11話 用語2
「魔物」
この世の理から大きく外れた力を持つ生き物の総称。魔力が影響して変質した獣から、魔力そのもので出来ている魔法生物までその種類は幅広い。
魔力の影響が薄い動物は魔物と呼ばれないが、地球よりも巨大化する傾向にある。
「冒険者組合」
魔物の被害に悩む住人の為に、魔物を狩る狩人や傭兵組織等の小さな組織が集まって組合が出来た歴史がある。
魔物は強力な力を持つものが多数であり、従って冒険者組合で最も重要視されるのは武力となる。組合が設立された当初は階級という制度は無かったが、依頼主が一目で強さを確認する為に作られた。その当時は武力に加え知力や人柄なども階級分けされていたが現在では形骸化して武力の意味のみ残っている。
階級は上から特級、上級、中級、下級、初級の5段階ある。初級は組合に登録したての者がなり、年齢が低すぎるといった理由が特になければ数日間で上の階級へと割り振られる。特級という階級は一部の異様な強さを持つ者達を隔離する意味もあり、上級の実力者が玉石混淆であった為作られた、という歴史がある。
階級だけではとんでもない乱暴者が入り込んでしまうと思われがちであるが、人柄に問題がある場合は依頼を避けられたり、最悪組合に処理されてしまうのでそこまで問題視されていない。
冒険者に紛れ込んだ犯罪者を処理する暗部があるという噂がある。
「エンブライト王国」
大陸のほぼ中央に根を張る国。主人公達の居るグラドの街もエンブライト領である。どちらかと言えばおおらかな国柄である為、人間相手には余り強くない。その為北にあるベルヘモット帝国等の軍事国家に押されぎみだが、冒険者組合は帝国と余り仲が良くなく、魔物の対応に相応の予算を掛ける必要があるので王国は滅んではいない。
「グラドの街」
主人公達の滞在する街。田舎ではあるが、比較的多方面からアクセスしやすい為まあまあ発展している。それでも中継地点でしかなく特に名産品はないが、代わりに珍しい品が流れてくることが少なくない。そうした品を狙う商人が集まる街。
街の周囲には魔除け処理を施した木材で壁が築かれており、比較的安全。街中にはゴミが落ちていることは少ない。その理由は汚水処理兼汚物処理施設があるから。
街中に不浄なものが多いと疫病が流行る原因になるだけではなく、異世界特有の毒性をもったスライムや不死系の魔物が湧く原因にもなることから掃除は重要視されている。階級の低い冒険者の仕事には街の掃除というものもあり、他の冒険者からすると軽視されがちだが、街にとっては大切な仕事である。
「ベルヘモット帝国」
大陸の北に位置する帝国。歴史は浅く、少々血生臭い国。鬼人族の集落と戦争をしているらしいが、詳細は不明。
「人族」
大陸に根付く人間の総称。獣人族や森人族等の亜人も存在しているが、純粋な人族と交配出来れば人に類するという考えがある。交配出来れば「○人族」というような名称で呼ばれる。それ以外は魔物に分類される。
「鬼人族」
人並み外れた膂力を持ち、刃物を通さぬ強靭な皮膚を備える。その特徴として頭に二本、または一本の角が生えている。角は皮膚の延長のようなもので、主人公の鬼姫のように黒い角は魔物に近く異質なもの。だがそれを知るのは鬼人族か鬼人族を良く知る者のみなので、主人公は普通に鬼人族として接されることとなる。
「魔法」
炎を出現させたり風の刃を作り出す等、不思議な力の総称。この世界の生き物は無意識でも魔力を利用して身体強化を行える。主人公一行も魔法を使用できる土台はあるが、世界の違いから苦手としている。
主人公達の使う"スキル"は魔力を使用しているが、厳密には魔法ではない。魔力由来でありながら一切魔力が含まれていない特異なもの。
「ロックドラゴン」
この世界に生息する竜種の一種。その中でも中型のドラゴンで、生涯を群れで生活する。その特徴的な体表は鱗が変質し、岩のようになっている。ロックドラゴンの鱗片は金属に混ぜると硬度が増すので冒険者に重宝されている。肉は食用にも出来る。
生息域は硬い岩場で、近くにエサとなる動物が多く住んでいることが条件となる。水は溜め込めるので、水場が近くにある必要はない。地面を掘り返して土や岩を食べる習性があるが、それは鱗を作る為という説がある。
「ゴブリン」
最下級に位置する弱い魔物。別の生物の雌を拐って孕ませる習性があり、見付けたら即駆除と言われている。だが、基本的に自らの群れだけでも十分に繁殖可能であり、他種族から雌を拐うのは何らかの要因により群れの雌が激減した場合のみ。なので言われている程の淫獣ではない。
魔法を使うゴブリンメイジや多くのゴブリンを従えるゴブリンキング等に進化することがあるが、ほぼ全てが弱い内に狩られてしまうのでそこまで進化するには人里から離れなければならない。
人族と交わってもゴブリンしか産まれないので亜人種ではない。しかし、理性的で人に協力的な個体もたまに存在している。




