16話 祭りの後っつうのは物悲しくて名残惜しいが後の祭りっつうのは味わいたくないもんだよな3 やられっぱなしは性分じゃあねぇんだわ
今回新キャラ
三好 葵 (みよし あおい)
チョイキャラですが、三日月・滴・龍二の地元の後輩になります
書き上げてかなり長くなり仕方なく2話に分けて投稿になります。すみません
フロアー内……しゃがみ込み泣き喚く者。放心状態の者、自分は悪くないと怒号を叫ぶ者、醜くも他人に責任転換し罵倒し合う者…‥まさに地獄……
そんな光景を三日月と滴は冷ややかな目で見つめていた。
そしてその喧騒を殴りつけるかの様な一喝がフロアー内に響いた
「オメェ等!ガタガタとウッセぇわ!今更みっともねぇったらありゃしねぇ!」
「今まで、好き勝手にやらかしてきたツケが返って来ただけだろうが!悪ぃのは他の誰でも、社会でも、大人でもねぇオメェ等自身だろうが!」
喧騒は静寂に変わり、言い返せない各々がフロアーの所々で硬く口を結び悔しさを滲ませていた…
しかし、こんな現実を突きつけられていても、どこまでも馬鹿な奴や自分本位の人間というのはいるものでどさくさに紛れてフロアー内の幾つかある扉へ数人の集団が駆け出し逃げようとしていた
三日月と滴は何を言うわけでもなく、追いかけるでもなくそいつらの自由にさせた
だが、扉に手を掛け開いた次の瞬間、愚か者達は知る…
先頭の奴が扉を開け放った次の瞬間、先頭にいたはずの奴等が後ろへと吹っ飛び背後からついて来た奴等を将棋倒しにしていった
扉の向こうに立っていたのは、黒一色に染まった烏のような集団、全員が少しずつ違う様相だが、最近では制服として見られなくつつある学ランに似た服を纏っている
その集団は、三日月達の後輩達であった…
倒れている奴等に三日月は
「見苦しさもそこまで行くと清々しいもんだな!テメェ等!逃がすわけなかろうが!アッン!」
「そこで、震えながらテメェの罪でも数えておけ!」
と容赦の無い言葉を浴びせる‥そんな中、扉前の先頭に立ち洋服には派手な刺繍をした女子が間の抜けた声でこちらに声を掛けてきた
「滴先輩、ちぃーっす!こちらは任せて下さい!誰一人逃がしませんから」
「悪いわね手間かけちゃって葵。お礼は例のあれでいいわよね?」
「は、は、はい♥マジいいんすか?お願いします」
二人の会話に三日月は自分が手伝って貰っているのに、滴に礼を用意させるのは悪いと声を掛けたのだが
「滴、礼なら俺がする。で?あの派手な刺繍娘が欲しがっている例のものって何だ?言ってくれ」
「えっえっえっと、とりあえず、あの娘は、三好 葵と言って私の後を継いで地元を現在まとめている子です。ミカ先輩の後継者って事になります」
「あのな…俺は、別にチームだのなんざ中学時代作った覚えはねぇんだぞ?知らねぇうちに遊び仲間や喧嘩仲間が増えてて、連むのが楽しいから連んでたってだけなんだしよ。滴、お前が後継者って言ってんのもピンッと来てなかったくらいだしな」
「で、あれだろ?龍二の影の方は、俺がトラブるシューターみたいな事を毎回知らない内に巻き込まれやらなきゃいけなくなってたときに協力してくれてた情報屋の奴等だよな多分?」
「それとな、テメェが好きでしていた格好だから何とも言えねぇんだが、あの集団完全に俺のコスプレ集団みたいで死にたい程、恥ずかしいんだがなぁ?滴さんよ」
「オメェじゃあねぇよな滴さんよ?お揃いにしたのって?」
滴はそっと三日月から視線を逸らし、冷や汗を掻きながらとぼけを貫いていた
「はぁーまったくよ。まぁいい!でっ?葵って言ったか!礼は何が欲しいんだ?滴の奴、惚けて話さねぇからよ!俺に出来る礼ならすっから言ってみ」
「ほぉわい!いいんでしゅか!で、で、は、デートを所望しましゅ」
「はぁ?デートってオメェな?仮にもダ!NTR真っ最中の俺に、デートを所望って、たいしたぁもんだな、滴の後輩はよ。大物だなオメェは!」
「そんなもんでいいんなら終わったらデートしてやっから!ただその派手な刺繍で来んじゃあねぇぞ!俺はそんな派手はでな刺繍なんぞしてなかったからな」
「ほぁい!ヤッタ!ヤッタ!」
「あ、あ、葵!ミカ先輩の盗撮写真を家宝にするからくださいとか言ってただろうが!アァッン!デートだと!私だってデートなんてしたことないのに!ムキイッー」
「滴ぅ!盗撮写真って、てめぇ!」
「アハハハハッっ……」
場にそぐわないやり取りをする三人を引き戻したのは光の声だった
「ふざけるな!ふざけるな!配信だと!ハッキングだと!ふざけるな!陰キャの分際でぇぇぇ!お前は一体何なんだよぉ」
癇癪を起こした子供のように喚き散らす光に三日月は
「お前は一体何なんだってか?オメエが一番よく知ってんだろうが」
「馬鹿な男に彼女をNTRされただけの陰キャってぇ奴なんじゃあねえかでもな、一つだけ普通の陰キャとは違うのはな……」
「やられっぱなしは性に合わねぇんで……」
「きっちりと落とし前付けさせて頂きます!!!」