応えらしいぜなぁ?」
「そうじゃあフフフフフッ…そんなに知りたいならワシノ跡継ぎになってから教えてやるかのぅフフフフフッ……それまではひ・み・つ…じゃのぅ」
「わかりましたよ。虎ジィは虎ジィだよな」
「色々と、二人ともありがとう」
「なになに、ミカにはまだまだ借りを返さんといかんのじゃから気にするなて」
そして俺は最後に気になっていた百華の両親について、父親と母親に確認すべく声を掛けた…
「あのさ?オヤジ、母ちゃん…百華の両親についてなんだけど…」
その問いに口火を先に開いたのは夜空だった…
「ミカちゃん、きちんと私たち二人で百華ちゃんのご両親とお話をして来たわ」
「最初はね、自分の娘を侮辱されしかも、彼氏自身でなくその両親がそんな話をしに来て、別れを告げる事に、あちらのお父さんが憤慨して蒼ちゃんに掴みかかってきたの…」
「でも、蒼ちゃんはね手を出さずに、信じないのは自由ですが現実から目を背けてそうした一時の感情で暴力をふるえば後悔するのはあなただけでなく、奥さんにも迷惑がかかる事を踏まえて殴りたいならどうぞ…って言ったの」
「それから、報告書の封筒、写真、音声、動画の入ったUSBを机の上に置き、ご両親に見るか見ないかを選択させていたわ」
「最初に、お母さんの方が、報告書と写真に目を通して顔面蒼白になっていたわね。報告書は文字だけど、滴ちゃんや龍二くんから送られてくる写真には、所謂乱交や輪姦や野外などでの行為の現場写真も沢山あったから…」
「ごめんなさいミカちゃん…ミカちゃんにはその画像や色々見せたくなくて……滴ちゃんと龍二くんには私たちに直接そうした物は送るように頼んだの」
「母ちゃん、謝んないでくれよ……気を遣ってくれてありがとう。」
「でも実際、屋上での情事を見てから、百華がそうした事をしていても、TVやPC内で流れる他人事程度にしか思わなくなったんだ……」
「俺って実は、割かし冷めてぇ人間なのかもなって最近思っちまうんだ」
「そんな事はないわ!ミカは優しい子よ!私と蒼月の大切なね」
「それでね…奥さんの様子が変わったのに気づいた旦那さんは、蒼ちゃんの胸ぐらから手を放し、そこで奥さんと同じ物を見ることになったわけ」
「旦那さんの方は、信じたくなかったのか写真や報告書は偽装だとか言っていたんだけど、とどめに蒼ちゃんが、ノートPCを開いて、音声と動画を流し、ネット経由で防犯カメラをハッキングしたライブ映像に写る図書室の一角で何人かを一人で相手をして楽しむ現場を見せ、やっと現実が理解できたみたいだったわ」
「まぁ、そこからは土下座されるわ、慰謝料を払わしてくれだとかなかなか本題に入れず苦労したわ」
「最後まで、娘だけは許してくれって言っていたけどね」
「勿論、断ったわ…一応は、協力を約束してはくれたんだけど……」
「でもね、信用に至らないと私たちは判断したからご両親には悪いけど、私と虎ジィの力で圧力を掛けさせてもらう事にしたの」
「その内容は……」
「裏切らなければ、辛いでしょうが現在住むこの家で今まで通り生活を続けられるのが一つ」
「現在務めている、パート先、会社を辞職する必要なく続ける事ができるのが一つ」
「この二つを私とココには居ませんが鬼龍院 虎鉄が保証するのを約束すると言う。そんな条件をご両親に提示したわけ」
「勿論、裏切った場合のペナルティも話したわよ」
「裏切れば、この家は愚か職も財産も手放す事になると言う事。表・裏の社会問わず、一生涯あなた達を雇用する場所は無いのは覚えておいて…」
「これは脅しではありません、単なる事実の報告です。よく考えて選択をする事をお勧めします。」
「………とまぁこんな感じで釘は刺したから大丈夫だとは思うわ。」
「決行日も嘘を教えておいたしね。それでも裏切って百華ちゃんを選ぶなら親として子供を守れたんだから今後地獄以下の生活でも我慢できるんでしょうね多分」
「なんか……ごめん…嫌な役回りさせちまってさ」
「バカね!子供のうちは、親に迷惑かけたり甘えるのも子供の仕事!」
「それを受け止めて良い子となら手伝う悪いことなら叱るのも親の仕事なの!」
「だから気にしない」
そんな、祭りの前の賑やかな時間は流れ、決戦当日がやって来るのであった…