おまけ
・・・なんだ、これは(笑)。
この異世界が乱れる時、康治と嫁たちの戦いは続くのかもしれない。
おしまい・・・っと。
大介はキーボードを叩く手を止め、コーヒをぐびりと飲んだ。
「ふう」
達成感と寂しさが入り混じった、なんともいえない感情が彼を襲った。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
「ん?ここは?」
大介は目を覚ました。
「ふふふ、特製の眠り薬の効き目はいかが?」
「お前は・・・エスメラルダ・・・へっ!」
「よう作者様よ!」
「康治・・・なんの所業だっ!」
「?なんの所業ですって、あなた胸に手をあてて、考えてみなさいよ」
「・・・ポラン」
「アタシ達のスピン作品、途中でエタってるんじゃないよ!」
「私たちの2シーズン返しなさいよ」
「シャロット、莉子・・・すまない。評判というか、評価というか、耐えきれずに・・・申し訳ない」
「貴公は、自分の信念より、周りの評価が大事というのか?実に滑稽だ」
「・・・アーサー、そんなことはない・・・ただ俺は」
「・・・俺は・・・ボクは評価がもらえなくて、作品を打ち切りました・・・ってか」
「・・・エマ」
「聞けば、私たちのスピン作品も100話くらい予定していたそうじゃないですか」
「そう、聞きました」
「・・・ライヤ、メイヤ」
「結局、同じ理由で同じことをしたのよね」
「アリス・・・でも完結まで書いたじゃないか」
「とどのつまり、あなたは見えていなかったのですう」
「ヒルダ、それはどういう」
「作品の旬を見誤り、自分の我を押し通し四面楚歌へと陥った」
「・・・ケイ」
「アタクシたちの活躍は本編に集約されていた」
「エリザ」
「にもかかわらず、自己未練の為に、物語を続けた」
「・・・アリエル」
「我等を愛おしむ気持ちは分らぬでもないが」
「・・・デュランダル」
「伸ばし過ぎましたね」
「ララ」
「これもまた経験・・・あなたにとっても私たちにとっても苦い経験」
「イシュタル」
「しかも、お前」
「・・・康治」
「この前編後編を、水滸伝みたいな、膨大な話にしようとしていたらしいな、身の程知らずが」
「すまない」
「諦めたんですね」
「・・・ポラン。ああ、このままいっても、独りよがりの尻すぼみだということに気がついてしまった」
「ようやくか」
「ああ」
「そうですか・・・」
「自分なりに、キャラの思い入れは消化したつもりだ。だから・・・だから、前へ前へ行かなくっちゃな」
「そうだな」
「そうですね」
「だけど、お前には感謝してるぜ」
「ありがとう」キャラ達が言う。
「みんな」
「・・・だけど、その前にケツバットな」
「いやん、いけずう」
パチパチパチ(キーボードを叩く音)
「ふう」
大介は一息をつき、続けて、ありがとうと書いた。
聖なる夜に乾杯。
このシリーズはとりあえず、ひとつの区切りですね。
ありがとうございました。