表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/154

第7話 ケモノ娘たちの戦後2

「ちょっとこれ、どういうつもり?」

 部屋に入ると、いきなりティナが食ってかかってくる。

「どうって、今のティナの立場を示すためのアイテムだが?」

 誰の趣味かはわからないが、獣人の宮廷での簡易的な礼服は、まるで女子高生が着るようなブレザーに似ていた。

 雅人の通った高校はセーラー服だったので、そちらはイヤな記憶がよみがえるものの、ブレザーに罪はない。

 必要以上に男の欲望をかき立ててしまうということ以外は。

 今後の反乱の芽を摘むためにもやらなければならない儀式があり、どうせならとコスプレ気分で着て待つように命じておいたのだ。


 一応、二人はこの世界の考え方では雅人の戦利品である。

 人権意識などかけらも育っていないし、奴隷制度が悪いという感覚もない世界のことだ。

 戦利品である二人は、雅人の命令には逆らえず、どうしようと所有者の自由というのが一般的な理解である。

 戦利品については奴隷として売り払うも良し、手元において愛でるもよし。

 言うことを聞かなければ、罰を与えてでも屈服させるのが当たり前という価値観が支配している。


 とはいえ前世でコミュ障だった雅人でも、言うことを聞かないからとヒドイ罰を与える趣味は一応ない。

 イジメられてうっくつしていた感情をこじらせ、復讐に向かう程度には攻撃的だが、クラスメイト以外を過度に痛めつけたり、苦しめたりして愉しむ趣向は持ち合わせていないつもりでいる。

 死にかけていて、良心の呵責を覚えない相手を復讐の道具にするくらいはするが。


「ま……魔王様。どうか、ティナにも寛大なご処置をお願いします」

 境遇の違いを敏感に察したサトミが、妹への許しを願い出る。

 だが却下だ。


「どうして、サトミにはない首輪をティナには着けろと言ったかわかるか?」

「……わたしが、反抗的だから……でしょ」

 横をぷいっと向いて答えるティナは、だが、これから何をされるのかわからずに小さく震えている。

 そんな思いをするくらいなら、素直に許しを乞えばいいものを。

 プライドが邪魔をするのだろうか。

(まぁ、そういう子をデレさせるように持っていくのは楽しそうだけど)

 敗戦国の姫として、従順なサトミと、反抗的なティナ。

 良いバランスだ。


「さて、これから愉しませてもらうつもりだが、まずこれを着けろ」

 二人に円環状のモノを渡す。

「……なによ、コレ?」

「魔封じの腕輪だよ」

 答えてやった瞬間、ティナが髪の毛を逆立てて怒る。

「……サイテー」

 猫と猫族は違うというのはわかっているが、こんなふうに猫のような習性を見せられると、不思議な気分になるものだ。

「魔法を封じないと、女二人も自由にできないの? 魔王ってその程度なんだ」

 完全に挑発してきている。

 だが、そっち系のゲームとかでよく見た反応なので、別に雅人は怒りもしないし、挑発に乗って指示を撤回したりはしない。

「どっちかというと、二人の為だな」

「……どういうことでしょうか」

 意味がわからず、サトミが問い返してくる。

「俺の魔力なら、二人と言わず、数十人単位で屈服させられる自信はあるさ。でも強引にして、怪我をさせたくはないんだよ」

 一応、雅人は紳士のつもりだ。

 こと女性に対しては、心臓の半分くらいは優しさでできていると思っている。

「……わかったわよ。着ければ良いんでしょ! 着ければ!」

 こちらが挑発に乗らないことで、当てが外れたのだろう。

 戦利品の自覚はあるらしく、サトミに続いてティナも指示に従う。

 手首に密着するように巻いた瞬間、枷に二人の魔力が吸い出される。

 これで、二人は魔法を行使することはもちろん、魔力を操ることすらできなくなった。


 抵抗の主要な手段を封じたことで緊張を解き、雅人はじっくりと二人を観察する。

 茶髪から犬耳を覗かせたサトミは、心中の従順さがあらわれているように、耳がしゅん、と垂れ下がっている。

 反対に、白髪を警戒心で逆立てたティナは、耳も不安そうにピクピクと震わせている。

 いずれ劣らぬ美少女を、しかもおそらく初物をこれから好きにできるかと思うと、雅人の中で暴力的な何かが目覚めそうだ。

(ダメだ、ダメだめ。優しく、紳士に)

 浮かれて調子に乗り、非道いことをして、イイ結果など生まれるはずもない。

 慎重過ぎるほど優しく扱ったからこそ五人の藩王も、エリーも、パルムも雅人に忠誠と想いを寄せてくれているのだ。

 成功体験を棄てて暴力的に突っ走るのは、相手が違う。

(そういうのは、復讐相手に取っておけ)

 雅人は、心を落ち着かせるために一度眼を閉じ、ふぅ、とため息を吐いた。


(さてと、どっちからいただこうかな)

 気が強い美緒と、押しに弱い麻奈のどちらから攻略するか、いつも迷ったのを思い出す。

 えっ? 年齢制限? まぁ、そこはそれってことで……。

 えっ? 古すぎる? そうですね……古典は大事ですから、それは否定しません。


「よし、サトミ、おいで」

 ティナの抵抗を愉しむ前に、サトミを堕としてしまおう。

 堕ちた姉を見せた方が、生意気な妹も料理しやすそうだ。

 ちょっと短いのですが、この後の話をノクターンの方に掲載するので、今日はこれだけでご容赦ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ