クリスマスを祝福せよ!の巻!
クリスマスは近い。
それは主の生誕を祝う日である。
サンタクロースが子ども達へプレゼントを配るようになったのは、いつからなのか、それは今一つわからない。
ただ一つ言えるのは――
サンタクロースである「白銀マン」と、ブラックサンタの「黄金マン」が、命がけで世界を祝福する日だという事だ。
「メリークリスマスッ!」
白銀マンはトレーニングセンターのリングでスパーリング中だ。相手は実の兄でもある黄金マンだ。
「メリークリスマスウ!」
黄金マンは白銀マンへミドルキックを放った。
白銀マンは左手のシールドでガードするが、それでもコーナーまで吹っ飛ばされた。
二人のスパーリングをリング外から見守るのは、朋友である商人達――
「完璧商人始祖」の仲間達だった。
「メリークリスマス!」
一つ眼の商人、眼マンは二人へエールを、いやクリスマスを祝福した。
「メリークリスマース!」
完璧商人始祖の一人である精神マンもまた、クリスマスを祝福した。
彼は愛する白銀マンのためには、消滅すら覚悟していた。
「メリークリスマス!」
正義マンもクリスマスを祝福する。かつて彼は黄金マンと白銀マンを決闘させてしまった。
その後悔と罪滅ぼしのため、正義マンもまた二人のために死ぬつもりだった。
「メリー苦シミマース!」
リング上の白銀マンは、エルボーの連続で黄金マンへ果敢に攻めこむ。
そして、その時だ。トレーニングセンターに魅惑の天使が現れたのは。
「メリー、クリスマース!」
サンタに扮した欧州系美少女ローレンがクリスマスを祝福した。彼女もまた概念や存在の意義を守る守護者「レディー・ハロウィーン」だった。
「メリークリスマス☆」
水着のサンタに扮したゾフィーもクリスマスを祝福した。
ローレンに仕える忠実な侍女にして「フランケン・ナース」であるゾフィー。
彼女の笑顔とスタイルは一級品だ。無数の縫合痕が走る土気色の肌が痛ましいが、彼女の真っ赤なマイクロビキニに男性達の視線は釘付けだ。
「ツアッー!」
白銀マンもゾフィーの艶かしい肢体に目を奪われた。
そんな白銀マンへ、黄金マンはハイキックをお見舞いしてダウンさせた。
「祝福しろ白銀マン!」
黄金マンは情けない弟を見下ろし、ため息をついた。