後日談 服部百華の独白
文才もない拙い物語を読んで頂きありがとうございました
なんとか、完結させる事ができたのは、それでも楽しんで頂けた読者様のお力です。本当にありがとうございました
✳服部百華の独白✳
あの日、私の日常が壊れた…
どうしてこうなった?何を間違えた?そんな言葉があの日から毎日グルグルと頭の中をグルグルと廻っている…
でも、本当は分かっているんだ、私が彼三日月くんを裏切った事が全ての原因なんだって…
中学の時は、周囲が処女を卒業したと自慢げに話していようが、処女は子供だと見下され馬鹿にされようがそんな事で大人になったと公言している人の方が余程子供だなと気にもせずにいたのに…
でもやっぱりそれはただ彼氏がいなかったからそうやって冷静に物事を見れていただけなのかも知れない…
中学生くらいの年齢なら、口にしたりはしなくても、女子だってHな事には興味はあった…でも地味で所謂陰キャと言われる私には物語の中の話でしかなく現実にそんな出来事は起こらなかった…
高校に入学して、彼三日月くんと出会って物語の中だけだと思っていた事が現実となり、私にも彼氏が出来た…
彼は優しくて誠実で、お父さん達の言葉を真剣に受け止め、女性の私の身体や学校生活を考えて、話し合いを設けてまでHな事をどうして行きたいか私の意見を尊重しながら考えてくれていた…
今冷静に振り返るだけでも自分がどれ程愚かだったのか…女子なんかより、よっぽど男子の方が性に興味を持つのが早く、彼女が出来たら早くsexしたいと思う人が大半なのに、彼は自制が出来るなんて勝手に思い込み甘えていた癖に私は…
陽キャと言われカースト上位でもある女子に声を掛けられ、舞い上がったあげく、更に中心人物である風魔光にただただ耳障りが良く薄っぺらなキレイ事や甘い言葉を囁かれて知らない間に足下には抜け出せない底なし沼が広がっていた…
そんな彼等の言葉や遊びは新鮮で、更に男子に可愛いなどと言われ最初は自信のない私にはなかなか響かなかったが、ある日グループの女子にメイクをされて鏡を見た時にこれが私なのかと驚いた…鏡に映る自分の顔は、中学や高校で彼氏や男子達と楽しそうに学園生活を送る私が見てきた陽キャ女子そのものだったから…
その日を境に私はメイクを覚えファッションも周囲の女子に教えて貰いながら自分に自信を持ち始めていた…最初こそ、彼である三日月くんとの時間が大切で楽しくて、皆からの放課後の誘いは断っていたが、この頃には風魔グループと過ごしている方が楽しくて彼とは会わなくなってしまった…
自分に自信を持てたせいか、風魔達の甘い言葉で私の女としての承認欲求はどんどんと肥大していったある時、グループの女子がsexの話をしていた…何処でしたとかどんなプレイをしたとか…そして私にも話を振られてしまい、私は正直に彼とはまだしていないし処女だと話してしまった…
話している途中、中学時代は別に恥ずかしい事もなかったのに、何故か心がジクジクとして鉛の様なドロッとした物がお腹に貯まっていく様な感じがして嫌な感情が渦を巻いていた…
彼女達は、私にそんなに可愛いのに手を出さない三日月が変だとか、子供じゃないのに親の言う事をハイハイと聞いて三日月はおかしいとか次々に彼の悪口を言い出し最後の方は男子も混ざり大騒ぎになっていた…だけど、私は彼を庇う言葉を一言も発せなかった…
私の肥大した心がそれをさせなかったのだ…そして、ここにいる学校でも人気がありモテる男子達に、女としても性的にも魅力があり「フリーなら俺が直ぐにでもしたいくらい」などと言葉を掛けられ同性の女子からも「そうだよ魅力あるから普通我慢できないよ」などと言われ確かに私はさっきまで体内に渦巻いていた黒い物がスゥーッと軽くなるのを感じてしまったのだ…
そして私は、あの日に風魔光に股を開き、そしてそのまま快楽に堕ち、グループの男子にまで股を開いてしまった…その末路が今の私…
家族は成人までは家で面倒を見るが成人したら家を出て行ってもらう、だから学校を退学になったお前には、バイトでも就職でもしてもらい後数年家で過ごす間に、今後の為の生活費を自分で稼ぎ貯めてもらうからな!と言われた…
そして事件後すぐに私は、風魔達の使用していた海外からの日本では違法な媚薬による依存度の検査・その他ドラッグ使用の検査・妊娠検査や性病やエイズの検査を警察で行われ、媚薬に関しては軽い依存症が見られるらしくsex依存症になりかねないとカウンセリングを受ける事に、ドラッグに関しては陰性、妊娠に関してはやはり三日月の言うように妊娠をしていた…そしてAIDS検査結果も陰性だったが性病である梅毒に感染していたらしい…
この結果を受け手両親はさらに絶望し泣き崩れていた…勿論誰の子供かも分からず胎児にも梅毒の感染が考えられるため直ぐに中絶、費用は私への借金と言う形で借用書まで作らされ両親が支払った…それからは、仕事探しに、心療内科に梅毒の治療の毎日…
正直まだ私は一人で外出が出来ない。怖いからだ…。どれだけの人間が私のsex姿を見ているのか…警察の話しによると配信終了後警察による動画削除が行われたと言う話しだが、結局は、どこかの誰かがダウンロード保存していたらそれを投稿そしてそれをまた削除の繰り返しで完全にネットの海から消すのは無理らしい…私は消えないデジタルタトゥーを背負っていかないといけないのだと女性警官から言われた…そしてそれは自らの思慮の浅さで自分が招いた事なのだから諦めなさいとも…
どうにか仕事探しはネットを調べたりする事でできるが、病院はそう言う訳には行かない…父親は仕事を休めない以上パートで都合の付けやすい母親が私の病院の日に付き添いをしてくれる事になったが、母は免許がなく公共交通機関を利用するしかなく私が原因なので嫌だとも言えず通院している…
しかし一ヶ月前通院途中、人の多い駅近くの繁華街を歩いている時に大学生くらいのチャラそうな数人の男性グループにいきなり
「あれれぇ?君ってさ今ニュースとかで大騒ぎの学校のあの配信の子だよねぇ?マジ俺等ついてるわぁ。全然女子ゲットできなくてさ、君って公衆便器なんでしょ?ならさ俺等全員と楽しもうよ?全員超溜まってるから壊れちゃうまでたっぷり楽しめて満足間違いなしだからさぁ?」
「い、いや、私違います」
「えぇ?マスクしててもほらその首の後ろのホクロとか色々似てるし?ってか本人だよね?ほら」
そう言いながら男は仲間からスマホを受け取り画面をタップして街中にも関わらす百華の淫らな動画を再生して百華に見せつけた
「ヤメテ」
「ほら、そんなに焦るって事はさ本人間違いなしじゃん」
百華と母親は男達に知らない間に周囲を取り囲まれ逃げ場を失ってしまった
男達の数人が我慢できなくなったのかいきなり百華の胸を後ろから鷲づかみして揉みはじめ
「本当にヤメて」
振り払おうとするが男の力には敵わずに揉みし抱かれ続ける百華
「警察呼びますよ!娘とその動画なんて関係ないんですから!人間違いでそんな事すれば婦女暴行になりますよ」
母親は娘を助けようと声を上げたがそれがマズかった…
「ハァー?おばさん何?この娘のお母さんなの?ふぅーん…ねぇ?40過ぎてるの?そうだったとしたら全然見えないしエロい身体だよねおばさん?旦那とsexしてなくて欲求不満なんじゃあない?あっ!この娘の母親だしやっぱりお母さんも公衆便器だったりしてぇ!親子丼ゲットってな」
その男は母親を娘と同じく後ろから両胸を鷲づかみして揉みはじめた…だが次の瞬間母親が…
「ふざけるな…ふざけるな…何で私がこんな目に合わなきゃいけないのよ!アンタのせいよ!ふざけるな…ふざけるな…」
母親は狂った様に大声を張り上げながら暴れはじめ、その声に周囲が足を止め、誰かが通報したのであろう人混みをかき分け警官が数人現れ、野次馬に囲まれにげられなくなった大学生達はその場で現行犯逮捕となり、私たちも警察の事情聴取を受ける事になった…
母はそれからなかなか落ち着かず女性警官に付き添われ冷静になるまで私とは別の部屋で休まされていた…
私は事の起こりを話しながら、自分の愚かな行動で自分だけでなく両親の人生も壊したのだと改めて絶望を感じていた…
そう、母親の言うとおり私のせい…お母さんは、ラノベのように引っ越したり、どちらかの田舎に私を送ったりなんて都合の良い展開は現実あり得ない中で、ご近所からの陰口やパート先での居づらさに耐えながらも黙って頑張っていた上に、一人で外出が怖いと甘えてそんな母親を私に付き合わせて通院させてしまっていた…「ふざけるな」か本当にそう思う…
それから、父親が警察に私たちを仕事を抜け出し迎えに来てくれた…母親は車内でずっと黙り込んでいた…そして父親は一言だけ「自殺して逃げる事もお前は許されない、分かっているな」と私に告げた…
あれからも母親は通院には付き添ってくれているが、私は目の前にすら居ないと同じ様な存在になっているようだ…
多分、私にはもう幸せな時間は訪れないのだろうと思う…夢だった結婚して幸せな家族も打ち込んでみたかった仕事も全てシャボン玉の様に弾けて消えてしまった…
そう言えば、彼が昔こんな事を言っていたなぁ…
「自分の身体を切り売りして人にちやほやされるのに何の価値があるのかねぇ?付き合った相手はアクセサリーでもなければ、自分を大きく見せる為のトロフィーでもねぇつうのにさ…童貞だの処女だのに人の価値決めるのなんてよ言っていてみっともなくねぇのかねぇ全く…俺達は俺達のタイミングでのんびりと行こうや」
本当にその通りだったな…三日月くんは私がきちんと見えてなかっただけで本当は大人だったんだな、私は大人だなんて馬鹿だよね…今の私って後の祭りって言うのかなぁ…