ルゥースの家族の真実
✕ルゥースの家族の真実
「す…既に死んでるって……どういうことですか?」
『分かる、確かに急すぎたな…まずは君の一家、クラッド家について説明しよう、まずクラッド家は、神聖時代から存在した清い血を持つ家族の一つ、その家族は代々魔術や魔術演算が専門の家系なんだよ、当時の君はクラッド家の中でも魔術の才はピカイチだったんだ。』
「えっと…で、では、ハイネ…と言うのは一体どういう家系なんですか?」
『そうだな…ハイネ家は…簡単に言おう、暗殺一家と呼んでもいいだろう、才能を持つ者を教育することでも有名だが、もし才能を持つ者が産まれなかったら』
「……他の家系の子供を連れて行く?」
と、言うと「その通りだ」と言い、話を続ける。
『その当時、ハイネ家では才能を持つ者が産まれなくてね、その時ハイネ家に目に入ったのが君なんだ。』
「………俺?」
『あぁ、そこでハイネ家の連中は、クラッド家に近寄り暗殺、そしてまだ赤ん坊の君を連れ去って15年が経つのだ。』
なる程…だからアルバムをあの人達は見せようとしなかった理由が分かったと言うもの、赤ん坊の時の俺の写真なんてなかったから。
『っとと、そろそろかの、ルゥース、初めての家族円満の時間を楽しみなさい。』
「え?それってどういう…」
『………ルゥース?ルゥースなの?』
「……あなたは……」
『カレン、落ち着きなさい、そうだよな、まずは説明しないといけないよな、俺はクラッド・ソォトス・アキレス、ルゥース、お前の実の父親だ。』
『私はクラッド・ソォトス・カレン、あなたの母親よ。』
「父さんと…母さんなのか?」
『大きくなったな…』
『生きてて良かった…本当に良かった…』
「……本当に…そうなのか…」
ルゥースは少し戸惑いながらも、認めることにした「今まで愛してくれた両親も兄も、本当は実の両親を殺したただの殺人鬼」と言うこと「両親は既に死んでいるが、今でも自分のことを思い愛していること。」15歳の初な子供にはまだ早すぎる内容だが、ルゥースは自分なりに解釈した。
『ルゥース、元気にしているのか?』
「うん、大丈夫、だけど…ちょっと色々あってね。」
『知ってるわ、冤罪を受けたのね。』
「うん、そうなんだ。」
『俺は冤罪を許すわけにはいかない、だが…今の私達の立場では何も出来ないのが現状だ…』
「ううん…大丈夫。」
そう言い、ルゥースは目の前のホログラム状の両親に言った。
「俺は、冤罪を覆すよ。」
『………ルゥース、こっちに来てくれないか?』
「………うん。」
怒られるのか、と思い近づくと、両親に優しく抱き着かれた、その感覚は、ハイネ家でも味わえなかった感覚だった。
『ルゥース、お前は強い、だがな…無茶だけはするな。』
「………うん…」
『可愛い我が子…大丈夫よ、いつでも私達はあなたの味方なのだから。』
「うん………うんっ……」
ルゥースはこの時初めて泣いた、今までこのような感覚を味わったことのないルゥースにとって、この感覚は新しく、そして蠱惑的で甘い物だった。
『では私達はこれで失礼しよう、会えてよかったよルゥース。』
『いつでも呼んで、私達はいつでもあなたのことを見守っているし困っていることがあったらいつでも呼んで。』
「ありがとう…俺、頑張るよ。」
そう言い両親の顔を見ると、両親は笑顔でルゥースを見つめ、消えていった。
「さて……『宝物具の扉』」
そう言った瞬間、横から亀裂のような空間が作られた。
「………この中に色んな物が…でも今回は…」
ルゥースは一冊の本をその亀裂の中へ丁寧に入れた。
「これは、俺の大切な物なんだ……さて、と。」
一息付いたところで、シャワーを浴びたくなったルゥースが扉を開けると、そこに立っていたのは。
「」
「カ…カツナ…さん?」
そこには、今までに感じたことの無い雰囲気を醸し出したカナツさんが立っていた。
「あ……えっと……そ、そのぉ……ごめんなさい!!」
「……何に対して謝っているの?」
「えっと…数週間ずっと部屋に引き籠ってたから…」
「そうね、でも今は、ルゥース君と同じ立場の人がもう一人居るのよ、ルゥース君はそっちを援助してくれない?」
「分かりました、研究室ですね。」
そう言い、ルゥースは、階段を登っていった。
「…頼んだわよルゥース君、君が所長を救うキーパーソンなの。」
「何だろ…研究室からどす黒くて重い空気を感じる…所長はぁ…」
ゆっくり扉を開けると、そこにはあたりに器具が倒されて床に落ちており、所長が机で項垂れていた。
「…………ルゥースか……………」
「所長、大丈夫ですか?まだ研究の課題が見つかってないのですか?」
「………………………あぁ…」
コレは重症だな、何か良いネタは無いかと、ふと閃いたネタを使って見ようと思い。
「所長、少しつまらないかもしれませんが、話しても良いですか?」
と、質問すし、所長の許可を貰う。
「……………………構わない。」
「ありがとうございます、実は俺、最近知ったことがあるんですよね。」
「…………………………何だ?」
うん、どうやら興味は持ってくれてるみたい、だけどやっぱり気力が無いのか、と思いながらも話を進める。
「スライムの魔法の使い方なんですけどね?」
「………………スライムが……………どうした?」
「スライムが魔法を使う時って、自分自身の魔素と空気中の酸素を練り上げて作るらしいですね。」
そういった瞬間、ルゥースは気づいていないが、グレアの耳と尻尾が反応していた。
「……………………………そうか。」
「もしこれが現実にできたら凄いですよね、容器の中の液体が気外に出たら魔法発動とかって言うの。」
「それだ!!!」
ルゥースが無意識で言った発言が、グレアにとって、希望の第一歩だった。
「そうだ…ポーションも魔法薬…なのに何故魔法が発動する薬が流通されない…外気に触れないから!ルゥースありがとう!あと2ヶ月だが何とか…な…る…」
「所長?所長しっかり!って……寝てるだけか…良かった…カツナさん連れてこよう。」
ルゥースはカツナを呼び、グレアの状況を説明した、カツナは「こうなった所長だったら明日にはケロッとして研究に没頭するだろう」と言い、グレアを寝室に連れ込んだ。
「さて…と、俺は俺で魔術演算の見直しだ!」
そう言いながら、ルゥースは、横になった器具を丁寧を拭き、元にあった所に置いた。
「さて…と…誰ですか?人……じゃないですね?」
「」
扉が静かに開き、外から女性が入って来た。
「なんで俺女性との悲劇が起こりやすいんだ…それで、今回は何のようですか?」
「……ごめんなさい。」
そう言い、女性が上着を脱ぐと、そこには大量の爆弾があり、時間は10秒と電子文字で書かれていた。
「なっ!ちょっと待てよ!」
その10秒後、魔術薬研究所辺りで大爆発が起きた。
その同時刻、スフィル家の方でも。
「っ………お父様、今何か爆発音が聞こえませんでしたか?」
「グラシア、どこで爆発したか分かるか?」
「………ルゥース君が危ない…」
「なんだと?直ぐに行くぞ、場所は魔術薬研究所だ。」
「私も行く!」
「分かった、お前はルゥースの数少ない理解者だもんな、心配なんだろうが…お前の姉に責められるなよ?」
「大丈夫だから、速くしよ!」
「それもそうだな、急ごう。」
その爆発の規模は、数十キロ離れたスフィル達にも分かるほどの規模だった。
「爆発を確認しました、研究所は崩壊確定でしょう。」
「ふっ…これでグレアとルゥースはおしまいだ、これからは俺達の時代と言うことを、2ヶ月後に公開出来るのだからな…っははははははははははは!」
その同時刻、研究所から少し離れた場所で爆発を確認し、悪人のごとく笑う黒いローブを来た男がそこに立っていた。
「これで邪魔者は排除した、確認などしなくても良い、跡形も残ってないのだからな、さ、行くぞ、まだやらなくてはいけないことがあふからな。」
「………大丈夫でしょうか本当に…」
男はそう言い、森の中へと消えていった。