クリスマスへ向けて!の巻!
人間の意識の及ばぬ世界で、守護者の戦いは続いていた。
ハロウィンの夜に現れた魔物の群れは「レディー・ハロウィーン」のローレンと、侍女の「フランケン・ナース」ゾフィーによって蹴散らされた。
「久々の出番ですね!」
ナース服に身を包んだ人造人間ゾフィーは、久々の出番に緊張していた。
「あなたの軽さが、ちょっとねえ……」
欧州系美少女のローレンはため息をついた。性格はきつめだが、秘めた慈愛は聖母のごとし――
魔女のコスプレ(※実は「レディー・ハロウィーン」としての正装である)をしたローレンは、ゾフィーと共に虚無の彼方を見据えた。
ハロウィンの戦いは終わったのだ。
そしてまた来年の戦いが待つ――
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そして、クリスマスへ向けて完璧商人始祖も動き出す。
人知を越えた力を有し、世の経済を司る超人である「商人」――
その商人の「始まりの十一人」だ。
彼らもまたローレンと同じく、人々を祝福するために世の経済を司る。
「ツアッー!」
白銀マンはスパーリング中だ。
最北の白き世界の中で、白銀マンは眼マンと精神マンの二人を同時に相手にする。
「シャババババ~、死力を尽くせ白銀マン!」
眼マンは巨体に似合わぬハイキックを繰り出した。白銀マンは左腕のシールドでガードする。
「ニャガニャガ~、油断したら死にますよ~! サーベルサンダー・スコール!」
精神マンは呼び寄せた雷雲から降り注ぐ雷光を、白銀マンへ次々に投げつける。
「ツアッー!」
白銀マンは「パーフェクト・ディフェンダー」の構えで、雷光の雨を駆け抜ける。
世界中の子どもを祝福するサンタクロース……
その正体こそ「完璧商人始祖」である白銀マンなのだ。