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13話


パリィィンと音がして──

私の付けていたブレスレットが割れた──



その瞬間─…

眩い光が辺りを包み、大規模な爆発が起きる─…



「っっっっ!!!!?」



目を開けると、辺り一面吹き飛ばられ、黒こげになった更地が広がっていた─…。

ロブ・ロードはボロボロになり完全に伸びている─。



「ふぇ…?」



「護りの魔法が効いたみたいだね」



ほっとしたように言うクロさんに、私は逆に背中の汗が止まらなくなる。

何ってもん持たせてくれたのよ──!!!




「ロブさんは師匠のところでこってり絞ってもらうから。死んだ方がマシってくらいね…」




クロさんはそう冷たい声で言って、転送魔法を唱える。ロブ・ロードは魔法陣の中へ消えて行った。

本当…何だったんだろう…──。



どっと疲れが出てしまう。


クロさんはずっと黙っていて、何かを考えている様子だった。




「クロさん、助けてくれて、ありがとうございました。」




お礼を言うと、クロさんは吃驚したようにこちらを見る。




「きっと…昔飼っていた豚さんも、クロさんに感謝していると思いますよ」




「…………。え?」




豚さんの気持ちなら…少しわかるの。体型似てるし。

きっとクロさんに育ててもらって…幸せだった。



「ロブ・ロードに聞いたんです。昔、クロさんが大切に飼っていたペットの豚さんを手にかけてクロさんを傷つけたって…。」



それがクロさんに影を落としているのなら…

解放してあげたい…



「私を!!そのペットの豚さんだと思ってもらってもかまいません!!クロさんが悲しまないのなら!!」



意を決して宣言する。

私はクロさんの奥さんではなく、ペットの白豚聖女になると!!!



「ま、待って…?え…、豚!?」



クロさんが物凄く動揺している。

あれ…?おかしいな…?



「それって…、僕が修行の一環として、大事に美味しくなるよう日々研究して育ててた…養殖用の豚のこと…?」



「……ふぇっ!!!?」



え…養殖用…?食べる…の?



「まだ出荷前なのに、あいつが先に美味しく食べちゃったみたいで…少しがっかりしたんだけど…」



「………。え…?私を奥さんにしたのは…その豚に似てたからじゃ…」




二人の間に何とも言えない空気が流れる─…。


ロブ・ロードォォォォォ!!!!

紛らわしい言い方するんじゃないわよ!!!!


絶対次会ったら聖女の力で浄化してやる!!

あの黒い靄全部きれいな空気にしてくれる!!!




「メルル…。君に言わなきゃいけないことがある」



そう真剣な声でクロさんは私に向き合った──…






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