女剣術士アキと呪われし禁断の技法
ファンタジー・・・書こうとすると脱線する。
やはり原点は暗いファンタジー
タイトルは ハリー〇ッターの影響ではございません、偶然です。
ある国に秘剣を自在に操る女剣術士がいた 名をアキという。
その秘剣は先祖代々受け継がれたもので、常人には到底模倣する事が不可能と言われていた。
その理由は引継ぎ、伝承方法にある。
アキの父はリュウという剣士であった。
リュウは妖魔から世界を2度救った救世主でもあった。
リュウの秘剣の威力は一族の歴史の中でも群を抜いており、見るものを驚かせた。
その秘剣は閃光のように一瞬で相手を倒す事が出来たのだ。
居合切りの構えから、柄に手を置き、光りの如き速さで敵を斬る、その太刀筋や動作は常人では見えないどころか、
衝撃と音だけが唯一の威力の証となっていた。
アキは父リュウの秘剣は見たことがない、がその術を持って生まれている。
その伝承方法は命を掛けて、子供に残すという禁断の技法であった。
つまりアキはこの世に生を受ける前に、母親のお腹の中で、胎児の状態で秘剣を受け継いでいる、ということである。
胎児への伝承の儀が一族によって執り行われ、リュウはその秘剣の技を子に託す制約を結んだのだ。
そしてアキが誕生したその瞬間に、禁断の技法の呪いにより、リュウの命は奪われたのである。
最後の仕上げが父親の命を掛けるというもう一つの制約にあるためだ。
これによりこの秘剣は禁断の技法で代々受け継がれてきたのである。
一族の血と父親の命を掛けて子に繋ぐこの秘剣はアキで18代目を迎えていた。
リュウの残した遺言、一族の歴史、を幼き頃より譲り受け、アキは29歳 リュウがその使命を全うした30歳まで後1年を迎えようとしていた。
アキは自らの使命を呪い、それを封じ込めるように剣の道に明け暮れた。
そして自らの命を載せる刀にも拘りを持ち、幾つかの名刀を持つ収集家でもあった。
刀剣商人をする傍ら、そんなアキに想いを寄せる男が居た、名をゲンという。
ゲンはその秘剣、伝承の、禁断の技法の呪いを知っていても、アキと結婚したい、そう思っていた。
自らの命を掛けて、秘剣を子に伝える、その意思を持ってアキに婚姻関係を申し出た。
アキは泣いた、己の人生、家系を恨んでいたがゲンに救われた。
ゲンのために子を授からなくても良いのではないか、とすら考えていた。
ゲンは違った。 世の中の為、混乱の世が訪れた時のため、秘剣は遺すべきと考えていたのだ。
やがてアキは子を身籠り、一族が知る事となった。 そして禁断の技法による伝承の儀が執り行われる事となった。
アキは全てを拒んだ、が一族がそれを許さなかった。
伝承の儀ではアキがお腹の我が子にその技を伝え、父親の命を捧げる事が制約された。
そしてゲンは覚悟を決めて、新しい子が生まれる日を待った、そして父親として自らの命を捧げる日を心待ちにしていた。
日に日に大きくなるアキのお腹、自らの死期を悟り、健気に尽くすゲン。
アキの陣痛が始まり、いよいよ子が生まれる瞬間が近づいてきた。
いよいよ迫る死を前に、ゲンは子の名前をレイ、と名付ける事とした。 男の子でも女の子でも良いように、・・・と。
アキは泣きながら我が子を産んだ。
生まれたばかりの赤子は鳴き声と光に包まれた。
・・・次の瞬間、刀鍛冶のイケメン、ヒロという男の命が奪われ亡くなり、
ゲンは生きていた・・・・。
胸糞わるくなった御方、申し訳ございません。
現代のドロドロ話、あるあるをダークファンタジーに載せてしまいました。
このあと一族を2つに分けて、争いが始まってしまいそうです。
変な感じにして登場人物にごめんなさい、と言おう。