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虚無戦史  作者: MIROKU
守護者(ガーディアン)編
3/143

人類の未来を守れ!の巻!

 海母神さまは世界を見回し、嘆息した。


「今年も命が……」


 海母神の目元に涙が光った。今年も多くの命が失われた。


 それは新たなる命の誕生をも意味している。今年に入って産まれた命は多い。


 病魔がこの惑星に蔓延した時も、その前年に多くの命が失われた。


 彼らは死して病魔そのものと戦うために、想念・思念の世界へ向かったのだ。


 ならば今年に死した者達の魂も、いずこかへの戦場に向かったのだ。


 子どもの未来を守るために。


 人類の四百万年(※あるいは五百万年とも)の歴史は、命を守り、未来へつなぐ意思によって紡がれた。


 今また死して肉体を捨てた者達が、人類の使命を全うせんとしている……



   **



 あの世では現世を目指す女性達が、川の側を駆けていた。


 彼女達は子孫の危機に、死後の安らぎを捨てて現世を目指していたのだ。


 外見は少女から妙齢まで―― 彼女達が最も輝いていた姿となり、そして現世を目指す。


 女性の愛は無限だ――


「さて、わしらはわしらの仕事だ」


 ソンショウという導師風の男は仲間と共に、戦いへ向かおうとする。


 彼は病魔が蔓延する前に突如、即身仏の修行を開始し、そして成し遂げた。


 彼の真意は彼のみが知る。ソンショウはあの世で病魔を討つために、即身仏となったのだ。


 そして今また新たなる脅威へ立ち向かわんとしていた。


「行くか……」


 ソンショウは傍らの少女へ微笑みかけ、手を伸ばした。


 少女は一度、現世へ戻った後、再びソンショウの導きであの世に舞い戻った。


「がんばらなくちゃね! ひ孫ちゃんのために!」


 少女はニッコリ笑った。少女はひ孫のために、あの世で戦う決意をしたのだ。


 未来を守るために。


「さあ行くぞ!」


 ソンショウは少女と同志を率いて、闇の彼方の悪しき空間へ戦いを挑んだ――

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