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23話 世知辛い世の中だけどよぉ優しさつうのは確かに一握りでも存在してるもんだ 1

今回1話分長すぎて投稿できなかったんで分割投稿します

そうして俺達もこの祭りの会場を後にした…


特別棟を出て校門を向かう間もそれぞれの教室からはまだ喧騒は続いていた……こんな小さな学校と言う箱庭の閉ざされた社会だけですら沢山の裏切りが遊び感覚で行われていたのかと……


そんな風に思考の迷路に落ちそうな時にふぃに声を掛けられた


みなさん、ミカ先輩お疲れ様っす」


声を掛けてきたのは滴の双子の弟の霧隠れ龍二だった。


「おぅ、龍二こそご苦労さん。他の奴等の撤収はどうだ?」


「速やかに済んだっす。それと配信は凄い反応すっね。今頃方々で大炎上なんじゃあないっすかね」


「そっか、無事撤収できたなら良し!まぁ炎上どうのは外道達の因果応報って事だ。それに、今回の事がなくても、いつかは報いを受けてたかも知れないけどな……」


「ただ……報いをいずれ受けたかもとは言えそれはあくまで法律の範囲でだ。そこに引っかからずに闇に葬られたままの被害者も沢山出ていたかも知れない。そして、外道っつうのは、年少や務所から出て来た事を勲章みてぇに悪ぃ仲間集めて自慢して反省なんてしちゃいねぇ。それで本当に報いを受けたって言えるのかねぇ?俺はそうは思わねぇ……今回の様に公に晒されネットみてぇに一生消えねぇ事実背負って生きて行く方がよっぽど釣り合った罰だと思うぜ」


「何が言いてぇかっつうと恨み買って殺されちまわないだけマシなんじゃあねぇかって思うんだよ。罪は背負って生きてかなきゃいけねぇけどよ死んだつもりで這い上がる事だってできんだからよ…生きてくのも辛いのは確かだろうがな。どっちにしても本人次第だけどな」


「そうっすね、半端な罰より徹底的な罰を受けてそこからどうするかはソイツ次第すっよね結局は」

「ミカ先輩はやっぱ凄いっすよね」


「龍二?凄いとかじゃあねえぞ。勘違いすんな、俺はテメェ!が許せねぇと思ったから動いた………でもそれは、法律から逸脱した方法でだ!結局は、俺は悪党で非合法な事してんだ……世直しみてぇなキレイ事で動いてる人間じゃあねぇんだよ……立派っつうなら鬼島のおっさんみてぇに法では、どうしようもねぇ現実の壁に打ちひしがれながらも法律の中で必死に働いてる方がスゲェさ…」


「はい…すいませんでした軽々しく変な事言っちまって」


「なんだなんだ?三日月!お前さんちゃんと理解してんだな!なら俺からお前に言う事はねぇんだが、一つ訂正だ、俺もお前と同じさ…全く凄くなんてないさ、こうして法律破る片棒かついでるしな 笑。今のテメェ!の考え方忘れんな!忘れなきゃ道は踏み外さねぇさお前さんは。それに、お前さんの周りには善い大人がお前さんを見守っているしなアハハハッ」


鬼島は笑いながら三日月の背中をバンバンとたたいた


「で、この後はどうするんっすか?リリィさんからは、今夜はみんなでウチの店で打ち上げよ♥って伝言されちゃったんすけど」


「アハハハッ…そっそうか…仕方ねぇ。なぁ、みんなこの後なんだけど、リリィさんからお店でみんなで打ち上げしようって伝言あったんだけど、どうする?」


俺の問いかけに各々が答えた


「おいおい、俺は誰かさんのおかげで今夜は家に帰れねぇんだけどな!王子様よ!リリィには未成年に手を出したらしょっぴくからなって言っておいてくれ 笑」


「ねぇ?オッサン?気になってたんだけど、なんでミカ先輩は女性警察官から不良の王子様って言われてるの?」


「鬼姫それはな、ウチの女共は強面の顔なんて見慣れてるわけだ。三日月は強面だけど普通に実は超イケ面だろ!女性警察官からしたら年下の可愛いイケ面にしか見えてねぇって事らしいぞ」


「エェェェー、ミカ先輩年上キラーだったなんて」


「おい!黙って聞いていりゃあ…滴のせいでほらコイツまで…テメェ!龍二ニヤニヤとしてんじゃあねぇぞ!でっ二人は行くのか?」


「勿論参加で」

「で、オヤジ達と虎ジィは?」


「俺は校門に夜空が待っているだろうし、どうせアイツの事だから参加するって言うだろ。つうか、自分たちの息子が参加して親が参加しねぇなんてありえんだろ」


「わしも参加じゃ。理事長も遠慮せんと行くぞ!いいな」


「でも私は…」


!ほれ!ウジウジせんで来い!」


「はい、分かりました」


「と言うわけじゃミカ」


「じゃあ、全員参加だな。ヨッシャァー!後夜祭いきますか!!」

俺は皆に聞こえない程の小さな声で…

「本当にこの人達は…ありがとな…」

そう囁いて空を見上げた…

「ミカ先輩、何してるんですぅ!早く早くぅ、おいてっちゃいますよぉー」


その声に誘われ俺は皆の背中を追いかけながら、校門へと一歩一歩向かい歩き出した…

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