4話 冷えた心にゃあ古き友の有り難みが染み渡る
「ハァー」
俺は何度ついたか分からない溜息を屋上で吐いていた。
授業に出る気も起こらず、中学時代以来久々に授業をフケていた…
ポケットの中にある、お守りとして持ち歩いているZippoをカチリカチリと鳴らしながら
「ぁぁー、こんな時は一服してぇなぁ」
そんな事を呟きながら空を見上げながら寝転んでいた。
だがそんな時間もいきなりの訪問者達によって終わりを告げる…
扉のノブがガチャッと下ろされる音が聞こえ、
俺は、その音に反射的に反応し辺りを見回した。
そして、即座に給水タンクのある一段たかくなった場所が視界に入ったと同時に、はしごを一気に駆け上り身を隠そうとしたのだが…
そこには、二人の先客が驚きながらも気まずそうな顔で隠れていた。
俺はとりあえず二人の生徒に現状を小声で伝え、訪問者に見つからない様に一緒に身を隠させて貰った。
よく二人を見ると、男女の二人組だが…
(コイツ等、男と女がこんな場所にって事は…俺邪魔しちまったやつかもしかして?)
(でもなぁ、コイツ等の顔、スゲぇ二人とも似てんだよなぁ…それも気になるけど何処かで見た事ある気もすんだよな)
そんな事をかんがえながら、二人を眺めていると、不意に女子生徒が抱きついてきた。
「うわぁッ!!いきなり何してんだお前!離れろや」
「三日月先輩だ!本物のミカさんだ!」
「人違いだったらどうしようかと声を掛けられずに、ずっとここから観察してたんですよ」
「観察ってなぁ…お前…」
「で?俺を知ってるみたいだけど?」
「それに、ミカって呼び方を知っているって事はお前達?」
「えぇぇ!忘れたんですか?こんな可愛い後輩の事を!」
「霧隠 滴です!ミカさんの後を任された、カヨワイ滴ですぅ!」
「へぇぇッ?鬼姫?」
「本当に気づいてなかったんですか?ミカさん?」
「って変わりすぎだろ!黒髪だし化粧してねぇし!眼鏡だし!眼鏡だし!」
「って事は、そっちは龍二か?陰の霧隠 龍二か?」
「えっと、お前も何だ?それって俺の真似だよな?なんでイケメン風邪に…素材か素材なのか…」
「久しぶりっす。ミカさん。姉貴がすんません。今静かにさせますんで」
「スルーかなぁ龍二…スルーなんだな…」
「相変わらずお前は気が効く奴だな。悪りぃ俺も驚いて少し騒がしくなっちまった。」
「今はそんな場合じゃあねえしな。ほら、滴!龍二に面倒掛けるな静かにしてろ」
「眼鏡だしって2回も言った…似合ってないの?ブツブツブツブツ…はぁーい了です」
「ありがとうっす!ミカさん。姉貴はミカさんの中堅っすから」
「そんな事よりどうやら下でおっぱじめてるみたいっすよ」
俺達の耳に聞こえてきた訪問者一人の声は俺がよく知っている女のものであった。
もう一人の声も、ついさっき聞かされた声であった。
俺達は気づかれぬようにそっと下を覗いてみる事にした…
やはり、文才もなく向いてないようなので、始めたこの作品だけは終わらせたいと頑張ってみます。