3話 人生歩けば棒に当たるってかぁ
二人の時間は失われつつある…
ある日、移動教室の為に廊下を一人歩いていると…
百華の声が久々に耳に入ってきた。
そしてそちらに視線を向けると…
久々に視線に飛び込んできた百華は、所謂陽キャと言われるクラスカースト上位グループに囲まれ楽しそうにしていた…
だが、見た目が全く前の百華の面影を残さないくらいに変わっていたのには驚きを覚えた…
俺はどうしたのかと思い百華に声を掛けた
「なぁ?百華、なかなか連絡も返してくんないし、その格好どうした?」
そう声を掛けると、百華は今までとは違い、俺を見下すような目で見ながら
「えっ?何?普通だし!アンタにいちいち相談しなきゃいけないわけ?」
「連絡できないのはさほら、みんなと遊ぶって言ったし、それとさ!忙しいって言ったはずなんだけど?」
「これだから陰キャはさ!言ってることに余裕がないし、グチグチと!束縛系ですか?って感じでキモイんですけど?」
その百華の言葉を聴き、陽キャグループの男女が大爆笑をする…
俺はそんなバカな奴等の雑音を無視して再び百華に言葉を投げかける…
「俺の事をどう言おうがどうでもいい!オヤジさんは俺達を信じてくれて、二人に任せてくれたの忘れたか?そんな格好を見てオヤジさんは何も言わないの?なぁ?」「信じて託してくれてる相手裏切るなよ!」
その言葉に百華は一言
「ウザっ」
と吐き捨てただけであった…
そして俺が声を発しようとするのを遮るように、百華の背後から男が会話に割り込んできた…
このグループの中心であろう男は
「君さ…」
「僕達は、もう17歳なんだよ!来年になれば法的に成人として選挙権とか認められるわけだ。」
「そんな年齢の相手に向かって小学生の子供のように、父親の話しなんて持ち出して、そうしないと君は百華の気を引けないのかな?」
「本当に呆れてしまうね」
「百華?この陰キャが君の言っていた彼氏かい?君の話以上に酷いね。」
そう声を掛けられた百華は何故かさらに俺をキツく睨み付けてきた…
そして男の言葉はまだ終わらない…
「何故自分が百華に睨まれているのか分からないって顔だね?仕方ない教えてあげよう」
「百華は君とは違い、僕らと同じ人の上に君臨して色んな事を動かす側の人間なんだよ…そんな百華に君は意見をし家族まで引き合いに出して僕らの前で恥を掻かせた訳だ」
「見た感じ。前髪は目が隠れる程長く、後ろ髪も伸ばし放題で女性みたいだね。そして前髪の間から見える安そうな細身でスリムな四角い黒縁眼鏡」
「清潔には見えないし、そうだなぁー陰キャそのもの?オタって言う人種そのものにしか見えないよ」
「震えているね…怖くて何も言い返せないのかな?違うか本当の事を僕に言われ悔しいのかな?」
「この事も、親に言いつけるかい?それとも…先~生~に言ってやろう♪ってやつかい?」
男は吹き出し笑いながら、三日月をバカにする…
その笑い声に吊られたように、百華をはじめグループの男女も大爆笑する…
「ごめんごめん。余りにも面白くてね」
「とにかくだ!君も来年には成人を迎えるんだから、部屋で読書ばかりしていないでぷっププぷぷ…んっんっんっごめん。百華が君がライトノベルや漫画やHな本ばかり見ていると言っていたのを思いだしてねつい」
「ンッコホンッ!気を悪くしないでくれ読書には変わらないから…とまぁ部屋に籠もっていないで君もコミュ力を付けたり世間をちゃんと知るべきだって事だよ!」
「百華に見捨てられてしまわないようにさ」
「なぁ?百華?イケメン彼氏と別れるなんて事になったら大変だよなぁ?笑」
とニヤニヤとしながら、その男は馴れ馴れしく何度も百華を名前で呼んでいた
呼ばれた百華は
「イケメンとかこんな時でもユーモアを忘れないんだから光。ありがとう私が不快な想いをしているのを和ませてくれようとしてさ」
「さすが大人だよね光くんはさ!他の同年代の男子とは全然違って余裕がある処とかが素敵だよ」
とはしゃぎながらその光と呼ばれた男に密着して腕を絡め楽しそうにそして蒸気したような表情を浮かべながら、光の顔を見つめていた
俺には今百華が光と言う男に向けている表情を知っていた…
だがそれを認めると言うことは…
そんな葛藤を頭でしながらも現実を知っている三日月の心は氷のように急激に冷え込んでいった…
百華との時間や愛情が初めからなかったかのように…
三日月は百華と光を含めその男女陽キャグループに聞こえるか聞こえないかの声量でボソッと呟き
「大人ね…百華もお前らも残念だ…どこにでもやっぱり勘違いしたクソな外道はいるもんなんだな…」
「もう終わりだな…」
表情は前髪に隠れてよくわからないが確かに三日月の表情は絶対零度と表してもおかしくはない程の感情が抜け落ちたかのような顔に変貌しバカ共を無視をしその場を後にした!
背後からは、百華の「えぇー嫌だあんな陰キャとするわけないでしょ!!光みたいな大人の余裕のあるイケメンを普通選ぶよねみんな!」
陰キャはハッキリ喋れないんだよなコミュ力なさ過ぎ?最後なんつったのかわかんねぇし!」
「百華ちゃんとかあたし達女子に馴れ馴れしく話かけるとかわきまえろって感じだよね!百華ちゃんのストーカーだったらヤバくないウケるんですけど」
「百華は可愛いよあんな陰キャと一緒じゃあないよ。俺達と同じ上に立つ側だよ。もっと自分に自信を持ちな。後でまた可愛がってあげるから」
そんな下品な会話に爆笑しながら三日月を嘲笑する雑音を背にし歩いていく…
三日月は思い出すあの百華の表情を
中学時代、三日月の周りには所謂不良と言われる人種が集まっていた…そのせいか女子の不良と呼ばれる子達は処女を卒業をしている子が多かった…
世間の偏見からすれば、ヤンキー娘は股が緩いなんて酷い考えがあるようだが、実際は違う…
本当に筋金入りのヤンキー娘は簡単には股を開かない、一途で惚れた男以外には。
多分、半端にイキっている娘やさっきの百華のように勘違いして調子に乗った社会を舐め、大人を舐めているバカな半端モンが、売りやパパカツ、裏アカでの乞食活動などの貞操観念が緩く、、男の経験人数をトロフィー代わりにステータスと思っている奴らが目立っている影響もあるのだと思う。
そうした奴らに限って、ギャルやレディースの様な派手な格好を真似する事から入るビッチが多いのも原因だろう…
まぁ本物からしたら迷惑な話なんだが…
そう、あの表情は、そんな奴等が男を知って、その快楽と承認欲求に溺れ堕ちた媚びた女の顔…
そこから導かれるのは、百華と光はもうsexをしたのであろう
「理不尽だよな…」
「アイツ等みたいな人間は、平気で他人を踏みにじる…」
「これってNTRってやつだよなぁ…」
「小説とかエロ動画とかで流行りの…ハァー…」
「落とし前はきっちりと付けねぇとなぁ…駄目だよなぁやっぱりよ」
「いつかまた俺みたいに心を殺されちまう奴が出てくるだろうしな…」
「命を奪う殺人じゃあねえが、心の命を奪う殺人だって事を、アイツ等の頭じゃ理解も気づく事もできねぇだろうし…百華まであんなになっちまうなんてな…」
「さぁーて!どうっすっかな?理不尽な害獣の始末を…まぁいっか…証拠もねぇし…とりあえずは様子見って感じだな…」
「こんな気分の時は、久々に授業フケんべかな…」
そんな独り言を呟きながら三日月は目的の教室から屋上へと行き先を変え一人休み時間の生徒達の中に消えて行くのであった…
初めてなのでアドバイスを活かせられなくお目汚しになり申し訳ありません。
処女作なので短編にしたかったのですが上手くにまとまらず連載を選びましたが、ベースは短編を想定しているので細かい描写や出来事は省いているのをお許し下さい。素人の初作品であれやこれや描写や出来事を詰め込むのは悪策ではないかと読者目線で考えた結果でもある事をご理解頂けたら嬉しいです