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擬装胸

作者: 柊鏡

擬装胸


 デカパイは頭が悪い。

 そう、思っていた時期が俺にもありました。

 しかし、A子はデカパイであった。Hカップはあるかもしれない。響きがすでにエッチなHカップ。

 なのに成績優秀だ。東大も余裕で圏内だとか。怖ろしい。

 だが、俺は彼女の乳が擬装胸ではないかと疑っていた。だって、デカパイはバカのはず。

 なので、訊いてみた。

「胸、擬装だよね?」

「揉んでみる?」

「は?」

「揉んでみる?」

「解った」

 何故か知らないが、揉むハメになった。実に嬉しい。

 揉んだ。柔らかかった。

 そして外れた。

「うわっ」

「あやー、外れちゃった」

「本当に擬装胸……」

 本当だったとは、びっくりだ。

「どうして?」と訊く。

 A子は笑いながら、「ほら、デカパイって馬鹿にみられるでしょう?」とか言う。

「イミフ」

「ほら、私頭いいじゃない」

「自分で言う?」

「事実だしぃ」

 なんという女だ。

「で?」

「ギャップ萌えを狙ってみました。キラっ☆」

「うわ、うぜぇ。だがそこがいい」と言ってしまう俺。

「え? うざいのがいいの?」ときょとんとして俺を見てくる。

「ギャップ萌え」

「イミフ。で、B君って結構、筋肉あるけど、もしかして――」

「擬装胸板です。キラっ☆」

「うざい上に、萎え」あからさまに軽蔑した目付きをするA子。あれ、自分も同じことしてたのよね? 同族嫌悪?

「うっわ。酷い」

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