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22話 線香花火の儚い火花みたいに思いっきり笑って生きていきてぇもんだ

今回は、警察の鬼島と三日月と滴の三人の掛け合いで少し重い空気を軽くしてくれているお話です。

鬼島は、中学時代の三日月や滴と関わっていた設定です。

他、理事長や父親の蒼月や虎鉄も出ています

室内は、祭りのフィナーレの花火が終わり人の波が一気に引いて行く光景を思わせるように、また一人また一人と両親に連れ出されて退室して行く姿が見られる…


、扉の手前では校長・教頭・参加していた女性教員が理事長に連れられ鬼島のおっさん率いる警察へ引き渡しをされていた…


校長は往生際悪く理事長に掴みかかり何かを喚き散らかし、教頭はそんな校長にバスタオルを被せられた姿のまま校長を罵っている…参加していた女性教員何人かも、教頭と同じ様な格好のまま顔色を真っ白にして放心状態でその場に立ち尽くしている…


少しすると全員は女性警官と男性警官に手錠をかけられその場から連れ出されて行った…


静寂を取り戻しつつある室内にカチャッと言う手錠の冷たい金属音が響き、祭り終わりのもの悲しさを感じさせた…


そんな風な事を考えていると、鬼島のおっさんと理事長が近づいて来た


だが、いきなり背後から背中をバシッと叩かれ俺は驚きに周りをキョロキョロとすると戻ろうと向かっていた方向で、オヤジと虎ジィがニヤニヤしているのが視界に映りさらにキョロキョロと視線を彷徨わすと俺の死角に後輩である霧隠れ滴の姿があった…


「アハハハハッ、ミカ先輩何ボーッとしてるんですか?間抜けな顔してましたよ!しかも攻撃されて直ぐに私の事見つけられないし」


「そんな腑抜けでビシッと落とし前付けてこれたんですか?」


「あぁ?誰が腑抜けだコラッ!おい!この口が悪いのか?アン!それとちっちゃすぎて見えなかっただけだコラッ」


と三日月は、滴の量頬を抓り上げながら恥ずかしさを隠しながら悪態をついた


「フガッフガッ…ヒャレがヒッヒャィヒャヒョラッ!」


「何言ってるのかなぁ?わかりませーんぞ」


そんな事をしていると背後から


「おぅおぅ?善いご身分だよなぁ三日月?イチャイチャなんてよぉ?」


「アァ?誰がイチャイチャだコラッ!ってかオッサン!」


「たくっっ!オッサン!じゃねぇよ!鬼島さんだろうがコラッ」


「それにしても、初代と二代目がお揃い…しかもイチャイチャしてるとはなぁ?こりゃあ地元に戻ったらパトロールついでにアイツらに報告してやらんとなぁ」


そんな事を言いながら、鬼島はニヤニヤと二人を眺めていた…


「ふぉい!フォッファン!ファフェフェンホォファ!」


「おい?三日月?この眼鏡っ娘小学生は何を騒いどるんだろうな?」


「おう、多分…おい!おっさん、なめてんのかコラッ!じゃあねぇの」


「そうかそうか…ほら駄目だぞお嬢ちゃん、ここは小学校じゃあないんだぞ迷子になったのかな?」


「ぷっプププ…アハハハハッ」


俺が我慢できずに吹き出すと、鬼島も一緒についてきてやり取りを見ていた理事長も大笑いし始めた


笑われた滴本人は三日月の抓る手から抜け出し頬を膨らませながら手でスリスリと抓られた頬をさすりながらこちらを睨み付けていた…


「ミカ先輩酷いですよぉ!心配して空気変えようとちょっとしたお茶目じゃあないですかぁ!お義父さんと虎ジィが気合い入れてやれってお墨付き付けて送り出してくれたのにぃ!まったく!」


「それと、何なんですかぁ?おっさんと先輩二人してからかうなんて」


「悪ぃ悪ぃ、滴」


「すまんすまん、お前達二人が揃ってるわ、すげぇいい顔してるもんだから嬉しくてついからかいたくなっちまってな…でもよ、あの鬼姫様と三日月が雁首揃えて楽しそうにじゃれ合ってるとわねぇ…」


「鬼姫はやめてぇー!オッサン!」


「ちっちゃな姫様みたいな癖によ、鬼みたいに強いんで鬼姫ってピッタシじゃあねぇか。それに俺達警察が付けたわけじゃあねぇんだし、そんなにムキになるなって。からかったお詫びによ、三日月が青少年課の女性警察官からなんて呼ばれていたか教えてやるからよ 笑 三日月本人も知らねぇんだぜ 笑」


「マジで?」


「マジもマジ!ウチの署内の女子ならみーんなそれで通じちまうくらい有名なんだぜ」


「おい!おい!おっさんも滴も、ほら、理事長が待ってんだからくだらねぇ事はいいから、本題に入れって、なぁ?マジで簡便してくれ、自分の知らない所での呼び名なんて…」


「ほらほら、警察官は市民をからかっちまったからには、きちんと謝罪しなきゃあだからよ 笑 でですね、滴さん、三日月くんは、不良の王子様とか呼ばれてるんですぜ!中にはプリンスとかもありましたなぁーこれで許して貰えますかねぇ?」


「プッププププ…許してしんぜようプププ…」


「ハハァー、有り難き幸せ」


そんな三人のやり取りを見ながら理事長が


「三日月くん、三人は仲が良いんだね?驚いたよ。警察とヤンキーは敵対のイメージだったから」


「いやいや、俺自分でヤンキーとか名乗ってないですし、格好は自分の好みでしてるだけですし、別に好きでトラブってるわけだったり喧嘩もしたりしていた訳じゃあないっすから本当に」


「すみません。理事長さんを放置してしまって。つい懐かしくて…そうですね、三日月はお節介なんですよ、だから知らない間にトラブるの中心になっちまっていて、しかも腕っ節が強いんで火の粉振り払っていたら今度は強いからと狙われたり、挑戦されたりして、で有名人って感じになった奴なんですわ。」


「そりゃあー力を誇示したい奴等や自らのイライラをぶつけてイキがってる程度じゃあ、コイツにはかないませんし、コイツの魅力にやられちまうんですよ知らない間にね」


「っとそんな事より待たせてすいません。どうやら、あっちの二人もこちらに合流みたいですし本題といきましょう」


その鬼島の言葉に視線を横に向けると、オヤジと虎ジィがこちらに来ていた…


「おい?三日月。お前あのジィさんと知り合いなのか?オヤジが知り合いとかではなくてよ」


!あぁ、オヤジも勿論知り合いだが、俺も中坊の時にな」


「はぁ、お前達親子はとんでもねぇな」


「ちょっ何だよそれはおっさん?」


「いつかわかるさ…揃ったみたいだし話を始めようか…」


まず口を開いたのは鬼島だった


「さっき見ていたと思うが、彼等は逮捕された。使い込みや様々な問題隠蔽、わいせつな行為などでだ。余罪もまだ出てくるだろうし関係者も広がるだろうな。そして、男子生徒内にも主犯の風魔光以外にも、その尻馬で婦女暴行や脱法ドラック使用や恐喝などをしていた生徒数名を逮捕、女子生徒も売春行為ややはり媚薬と称したドラッグ使用で数名を逮捕と言う流れになった。正確な人数はまだ言えんから数名とさせておいてくれ…。

でだ、となると今後の学校なんだがな…」


続きを話そうとする鬼島の言葉を制し理事長が口を開いた


「この状況は、校長を筆頭に教師を信じて口を出してこなかった私の責任がとても大きく重大だ。だからと言って辞めて賠償などに専念では償う殊にはならないと思っている。学校を編入してしまう生徒も増えるだろう、来年の入学希望は0かも知れない…だが私は数年後この学校が無くなったとしても最後まで足掻き償いたい…最悪現在在学中の生徒全員が卒業するまでは潰させない…被害者生徒には私の個人資産を処分したものや使い込みなどの裁判で請求回収したお金などを当てながら時間がかかろうと償うつもりだ。ネットに流れると言う事は生優しい現実の一欠片も残さないと理解した上で、君たちに協力をしたからね。だから人生を賭けて頑張りたいと思っているよ」


そんな真剣な理事長の言葉に一人一人が声をかけた


「弁護士として、理事長アンタと学校をサポートさせて貰うから安心しな。アンタ一人じゃあないからよ」


「そうじゃて、あまり気張り過ぎんでいいんじゃ、お前さんの覚悟は分かったんじゃがの、金はお前さんが最低限健康的に暮らす為にも必要なんじゃからのぉ?お前さんが無理をし過ぎて極貧生活で身体壊したら道半ばでその思いは潰えてしまうんんじゃからそこをわかっとるか?でじゃ、金はワしが援助してやる、その金はお主への借金じゃ…返済は利子無し、今お前さんが口にした償いを完遂させる事で返済完了じゃ」


「ジジィが気の効いた事しやがって」


「フフフッ金なんぞは持っているのが重要ではなく何処でそれを使うのかが大事なんじゃよ…それに地獄に金なんぞ持って行けるわけじゃあないじゃろフォホホホホッ」


「そうじゃ言い忘れたが、風魔小太郎はワシノ下で働くそうじゃ、そしてこの学校に役立ちそうな人材を探してくれるそうじゃ」


「理事長、俺も滴も滴の弟の龍二も、卒業まで宜しくお願いします」


「いやぁー不良の王子様はやっぱ最後にイイコト言って締めてくれますねぇ!その勢いで元カノにもビシッとキメたんですよねぇ? 笑」


「テメェ!滴!誰が王子様だ!それと言われなくても、外道は叩きつぶしたわ!」


!さすがですぅ!お・う・じ・さ・まん♥」


滴のそんなふざけた言葉に全員が吹き出し大笑いの中、理事長は涙を流しながら「ありがとうございます」と何度も呟いていた…


そして、知らぬ間に服部百華も両親に連れられ退室したのかこの場には俺達の最後の線香花火の様な笑い声だけが響いていた…

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