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虚無戦史  作者: MIROKU
守護者(ガーディアン)編
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クリスマスを祝福せよ!の巻!2

「クリスマスを祝福するために来たのよ」


 はにかみながらローレンは言った。


 彼女は性格きつめだが、ハロウィンの守護者ガーディアンだ。


 ハロウィンの時期には世界中の富を動かす存在であり、また「レディー・ハロウィーン」の末裔である。


 かつてハロウィンの夜には「この世」と「あの世」が繋がり、無数の妖魔が現世に溢れ出てきたのだ。


 その妖魔から人々を守るために戦ったのが「レディー・ハロウィーン」であり、ローレンの家系は代々女性しか産まれない。


 余談ながらローレンの始祖は男性で「ラグナロク」という神秘の鎖を振るって、吸血鬼ハンターとして活躍したという。


「世界中をクリスマスの明るい光で祝福するために、一肌脱いだんです!」


 真っ赤なマイクロビキニ姿のゾフィーは微笑した。


 かつては人間で、ローレンのボディーガードを務めていたゾフィー。


 彼女は死した後に改造手術を受け、無敵の「フランケン・ナース」として蘇った(※「レディー・ハロウィーン」第74話参照)。


「ニャガニャガ、いい心がけですね」


 精神マンは素直に感心した。女性に興味のない精神マンだが、ローレンとゾフィーの心意気は好きだ。


「シャバババ~、流石だな」


 眼マンもまた感心したようだ。彼の一つ眼は真実を見抜く。その眼マンが見抜いた彼女達の真意は「愛」だった。


「…………」


 白銀マンは無言で二人をガン見していた。


 サンタに扮したローレンの、スカートから伸びた長く細く白い脚線美。


 水着サンタに扮したゾフィーの、抜群のプロポーション。


 邪なる思いを抱いて白銀マンは二人を注視した。これも数億年に渡り彼女がいなかった反動だろうか。


 そのわりには、マッスル族という子孫がいるのだから、白銀マンは謎多き男である。


「……ツアッー!」


 白銀マンは煩悩を爆発させ、ローレンとゾフィーに突き進んだ。


「お、おい、白銀シルバー!」


 正義マンの制止も白銀マンの耳には届かない。


 ローレンとゾフィーに魅了された白銀マンは、混乱していた。


「な、何よおー!?」


 ローレンはシンプルな性格、向かってくる白銀マンへミドルキックを放った。


「ツアッー!」


 白銀マンは「肉のカーテン」ではなく、「パーフェクトディフェンダー」の構えで、ローレンのミドルキックをガードする。


 細身のローレンが繰り出したミドルキックは、彼女の外見に反して数トンの破壊力があった。


 だが、それでは白銀マンら商人しょうじんに――


 ましてや始まりの商人しょうじんである完璧商人始祖パーフェクトオリジンの一人、白銀マンには通用しない。


「なかなかやるわね!」


 ローレンは素早く身を離しながら構えたが、色気に狂った白銀マンにドン引きした。


「お、お嬢さーん、僕とお茶しませんかー!」


 白銀マンは捨て身のフライングボディプレスで、ローレンに飛びかかった。


「うわ……」


 ミニスカサンタのローレンは、今度こそ顔を蒼白にした。心底イヤそうだ。


 ――ガシィ!


 ローレンの前に立ちふさがったゾフィーが、片手で白銀マンのボディプレスを受け止めた。


 220cm、162kgの白銀マンのボディプレスを、いかに人造人間といえど、ゾフィーのような線の細い美女が軽々と受け止めるとは。


「悪い子にはお仕置きですよー!」


 ゾフィーは白銀マンの巨体を、立てた己の膝に落とす。


「パワフル・ナース・バックブリーカー!」


「うごは!」


 背骨が折れそうな衝撃に白銀マンはうめく。だがゾフィーの猛攻は止まらない。


「これはサービスです!」


 ゾフィーは前方へ白銀マンを放り投げた。


 放物線を描いてリングの方へ飛んでいく白銀マン。


 それをゾフィーはユサユサ揺らし(何を)ながら、追いかける。


「フランケン・ナース・ボンバー!」


 ゾフィーの新技、細腕から繰り出された剛力ラリアットが空中の白銀マンへ叩きこまれた。


 たまらず白銀マンの体が再びリング上に戻る。


「久々の登場ですから、がんばっちゃいますよ! えっへん」


 ゾフィーの圧倒的な女子力(※ヒロイン強度7,800万パワー)は次回へ持ち越されそうだ。

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