7話 現実は汚ぇもんで溢れてようがキレイ事貫く奴がいなきゃあ理不尽なんかなくせねぇ
今回、両親の名前が次話で出てきます。
父 柳生 蒼月 (やぎゅう そうげつ)
母 柳生 夜空 (やぎゅう よぞら)
そして、虎鉄と言うおじいさんの名前も出てきます。
謎のおじいさん 鬼龍院 虎鉄 (きりゅういん こてつ)
今、俺はリビングで両親と机を挟んでソファーに座り対面している…
二人は、俺が口火を切るのを静かに待っていてくれている。
そんな優しさに応える為に、腹をくくって今日の出来事を両親に話した…
始めは、百華を知る両親は驚いていたが、龍二や滴から送られてきた情報を見た両親は真剣な顔になり黙ってスマホの情報を何度も細かく見直していた。
そして…
最初に口を開いたのはオヤジだった。
「ミカに起きた出来事は理解した。」
「それと、これを俺達に見せたって事は、百華ちゃんと別れるつもりだっつう事も推測できる」
「それと…」
「ンッンッンッコホンッ…いやこれは後にしようか…でだ?まず一つ聞く!」
「お前と百華ちゃんは学生なわけだが、結婚までの恋愛なんてもんはな、いくら互いで将来結婚しようなんざ言ってもところせんは口約束なわけなんだわ。わかるよな?」
「なんの法的拘束力も結婚みたいにはねぇんだわ」
「付き合っている間によ、他の奴を好きになって別れちまうなんてな、そこら辺に掃いて捨てるほどあるわけよ」
「中にはよ、ベットの上で甘いこと言って結婚をちらつかせて、金品を騙し取ったり、結婚しないでヤリ逃げするなんて奴もいてな、民事裁判沙汰なんてのもあるがな、これはこれで悪意の証明すんの難しかったりするんだわ」
「悪ぃ悪ぃ…話し逸れちまったな」
「まぁ、お前の面見てると何かやらかすんだろ?どうせよ」
「その前によ、俺が言った事、お前はどう考えるんだ?なぁ?」
俺は、両親の真剣な目に応えるように口を開いた…
「オヤジの言う通りだと俺も思う」
「確かに、人の心は全て理解できないし、誰か違う人を好きになってしまう気持ちを人がどうにか出来るなんても思っていない」
「その結果、他の人を好きになってしまってフラれたり、別れたりすればきっと互いに辛い気持ちになるのは恋愛も結婚してからも変わらないと思うけどその繰り返しの中で本当のパートナーに出会う事ができたりもするんだって理解はしているつもりだよ」
「恋愛ってさ多分まだ俺も良くはわかんねぇけどさ、誰かの不幸の上に成り立ってんだと思う…」
「俺だって、百華を好きだった奴からしてみたら、百華を奪った憎い相手だと思われていてもおかしくないわけだし。」
「でもさ、そんな顔も名前も知らない誰かを気にして好きな人を諦めるなんてさ、出来ないし、だから本気で好きになって付き合えたら、俺に出来るのは、誠実に愛して素直に相手を幸せにしたいって思い失敗しながらも努力するってのがさ、人を好きになって恋愛や結婚ってもんじゃあないかなってさ…」
「ガキだから青臭い理想なのかも知れないけど…」
「でもさ、流行りか何か知らねぇけど、NTRって言葉で自分たちのクソ外道な行為を遊び感覚で正当化して、他人から奪う事でしか優越感に浸れない奴・承認欲求を満たしたいだけの奴・そいつらにチヤホヤされ、環境の変化の中で染まり、外道と同じ場所まで自ら堕ちる奴…」
「そんな奴等がさ、他人の心を殺す…心の殺人…多分そんな事をした事すら理解する日はこないんだぜ」
「した側ってのはさ案外と直ぐに忘れちまうモンで、された側は凄く嫌な事ってのを忘れないんだよな」
「10代ってよ、本当はさ一番楽しくてさ、大人になる前の最後の自由な時間だよね?」
「なのに…心を殺された人間はその時間すらも奪われる…個人差はあるんだろうけど、悪い事していないのになんで苦しめられなきゃいけないの!下手をすれば社会に出ても苦しむ日々かも知れないんだぜ」
「そして、遊び感覚・暇つぶしetc…で罪もない人間から奪った当の本人達は、ヘラヘラと10代やその先を楽しんで生活して行く…罪の意識なんてないから忘れて…」
「歳をとって昔を思い出しても、悪びれずに自慢話しの一つ、自分を飾るトロフィー感覚で笑い話し程度にしてさ」
「裁く法がないからって、そんな理不尽が、オヤジの言うよくある付き合っていたら他に好きな人ができましたって言う心変わりでよくあるそこらに掃いて捨てるほど転がっている結婚までの恋愛話しだとは俺は思えないんだ」
「そうした理不尽をふりまく奴等は、この先もまた、被害者を増やしていく!」
「そんなのは断じて恋愛じゃあねぇと思うし、理不尽を悟ったふりして自分に納得させられる程出来た人間じゃあ俺はねぇからさ」
「お行儀良く、何でも悟ったみたいに飲み込むのが大人なら、俺はガキのままでいいさ」
「NTRって軽い言葉を使って、テメェ等の外道な行為を正当化して、流行りを免罪符になんてさせっかよ!」
その真剣な言葉に父親は…
「ミカの考えはよく分かった!きちんとそこまで理解できてる事…大人になったなミカ…俺は嬉しいぜ」
「それでだ…何かするんだろ?百華ちゃんの事含めて…後悔しないんだな?」
父親の突然の褒め言葉に照れながら三日月は本題を切り出した…