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2話



「……ふぇ……!!?」



今…、この黒猫面さん、何と言いました…?

白豚聖女ですよ?見ず知らずですよ?



「僕のお嫁さんになってくれたら、毎日美味しいものが食べれますよ!」



「なります!!お嫁さんでもなんでも!!」






……。

勢いって怖いよね──。


黒猫面さんに連れられて、山道を歩く。


黒猫面さんは、クロと名乗った。お面そのままの名前ですね。



食べ物をくれる人に悪い人は居ないはず。

きっと大丈夫よ!!


自分に言い聞かせながら、クロさんの後ろを歩く。



「もうすぐだから、頑張って下さいね、メルル!!」



浮かれたような声で話すクロさんの表情はお面の下で読めなかった。


山を下った頃には日は暮れていて、私の体力も限界だった。

いや、頑張ったわよ、私。ここまで歩けた自分を褒めたい気分だった。



「メルル、ここですよ」



そう言って連れられたのは、森の麓にある大きなお屋敷だった──。


ここが…クロさんのお家─…。


山小屋とか想像していたので拍子抜けてしまった。



「お、お邪魔します!!」



大きな門を潜ると、クロさんは首を傾げる。



「他人行儀ですねー。お嫁さんでしょ?『ただいま』ですよ!」



お嫁さんという言葉にどきっとしてしまうが、ここは家主に従おう。

意を決して…



「た…ただいま…」



そう言うと、クロさんが頭を優しく撫でてくれた。


ああ、故郷の祖父母を思い出します。懐かしい、くすぐったいようなこの気持ち。




「おかえり。メルル。今日からよろしくね!」




黒猫面のクロさんとの不思議な夫婦生活がこの時から始まったのだった──。








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