性獣と化した者
✕性獣と化した者
「ぐっ…くっそ…体が火照りすぎて寝れねぇ…あ、熱い…何か変な気分だし…どうなってんだよ…」
身体の火照りは収まるどころか、ジワリジワリと体の中を蝕んでいくように広まっていく。
「ま、まずいな…こんな所見られて心配かけるわけにも…」
布団の中で呟いている時だった。
「入るぞ。」
「え?」
そんなとぼけた声を発している時、既に
「大丈夫か?ルゥース。」
「は、はい…大丈夫ですよ。」
ルゥースは上半身を起き上がらせてそう言った。
「ふむ……嘘だな…証拠にこの部屋………雄の匂いが濃いな…やはり催淫が抜けていないのか…まぁ私も…」
「しょっ…所長!何を!」
「………したい…」
「え?のわっ!?」
ルゥースはグレアに押し倒され、再び横になった。
「………したい…」
「所長?ちょっ!服脱がないで!脱がないでください!」
ルゥースは恥ずかしそうに手で目を隠す。
「犯したい…えぇ…犯したいの…犯したい、犯したい、君を…ルゥース君を…めちゃくちゃにしたい。」
「んぐっ!?」
その行動はルゥースにとって、到底理解できぬ物であった。
何をした?所長が近い 口の中に何かヌルヌルした物が……舌?にしても… もしかしてこれ………キス!?
と言う答えに行き着くまでにかかった時間、10秒!長い!
「ふぅー…ふぅー…ふぅー…」
「んぐっ…ふぅ…ふぅ…」
所長は念入りにルゥースの国の中を舐め回し、ルゥースは呼吸をするのに手一杯だった。
「ぷはぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
「げほっ…げほっ…しょ…所長…一体何を…」
ようやく離してくれた所長にルゥースは質問を投げ掛けるものの。
「理由は無い…犯したい…ただそれだけ…。」
「なっ!ちょっと所長!?何を!」
ルゥースがハッと、我に返ると、所長はルゥースの服を強制的に脱がし始め、所長はあるものを見た。
「ルゥースお前…この傷…」
所長が見たルゥースの身体には、金輪際消えないであろう深い傷が身体中に出来ており、背中に至っては、脇腹からチラリと見える程巨大な傷があった。
「ルゥース、何だその傷は。」
所長は真剣な眼差しで質問をしてきた。
「こ、これは…」
「家庭内暴力と言うやつか?」
「………はい。」
その傷はつまり、家族から見放されたと言う証であり、子供を大切にしていない最低な親と言うことでもある。
「ルゥース…貴様は死ぬまで私のものだ」
「…痛っ…ちょ、所長?何を…痛っ…くっ…」
ルゥースが質問をした直後、所長は首筋に歯を立て噛みつく。
「誰にも…誰にも…」
「痛っ…い、痛いです所長…」
所長はルゥースを押さえつけ、動けないようにし、身体を噛み付き始めた。
「お前は渡さん…あぁ…誰にもな…」
「えっ…それって…」
「言わせるな……はむ…」
「んぐっ…」
所長は再びキスをする、ルゥースは予想していたらしく、何とか受け入れられたが、問題はその後だったりする。
「どうだ?私のキスは…中々上手いだろ?」
「……ノーコメントで。」
「そうか…ならば確認するだけです。」
そう言い所長は、ルゥースのスボンをおろした。
「ちょっと所長!?何をしてるんですか!」
「ふむ…下は中々正直なようだな、さてはツンデレだな?可愛い奴め。」
「ツ、ツンデレじゃありません…」
「そうか…では私は正直になるまでやり続けるのみ。」
そう言い、所長はルゥースについている男の象徴を口に加え始める。
「ぐっ…ぅわぁ…あっ…」
「情けない声を出すとは……ルゥースはやはり面白いなぁ。」
それは今までルゥースが味わったことのない快楽だった。
「そ、それは…ぐっ!ぅうう!」
「ははは、良いぞ、出せ、出すがいい。」
「ぐっ…ぅうっ…」
果てた…ルゥースは何が起きたのか分からないまま、所長の口のなかに何かを出す。
「うっ……ん…ん…これはこれは……相当たまって居るようだ…なら私も久々に…」
「……え?所長?」
「ルゥースを獲物として貪るとしようか。」
「所長?嘘…ですよね?」
その夜、旧応接室からは、女性甘く、卑猥な声と、男性のもがくものの、到底敵わない相手に押し倒される絵面が声だけでわかるほど鮮明に聞こえていたという。
「ん…んん…朝…か…」
時は進み、朝になる、ルゥースが目を覚ますと。
「……服来たままだ…夢………だったのかな……っ…首に何か……!?」
痛みがした所を触り、確認する、そこから僅かな血が手に付着していた。
「……『ミラー』」
首の痛みの原因を確認するために、透き通った水が集まり続け純度の高い鏡が完成した。
「…っ…痛いな…『ヒール』」
傷が痛むため、傷口を治療するも…
「傷が…治りきらなかったか…こりゃ一生モンだな…」
そう呟き、新しい白衣を着ようとしたとき、誰かが居ると錯覚し、横を見ると。
「すぅ…すぅ…すぅ…」
「」
所長が寝ていた、所長も服を着て、ルゥースのとなりで寝ていた…
「所長…朝ですよ、起きてください。」
「んん…ん?ルゥースか…おはよう…ふわぁっっあぁぁ……」
所長は、あくびをしながら背を伸ばし起き上がってこう言う。
「私は先に研究室にいるからな、ルゥースは準備ができたら来るがいい、良いな。」
「は…はい…」
そう言い所長は、早々にこの部屋から出て行った。
「……準備するかな。」
そう言い白衣を着ようとしたとき、ノックが聞こえた。
「ルゥース君?お手紙が来てるのだけど…」
「ん?手紙?」
白衣を着て、部屋から出ると、少し困ったようなカツナさんがそこに立っていた。
「この家紋って…シェイル家の家紋…よね…届け間違いかしら…」
「……いや、多分俺宛です、ペーパーナイフあります?」
「えぇ、はい。」
そう言い、カツナさんはペーパーナイフを渡してくれた。
「えっと…名前は…うん、間違いなく俺宛だ。」
「ルゥース君宛……誰からなの?」
「名前は…シェイル・フォンド・スフィルノーツ…間違いないなこれは…」
「スフィルノーツって…あの王族の!?」
「それ以外に何があるんですか…取り敢えず内容を…」
手紙の内用を改めて確認する。
貴殿 ハイネ・ルゥース様
まだ冬の寒さが残っておりますが、ルゥース様は身体を壊さずにお過ごしでしょうか、もし体調がわるくなってしまった場合私が付きっきりで看病をするのでご安心してください。
「最初の挨拶の部分でもう読みたくない………」
「ルゥース君はシェイル家とどのような関係なのですか?」
「簡単に言えばですけど、師匠と弟子みたいなものです、スフィルは強かった…」
「呼び捨て……」
「まぁまぁ…取り敢えず続きを読もう。」
さて、挨拶はこのくらいにしておき、本題に入らせてもらいます。
今回私がルゥース様に手紙を出した理由、それは『貴方の冤罪の主犯』についてです、と言っても、今の現状を報告するだけにここに行くのですが。
「主犯…か…もう大体分かってるけど…」
その話をしに、我々シェイル家がお邪魔させていただきたいと思っております。
「………はぁ!?」
勝手ながら申し訳ありませんが、ご理解の方よろしくお願いします。
シェイル・フォンド・スフィルノーツ
「…嘘だろ…スフィルのやつ来んのかよ…カツナさんどうしましょう…カツナさん?」
「」
どうやら急展開すぎて頭がフリーズしてしまったようだ。
「と、取り敢えず所長やメイドさん達にも報告をしておこう。」
その後、1.2時間かけてメイドさん達に報告した、ほとんどの人は驚きすぎて泣き崩れるのが多く、所長に至っては聞こえないふりをしたのだった。
その同時刻、のどかな森の中を二つの馬車が進んでいた。
「ベッテル、あとどのくらいでつく。」
「はい、あと小一時間ほどです。」
「そっか……」
そう言い、扉のガラスから外の景色を見てこういった。
「楽しみだ…元気だろうかルゥースは…」
この人こそ、シェイル・フォンド・スフィルノーツ、かつてルゥースの剣を教え、共に仲良くなった国王の娘である。